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箱庭のピアニスト  作者: テトラ・カノン
2 機械仕掛けの国
6/12

2 忍び寄る金属音

 部屋の中は想像してたよりも数倍も綺麗だった。

 外は油や煙まみれに対して部屋はロココ調で至って普通だ。少々値が張りそうなベッドもあった。


「随分しっかりした中身だな、あんまり期待はしてなかった反面ここまで期待値を超えるとは」

「電気も付くし、暖房もあります……」


 ある程度部屋を周って見た後、冷たい手足を温めるため暖炉の前で二人座った。

 暖かくなって少し緊張が解けた私は料理を作ってあげようと提案した。食材はさっきあることは確認済みだ。

 スーさんは料理が得意ではないらしく是非もなく頼んだ。


 張り切って台所に向かったものの冷蔵庫にあるのはキャベツ、人参、知らない食材1、知らない食材2……。さらに違う段にはなぜかケーキが。


 ふとここで私はおかしな事に気づいた。


「スーさん……この食材やケーキって誰が食べようとしてたんですかね?」


 スーさんの方に恐る恐る目を向けると、にらみを利かせこちらに銃口を向けている。


「え?何をしてい」

「動くな。黙れ」


 銃口は私の頭の方をゆっくりと狙いを定め、バンッ!


 銃弾は私にではなく左目の横を通りすぎ背後にあった窓に当たった。

 ガシャンと窓の割れる音の次にガンッと鉄が地に落ちる鈍い音がした。

 私はそのまま膝から崩れ落ちた。


「ここは危ないから逃げるよ」


 ペタンと座り込んでる私をスーさんは抱きかかえ割れた窓から飛び降りた。

 そしてそのままどこかへ走り出した。


「ちょっと!どこへ行くつもりですか!しかもさっきの銃といい、ロボットといい一体何なんですか!」

「まあ銃の事は追々話す。ロボットはたぶん私たちを連れに来たのか、もしくは殺しに来たのか」

「殺っ……そんな……なんで」

「わからない、だけどさっきの食材といい、割と最近まであの家にロボット以外の生物が住んでたことは間違いないね。どうせ人間だけどね」

「でも、消えた人たちは?」

「たぶんあの中だろうね」くいっと顎で真正面を指す。

「あの中……まさかあそこへ行くの?!」

「もちろん、時計塔に行かないことには事態も進まないからね」

「マジですか?!」


 こうして私は抱えられたまま為す術もなく連れて行かれた。

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