詩情のない線上
詩情のない線上に虫の音が跳ねる
だからどうした
そんなこと知ったこっちゃない
それよりこの色を堪能したまえ
銀色の飛沫が船上に舞う
途切れやしない線上が
見えなくなるのは
幸せすぎるのか
不幸なのか
私情のない戦場に光矢が飛ぶ
ほら、聞こえないのか
いつも誰かが泣いているんだ
わかっているのに、ね
何にもなかったように
軌道に乗ってしまうのも
宇宙の法則だと笑うんだ
逃避行する星屑に塗れて
ねえ、聞いてる?
虫の音が尋ねるから
目を閉じよう
詩情のない線上に歓びを抱いて
まだ見えぬ青雲に想いを馳せても
きっと眠ってしまうだろう
目覚めれば虫の音は終われ
美しく悩ませる夢幻の線上にとまどう