時期が悪かった(二百文字お題小説)
お借りしたお題は「太陽発電」です。
俺は再生可能エネルギー開発を手がける会社の営業マン。
今日も靴底をすり減らして、営業に回っている。
「如何ですか、太陽光による発電で、家庭の電力を全て賄えます。余った電気は電力会社に買い取ってもらえますよ」
ようやく話を聞いてくれた老夫婦。俺は必死になって売り込みをかけた。
「時期が悪いよ、お兄さん。今は冬だからさ。夏にもう一度来なさい」
ご主人が言った。
俺はアッと思った。ここは北極圏。今は一日中夜だった。
という事でした。