第2話-1 悪夢の始まり
お読みいただきありがとうございます!
この章から主人公の本当の悪夢が始まります。
どうぞお楽しみください!
私の身体は、果てしない暗闇の中を自由落下していた。
まるで闇そのものが、私を呑み込もうとしているかのように。
耳元を風が切り裂き、心臓の鼓動と混ざり合って響く。
「――ドンッ!」
背中から冷たい石床に叩きつけられ、肺から空気が一気に奪われた。
視界が暗転し、私はいつの間にか意識を手放していた。
……
どれほどの時間が過ぎただろうか。
ぼやけた視界がゆっくりと開き、私は周囲を見回す。
そこに広がっていたのは――
想像すらしたくなかった、地獄のような光景。
魔獣の唸り声がこだまする、忌まわしい地下牢獄だった。
「――ドォンッ!!」
突如響いた轟音に、私は反射的に顔を上げる。
闇の中から、巨大な影がゆっくりと姿を現した。
その巨体が一歩踏み出すたびに、
「ズシン……ズシン……」と重い音が石畳を揺らす。
走ろうとした――だが、足は震え、立ち上がることすらできない。
まるで鋭い杭で大地に打ちつけられたかのように、体は硬直していた。
「なぜだ……なぜ動けない!? 走れ……今すぐ走れぇ!!」
自分に言い聞かせるように呟き、必死に体を奮い立たせようとする。
しかし――
唸り声はますます大きくなり、足音はさらに近づいてくる。
そして、闇が裂ける。
そこに現れたのは、一匹ではなかった。
数十、いや数百の魔物たち。
奴らはゆっくりと、だが確実にこちらへ迫ってくる。
その一歩一歩が大地を震わせ、腐臭を伴った吐息が顔をかすめた。
やがて、魔物たちは私の目の前で立ち止まる。
吐き出される瘴気に肺を焼かれるような感覚が走り、視界が歪む。
暗黒の瞳が幾つも幾つも、私を睨みつける。
まるで魂ごと喰らい尽くそうとするかのように――。
世界が静止した。
耳に届くのは、己の荒い呼吸と胸を叩く鼓動だけ。
「……クソッ……!」
奥歯を強く噛み締める。ガリッと音が鳴った。
次の瞬間――
振り下ろされる巨大な爪。
こうして、地獄の迷宮での最初の戦いが幕を開けた。
ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます!
初めての戦闘シーン、いかがだったでしょうか?
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