chapter7 激闘の末
10/17おかしな文章があったので修正しました
オレがホブゴブリンの右腕を斬り飛ばしたことにより、ホブゴブリンが悲鳴を上げた。
「ギギギギギギァァァァァ」
ゴブリンたちは全滅し、残るはホブゴブリンだけとなった。
20匹ほどのゴブリンの死体がそこかしこに転がっている。
オレは、ホブゴブリンの叫びに身構えた。
ホブゴブリンは数秒…悲鳴を上げた後、叫ぶことを止め、オレのことを睨み付けてきた。
そして、怨嗟に満ちた叫び声を上げ始めた。
「ギギギギギギァァァァァ!!!」
ホブゴブリンはゴブリンの死体を踏みながら、オレ目掛けて襲ってきたのだ。
右腕を斬り飛ばしてやったというのに、なんていう執念だ。
オレは冷静に…魔法を発動させる。
「ウィンドブレーカー!!」
破壊する風で死ぬがいい!!
オレがそう思いながら詠唱するも…魔法は発動しなかった。
「え?」
その隙を付かれ、ホブゴブリンの膝蹴りがオレの腹部に命中する。
「ぐはっ…」
衝撃で吹き飛ばされるも、地面に落ちる瞬間ーー体を回転させて、地面を転がり、ダメージを軽減させる。
ホブゴブリンは再び、オレ目掛けて突撃してくる。
「クソ!!
何故!?発動しないっ…」
そう呟く
オレが立ち上がるより、ホブゴブリンがやってくる方が早そうだな…。
オレはダメ元で別の魔法を発動させた。
「ウィンドボール!!」
オレの掌から放たれた魔法はホブゴブリンに向かっていく。
ホブゴブリンは地を蹴り回避しようとするが、完全に回避することはできなかったようで左足首に当たり盛大に転け宙を舞った。
「ウィンド…カッター!!」
オレはホブゴブリン目掛けて魔法を発動。
ホブゴブリンの右足を吹き飛ばし、ホブゴブリンが地面に転がる。
「ギギギァァァァァ!!」
ホブゴブリンの悲鳴が辺りに響く。
「ちっ、魔法を使い過ぎたか…」
魔法が発動しなかったのはその影響だろう。
ウィンドブレーカーは、ウィンドカッターやウィンドボールよりも魔力を食うということか…。
「だが、諦めるわけにはいかない…」
せっかく、異世界に来たのだ。
この世界を冒険し、旅ーー尽くすのだ。
オレはそんな決意と共に立ち上がる。
ホブゴブリンはオレのことを睨み付けていた。
右腕、右足を切断され、左足も負傷している。
それでも尚、立ち上がろうともがいていた。
オレは腹部の痛みを我慢しながら、ホブゴブリンに近づく。
そして、ホブゴブリンに向けて手を伸ばす。
「これで…終わりだ!!
ウィンド…カッター!!」
その瞬間ーーホブゴブリンの首が吹き飛んだ。
■ ■ ■
オレは近くにあった樹木へと背中を預け、座り込む。
「疲れた…」
異世界に来て、一日目、ハード過ぎる…!!
オレは疲労と眠気で意識が飛びそうなところを気合いでねじ伏せる。
「こんなところで、眠りたくない…」
パッと見ただけでも、辺りは死屍累々だ。
できれば、持ち帰りたいけど…
「アイテムボックス使えないんだよなぁ…」
オレはポツリと呟いた
アイテムボックスは空間魔法だ。
ステータスをみたとき、空間魔法はなかった…。
どうしようか考えていると、目の前の空間に黒い穴が開いた。
「はい?なんで??」
……オレは疑問に思いながらも、検証することにした。
ステータスの確認は後回しだ。
今は、オレの仮説があってるかどうかが先だ。
オレは…立ち上がり、近くにあったゴブリンの腕を拾い、黒い穴に投げ込んだ。
すると…
■◆■◆■◆
アイテム数…1/???
ゴブリンの左腕×1
■◆■◆■◆
「これは!?」
間違いないアイテムボックスだ!!
上限が表示されてないのは不明だが、それは後々検証すればいい。
オレは嬉しさと達成感、疲労と眠気に襲われながら、倒したホブゴブリンとゴブリンたちの残骸をアイテムボックスに放り込んでいった。
作業が終わり、アドレナリンが出た影響か疲労と睡魔が和らいだ気がした。
ホブゴブリンから受けたダメージも回復し、腹部に痛みは感じられない。
「動くなら…今しか、ないな!!」
オレはディルティーナ王国の荘厳な城門と別れ、東側に歩き出す。
――数時間後、空が暗闇から明るくなってきた頃、ディルティーナほど荘厳ではないが立派な門が見えてきた。
ふらふらになりながら門に近づくと、門番らしき人影が現れた。
その安堵感と疲労が同時に押し寄せ、オレの意識はゆっくりと途切れていった。
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