chapter3 初めての戦闘
さっきの会話を思い出し、反芻する。
魔力を操るには集中力が必要で、精神を安定させなければ発動しない――。
オレは大きく息を吸い、吐き出す。
掌をゴブリンに向け、目を開けると同時に叫んだ。
「火球!!」
……しかし、何も起きなかった。
だが、体の奥で魔力が確かにうごめく感覚はある。
「ギギギイイイイ!!」
ゴブリンが吠え、こん棒を振りかざして突っ込んできた。
オレは咄嗟に横へ飛び込み、地面を転がりながら距離を取る。
「なぜだ…? なぜ発動しない!?
他に条件があるのか!?」
心臓がうるさいほど鳴り、汗が背中を伝う。
魔法を使えなければ、この状況を打破できない。
「……そういえば、ヒロが言ってたな。
魔法には十二の属性があり、人によって適性がある――」
火魔法はダメなのか?
だが、努力次第で適性に関係なく魔法を習得できるとも言っていた。
なら――試すしかない。
オレは再び手を突き出し、強くイメージする。
「風の切断!!」
次の瞬間、空気が鋭い刃となって走り、ゴブリンの脇腹を切り裂いた。
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