表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/13

chapter2 恐怖を越えて

ゴブリンと対峙しながら、オレは必死に考える。

――このままじゃ勝ち目はない。


焦りで頭が真っ白になりかけたそのとき、不意に過去の会話がよみがえった。



■ ■ ■



昼休み。教室の片隅でヒロが本を読んでいた。

気になったオレは、声をかける。


「ヒロ? なに読んでんだ?」


「ん? ケイか。ああ、これ? ライトノベルってやつ」


「小説かぁ。お前、好きだよな。どんな話なんだ?」


オレが関心しながら尋ねると、ヒロはページから目を離して答える。


「異世界に転移した少年が、魔法で無双して王になる……そんな感じの話だな」


「“そんな感じ”ってなんだよ」


「まだ一巻の途中だからな。今は、異世界に来た主人公が魔法を習得しようと奮闘してるとこだ」


そう言って苦笑するヒロ。

オレは少し興味が湧いて、続けて聞いた。


「タイトルは?」


「《異世界転移と魔法の覇道 ―気づけば王となりて―》だな」


「へぇ……魔法かぁ。使ってみたいよな」


「だよな。カッコイイし、便利そうだし」


「魔法の使い方とか書いてたりしないの?」


ふと疑問に思って聞くと、ヒロはページをめくりながら答えた。


「えーと……まずは自分の中の魔力を感じること。精神を落ち着かせないと上手く操作できないんだとか。

ゆっくり気持ちを整えて、体内にあるエネルギーを循環させるイメージを持つ。

それを掌や指先に集めて、放ちたい魔法を想像して詠唱する……そうすれば発動できるらしい」



■ ■ ■



――そうだ。あのときの話。

魔法を使うなら、まずは魔力を感じることから始めろって……。


オレは大きく息を吸い、覚悟を決めた。

怖い。正直、足も震えてる。

それでも、このままやられるくらいなら……!


「……やってやる」


そう呟き、オレは静かに目を閉じた。

読んでくれた方ありがとうございます

誤字、脱字などの不自然な文章があれば、指摘お願いします

他の作品も読んでくれたら、嬉しいです

面白いと感じたら、評価やブックマークお願いします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ