chapter23 新人冒険者、森で規格外な活躍
「混乱を防ぐため、この出来事は先にギルドに報告しておくか」
別の鎧を着た男性がそう言った瞬間――。
「なら、私が」
別の女性冒険者が答え、街道の方へ駆け戻っていった。
「この死体の山、どうやって持って帰るかだな」
目の前には、30匹以上のゴブリンの死体が横たわっていた。女性冒険者が小声で呟く。
「耳と魔石は討伐した本人に渡せばいいんじゃない?」
「ゴブリンは焼かないと面倒だよな」
男性冒険者がぼやく。
「そう言うな。死体を放置すれば迷宮ができ、他の魔物が寄ってくる。ここ一帯が魔物の巣になるぞ。仕方のないことだ」
別の男性冒険者がたしなめる。
なるほど、勉強になるな……と感心していると、森の奥から枝を踏み折る音が聞こえた。
「警戒!」
冒険者たちは即座に武器を構える。すると――二匹の狼の魔物が姿を現した。
「フォレストウルフ!?
血の臭いに釣られて来たのか…!」
思わず心の中で呟く。まさにフラグ回収だ。
「敵は二匹。包囲して潰せ」
慎重なのはいいが、時間がかかりそうだ。
「《ウィンドカッター》」
オレは風魔法を放つ。風の刃は二匹の狼を一閃で仕留めた。
■ ■ ■
死体が増えてしまった。これ以上寄ってこられても困る。アイテムボックスにしまうとしよう。
そのとき、女性冒険者が声を上げた。
「ちょっと待ちなさい! あなた、一体何を?」
(え、見てなかったの?)
「魔法で倒しました」
オレが答えると、周囲の冒険者は信じられないという表情になる。
「なんですって!?」
「詠唱してたか?」
「バカな!?」
女性冒険者はため息をつく。
「登録したばかりなのに……銀の閃火に勧誘されるだけのことはあるわね」
「ウォルアさんは抜け目ないからな。俺も色々お世話になったし」
「強いのに腰が低いよな。教え方も丁寧だし」
「高ランク冒険者って高圧的な人が多いからね。ウォルアさんみたいな人は貴重だ」
冒険者たちが口々に感想を言う。
銀狼、銀の閃火――かっこいいな、とオレは思いながら、倒した魔物たちをアイテムボックスに収めていった。
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