chapter18 魔物討伐開始
無事、冒険者登録を済ませ、衛兵たちのもとへ戻った。
確か――この場所は関所で間違いないはずだ。
オレがそんなことを考えていると、中年の衛兵が声をかけてきた。
「無事、登録できたか?」
「はい、大丈夫です」
オレはギルドカードを見せた。
「なら――さっそく、頼めるか?」
時刻は不明だが、日が傾き始めている。
今の所持金は、銀貨2枚と銅貨125枚。価値がどのくらいなのかは分からないが、次にギルドへ行ったときに聞いてみよう。
「わかりました」
オレはそう答え、ジェニアスさんと共に魔物の増加調査と討伐を始めた。
■ ■ ■
中年の衛兵に返事をして街道に出たものの、どこから探すべきか迷う。
闇雲に探しても時間の無駄だ。魔法でなんとかならないか――。
オレがどうするか考えていたら、ジェニアスさんが話しかけてきた。
「これからどうするんだ?」
無魔法には探索用の《サーチ》という魔法があるらしいが、オレは使えない。
なら――風魔法で代用するしかない。
オレは少し――考え。
「探索魔法は使えませんが、風魔法で代用します」
オレの言葉に、ジェニアスさんは目を丸くした。
「代用するだって!? どういうことだ?」
まあ、そりゃそうだ。既存の魔法にはないんだから。
オレは魔力の流れをイメージし、自分なりの魔法を発動させた。
「《ウィンドウィスパー》!」
“風の囁き”。
範囲内の音をオレの耳に届ける魔法だ。
無魔法の《サーチ》や土魔法の《アースソナー》を参考にして作った。
魔力を薄く広げ、範囲内のあらゆる音を拾う。
自分の心臓の音、ジェニアスさんの呼吸、街のざわめき、森の小鳥や風の音――。
ありとあらゆる音が耳に届き、思った以上にうるさかった。
そんな中、街道から離れた森の奥で、微かに枝が折れる音がした。
「行きましょう」
オレはジェニアスさんに声をかけ、魔法を解除してその方向へ向かった。
■ ■ ■
ジェニアスさんと慎重に進む。
すると――森に紛れた緑色の人形のような生物が目に入った。
――ゴブリンだ。
姿が見えているのは、全部で5匹。
ゴブリンたちは地面に空いた穴の前で何かしているようだ。
注意はオレたちに向いていない。絶好のチャンスだ。
「《ウィンドバレット》!!」
オレはゴブリンたちに向けて風魔法を発動。
“風の弾丸”がゴブリンの頭を貫き、その場に倒れた。
オレたちは急いで駆け寄り、風魔法の《ウィンドカッター》で片耳を切断し、胸から魔石を取り出してアイテムボックスに収納した。
「手際がいいな」
ジェニアスさんがそう言った。
「無駄な戦闘は避けたいですからね。
この調子で、どんどん狩りましょう」
オレはそう答え、再び――ウィンドウィスパーを発動させた。
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