chapter16 初めての討伐報酬
受付のお姉さんは我に返ったのか、小さく息をつき――
「申し訳ありません」
と頭を下げた。
いろいろ興味深い話が聞けたが、この世界の歴史にそんな出来事があったとは……。
「では、手続きを続けますね。
魔物をカウンターに乗せてもらえますか?」
「ゴブリン20匹に、ホブゴブリン1体も……乗りますかね?」
オレがそう尋ねると、受付のお姉さんは困ったように眉を下げた。
「……状態によりますが、どのような感じでしょう?」
「えー……ホブゴブリンは首と胴体が離れてて、ゴブリンも何匹かは同じ感じだったと思います。
あとは上半身と下半身が分かれてたり、右と左で分かれてたり、腕とか脚が――」
思い出しながら説明していると、受付のお姉さんの顔がどんどん引きつっていく。
「……裏に来てもらったほうが早そうですね。こちらへどうぞ」
お姉さんはカウンターの一部を開け、奥へ案内した。
オレとジェニアスさんは後についていく。
■ ■ ■
解体場に到着し、受付のお姉さんが促す。
「では、出してください」
言われた通り、オレはアイテムボックスからゴブリンの死体を順番に取り出していく。
すると――受付のお姉さんは露骨に顔をしかめ、作業員たちも「なんだなんだ?」とざわつき始めた。
「これで全部ですね」
最後にホブゴブリンの頭と胴体を出しながら告げる。
「魔石もお売りになりますか?」
「はい」
頷くと、受付のお姉さんは作業員に声をかけた。
「誰か、手の空いている人いませんか?」
すると、二人の男性がすぐにやってきた。
「俺たちなら空いてるぜ、リファリーちゃん」
「ゴブリンか。ずいぶん派手にやったんだな」
どうやらこの二人は作業員のファーテルさんとリズトルさんらしい。
体格がよく、いかにも職人といった雰囲気だ。
オレがそう感じている間に、彼らは淡々と魔石の取り出し作業を進め、あっという間に終わらせてしまった。
まさに職人芸だ。
「二人とも、ありがとうございました」
リファリーさんが礼を言うと、二人は気さくに応じて持ち場へ戻っていった。
「それでは報酬を用意しますので、受付の部屋でお待ちください」
促されて戻ろうとしたとき――ふと思い出した。
死体を利用して魔獣を生み出す、あの禁忌の魔法のことを。
「すいません。倒したゴブリンの死体、回収してもいいですか?」
「なんに使うんだ?」
ジェニアスさんが先に反応し、リファリーさんも訝しげな顔をする。
「魔法の練習に使いたくて……。火魔法を使えるようになるのに便利かなと」
禁忌に使うとは言えない。
「それに、アイテムボックスの容量がどれくらいなのか知りたいので、肥やしにしてもいいかなと」
本当は闇魔法や錬金術のために必要なのだが、当然伏せておく。
「……なるほどな」
「そういうことなら構いません。こちらも処理の手間が省けますし」
二人が納得してくれたので、オレは死体をすべてアイテムボックスへ回収した。
■ ■ ■
受付の部屋に戻って少し待つと、リファリーさんが布袋を持って現れた。
「ゴブリン1匹の討伐報酬が銅貨5枚、魔石が銅貨2枚。
ホブゴブリンは討伐報酬が銀貨2枚、魔石が銅貨8枚。
合計で銀貨2枚と銅貨148枚ですが、登録費と解体費を差し引きまして……銀貨2枚と銅貨125枚になります」
そう言って布袋を手渡してくる。
「ありがとうございます」
素直に受け取る。
「ゴブリンの討伐部位は耳になりますので、次からは耳と魔石だけをご提出くださいね」
リファリーさんはそう付け加えてくれた。
オレたちは頷いて、その場を後にした。
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