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Prolog2 追放者の本当の能力

オレは、召喚国を追放された。

筆頭すべき能力がないからだとか……。


「これから……どうするかなぁ……」


近くの樹木の根本に腰を下ろし、ただ途方に暮れていた。

時刻は夕方。空は赤く染まり、森の奥からは不気味な声が聞こえる。

この世界には魔物がいる――兵士たちの会話で、耳にしてしまった。

つまり、このまま夜を迎えたら、確実に…死ぬことになる。


手元にあるのは、召喚前に買ったばかりの新型ゲーム機と、そのソフトだけ。

なんの役にも立たない。


「プレイするの……楽しみにしてたのになぁ」


自然と声が漏れる。

そして、ふと自分の言葉に引っかかった。


「……今の状況って…」


乾いた笑いを漏らしながら頭を抱え、やっと顔を上げた。

そうだ、この世界。城、魔法陣、兵士、勇者。

――まるでMMOみたいな世界じゃないか。


もしそうなら、あの兵士が言っていた“職業が無い”って話も……本当に信用していいのか?


「たしか……ステータス魔法、とか言ってたよな……?」


そう口にした瞬間、目の前に――半透明の板が現れた。



■◆■◆■◆


【名前】: ケイタ・コクジョウ

【種族】: 人間

【年齢】: 16歳

【性別】: 男

【レベル】: 1

【称号】: 【異世界人】【唯一職】【召喚されし者】【追放者】

【体力】: 250/250

【魔力】: 600/600

【攻撃力】: 100

【防御力】: 80

【俊敏性】: 120

【職業】: 無職ヴォイド

能力スキル

【日常生活スキル】

記憶力Lv3、分析力Lv2、気配察知Lv1

家事Lv2、礼儀作法Lv3、楽器演奏Lv2、歌唱Lv2、計算Lv5

【戦闘系スキル】:身体操作Lv1

【魔法系スキル】

魔力感知Lv1、魔力操作Lv1

【固有スキル】:変遷へんせんうつわ


■◆■◆■◆



「……で、出たぁぁ!?

本当にゲーム画面みたい!!」


思わず声をあげる。

いや、それよりも。


「唯一職……?無職ヴォイド……?」


気になって指先でタッチすると、説明文が展開された。



■◆■◆■◆


【唯一職】無職ヴォイド

あらゆる職業の起点となる、最も“空白であり、最も満ちている”状態。

それは“何者でもなく、故に何者にもなれる”存在。

条件を満たせば、どんな系統の職業にも適応し、上位職へと進化することができる。

ただし、“無”であることは“未完成”を意味し、何の習得もないままでは力を持たない。

真の才能ある者だけが、この“無限の可能性”を開花させることができる。


特定の条件が揃うとランクアップすることができる。


■◆■◆■◆



「……え、これ……めっちゃ強いやつじゃね?」


全身に鳥肌が立つ。

追放…?役立たず?――面白いこと言ってくれるじゃねぇか!!


「よ、よし!

じゃあ次は固有スキル!」


慌てて、変遷の器をタッチする。



■◆■◆■◆


変遷へんせんうつわ

過去になったことのある職業ジョブに再転職できる。

クールタイム:7日。

転職により、その職業に関わる能力スキルに切り替わる。


※すべての職業を“記録”することができる。


■◆■◆■◆



「……は?」


オレは目を疑った。

これってつまり……。


「努力さえすれば、オレ……どんな職業にだってなれるってことか……?」


声が震える。

絶望しかなかったはずの心に、じわりと熱が広がっていく。


「やべぇ……これ、チートってやつじゃん……!」


笑いがこみ上げる。

オレは追放者――けど、その実態は、無限の可能性を秘めた“唯一職”。

胸の奥で、確かな高鳴りを感じた。

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