chapter14 千年前の出来事
「ですが――現在から千年前、ある事件が起こりました」
受付のお姉さんはそう続け――〖ゴクリ〗と息を飲む音が聞こえた。
事件って、なんだろう……?
「この世界が滅亡の危機に陥ったんです!!」
……はい?
オレの理解は追い付かぬまま、お姉さんは話を続けた。
「伝承によれば――"異世界召喚"は世界の魔力を搾取するとされています。
現在では制限され、"禁忌の儀式"とされていますが――当時は制限がなく、千年に一度とはいえ異世界召喚が行われていたそうです。
各国は競うように異世界召喚を行い、召喚者たちを戦争の道具として使ったと記録されています。
そして――たくさんの無職の職業を持つ者たちも現れました。
けれど各国は、無職を持つ者を"無能"と烙印を押し、追放しました。
これが悲劇の幕開けだったのかもしれません」
聞いてはいたけれど――ひどい話だ。
オレの身にも起こったことだけど……
――悲劇の始まりって、いったい何だったんだろう。
「唯一職を持つ者たちは怒りと憂いで強くなり、各国を単身で滅ぼしたそうです。
そして……大地は割れ、空は暗黒に染まり、生き物たちは死に絶えていったといいます。
この事態を重く見た神聖国家は、生き残った人間たちを匿い、種の絶滅を防いだと記録されています。
永遠に続くかと思われた暗黒の時代ですが――突然、収束したのです!!」
はい?
どういうことだ……?
「神聖国家に、創造神クレドヴァリス様が舞い降り、こう仰ったそうです。
『ある人物の力を借りて世界が滅亡することはなくなった。時期、世界は正常に戻るだろう』
と。
世界を危機から救った人物が誰なのかは記録がなく不明ですが――神聖国家の人々はこの人物を"ラグラル"と呼び、崇拝しているそうです」
"世界を救う"とか、とんでもねぇな……。
「ですが――」
感心しているオレに、お姉さんは続けざまに告げた。
「ディルカナ帝国は"好機"とばかりに、神聖国家ディアシンタナスへ侵攻を始めたんです」
何してくれてんだぁぁぁぁぁ!!
オレは心の中で絶叫した。
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