chapter12 この世界で生きて行く為に
オレは若い衛兵――ジェニアスさんに連れられて、冒険者ギルドへやってきた。
外観は――日本にある某コンビニに似ていて、それなりに広そうだ。
7とか11とか言われてた、あのチェーンっぽい感じ。
重厚な建物の入口には、『冒険者ギルド ヴェスタ支部』と書かれた看板が掲げられていた。
オレは緊張しながら中へと踏み入れる。
ギルド内は賑わっていて――扉を開けた音に反応するように、自然とオレに視線が集まった。
「カウンターはこっちだぞ」
ジェニアスさんに案内されて列に並ぶ。
オレの格好が珍しいのか、ジロジロと見られる。……いたたまれないなぁ。
待つこと数分。ようやくオレの番がきた。
「冒険者ギルドへようこそ。どのようなご用件でしょうか?」
受付のお姉さんがにこやかに聞いてくる。
「冒険者登録をしたくて」
そう返すと、彼女は軽く頷いた。
「登録料は――銅貨2枚になりますが、大丈夫ですか?」
……大丈夫じゃないですね。
この世界のお金、持ってないんですよね。
オレがどうしようか考えていると――。
「俺が立て替えようか?」
ジェニアスさんが気遣ってくれたが、オレは首を振った。
「いえ、大丈夫です。ありがとうございます。
お金はないんですけど、ゴブリンの死体ならありますけど……大丈夫ですか?」
受付のお姉さんの手が止まり、目が丸くなる。
「……何匹ですか?」
「ゴブリン20匹と、ホブゴブリン1匹ですね」
そう答えると、彼女はギョッとした表情を浮かべた。
「ソロですか?」
「そうですよ」
そう返すと――頭を抱えられた。
周囲の冒険者たちも、ざわつく。
「あのガキ、ひとりでかよ……」
「よく生きてたな」
「無茶がすぎるわ」
なんかいろいろ言われてるけど……知らんがな。
「なんでそんな無謀なことしたんですか!!助けを求めなさいよ!!」
受付のお姉さんが声を上げる。
「そう言われましても……助けてくれる相手がいなかったもので」
オレがそう言うと、彼女は深いため息を吐いた。
「よく、生きてましたね」
「死に物狂いでしたから」
オレの言葉に、またため息が返ってくる。
「何故そんなことに?」
「召喚されて、追放されて、その後すぐ襲われて――夜通し戦うはめになったんです」
そう素直に話すと、受付のお姉さんは眉をひそめた。
「……あの噂は本当だったということですね。
あなたも災難でしたね。生きていてなによりです。
では、冒険者登録の手続きに入ります。
討伐したという死体はどこに?」
「アイテムボックスの中です」
「あぁ――空間魔法ですね。便利ですよね。
必要なものを持ってきますので、少々お待ちください」
そう言って、受付のお姉さんは奥へと消えた。
オレはカウンターの前でひとり、深呼吸をする。
――この世界で、生きていく。
その決意を胸に、オレは静かに拳を握った。
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