chapter10 過去の唯一職たち
「そして――先ほどの質問だ。
君の“職業”、その《無職》についてだな。
これは……今からおよそ千年前の記録に残る話だ」
中年の衛兵は、ゆっくりと語り始めた。
――千年前。
この世界のほとんどの国々が、異世界召喚を行っていた。
無数の召喚者たちが現れ、その中で“無職”と呼ばれる職業を持った者たちが――およそ百五十名、各地で追放されたという。
「だが……彼らは怒りを燃やした。
己を鍛え上げ、やがて――自分を召喚した国を滅ぼしたそうだ」
衛兵の声には、わずかに震えが混じっていた。
記録に残る彼らの職業は、どれも常軌を逸していたという。
《召喚王》
《魔獣王》
《勇者》
《精霊使役王》
《四大魔導師》――。
いずれも、ひと癖もふた癖もある異能者ばかりだった。
「当時、ディルティーナ王国――いや、当時は“ディルカナ帝国”と呼ばれていた――その国も召喚を行っていたらしい。
だが、奴らは召喚者を“人間兵器”として使った。
“隷属の腕輪”という呪具で意思を奪い、戦場に送り出したそうだ」
そう語り終えると、中年の衛兵は深く息を吐いた。
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