chapter9 たどり着いた国
オレは突然の理解が追いつかなかった。
これからどうするか、頭の中で考える。
「待ってろ――って言われてもなぁ」
気を失ってどのくらい経ったんだろうか?
もしここを離れれば、めんどくさいことになりそうだし、やめておいた方がよさそうだ。
ステータスも確認したけど、まだ衛兵との話は途中だし、ディルティーナみたいな面倒にはなりたくない。
追放されたときはムカついたけど、もう関わりたくないしなぁ。
そんなことを考えていると――複数の足音が近づいてきた。
ドアが開き、複数の衛兵が入ってきた。
■ ■ ■
「君が召喚者というのは本当かね?」
中年の衛兵が開口一番、そう聞いてきた。
「はい。そうですよ」
オレは素直に答える。
「なんであんなところに倒れていたんだ?
召喚者なら――もてなされるはずなんだが…」
「追放されまして、その後――ゴブリンに襲われ、夜通し戦っていました」
オレがそう言うと、衛兵たちは頭を抱えた。
「そうか。職業は何か、教えてくれるか?」
「無職です」
オレが答えると、彼らの表情は驚きに染まった。
「バカな…」
「ありえない…」
「ディルティーナ王国も被害国だったろうに…」
まるで、無職の恐ろしさを知っているかのようだ。
「どういうことです?
でも、まずここはどの国で、オレが倒れてからどのくらい経ったのか――それを教えてもらえますか?」
情報整理はそれが先だ。
オレの意図を察した中年の衛兵が、静かに答えた。
「わかった。ここはヴェザンス王国だ。
元はディルティーナ王国の属国だったが――今は独立している。
君は昨日の朝5時頃、門の前で発見された。
今は翌日の昼過ぎだ。
ずいぶんと長く眠っていたが、無事でなによりだ」
中年の衛兵は、そう告げた。
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