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政治経済エッセイ

インフレに負けない資産運用をしたい方へ

作者: 中将

◇S&P500には並のプロでは勝てない



筆者:

 本日は当エッセイをご覧いただきありがとうございます。


 今回は投資初心者のために、

 経済に一般的な方と比べて相対的に詳しい僕がどう株式投資をした方が良いのか? について個人的な意見を述べていこうと思います。



質問者:

 なにせ、銀行だと利率が上がったとはいえ1%を切る状況なのに、物価高は3%を超えていますからね……。

 お米なんて2倍近くになって、パスタより割高になってとても気軽に食べられるものでは無くなりました……。


 株式の知識は日本国民の全員が持っておくものだと思いますね。


 世間一般ではインデックス投資と言うのが推奨されているようなのですが、

 それについてはどうなのでしょうか? 


 というか、インデックス投資ってそもそも何ですか?



筆者:

 「インデックス」というのは「とある魔術の禁書目録」に出てくるキャラクターでネセサリウスに所属するシスターです。10万3000冊の魔導書を記憶する過酷な――



質問者:

 それじゃないことだけは分かります!


 真面目に答えてください!



筆者:

 はははは……。


 インデックスと言うのは市場の値動きを示す指数のことを示します。

 日本で言えば東証株価指数(TOPIX)が代表的ですね。



質問者:

 日経平均株価とはどう違うんでしょうか?



筆者:

 「日経平均株価」は上位の会社で占められているものの、入れ替わりも頻繁に行われ、

「総株価÷会社数」で求められます。


「1株当たりの単価が高い株」が大きく変動するだけで影響が出てしまうために(一番1株当たりの価格が高い株はファーストリテーリング)、「上場企業全体の動向」を示さないんです。


 そのためにこういった「指数」における投資信託の商品の方が好まれるのです。



質問者:

 でも、S&P500で年利回り平均10%とかじゃないですか?

100万円が110万円ですよね?


 個別株の方が儲かるとかそう言うことは無いんでしょうか……。


 

筆者:

 皆さんは恐らく、著名投資家のテスタ氏(総利益100億以上)や元お笑いタレントの投資家の井村氏(総利益80億以上)のような方を想像して夢を見られているのだと思います。


彼らはインデックス投資をも遥かに凌駕する収益を出していますからね。


 しかし彼らは「特殊」であり、平日の日中時間をトレード+余暇のほぼ全てを株式研究に投入しています。

 投資の天性の才能がある上に努力も惜しんでいないのです。



質問者:

 仕事の片手間や趣味程度で個別銘柄を探す程度では駄目だという事ですか……。


 

筆者:

 そうですね。


 対してインデックス投資はダメになった会社は除かれ定期的に構成銘柄が変わっていきますし、安定しているのです。


 確かに個別銘柄ですと「化ける」ことができれば何倍にもなります。


 例えば去年話題になった株ですとAI関連の半導体メーカー「エヌビディア」ですね。

 この会社株価は5年前1株5ドル程度だったのが、今では120ドルまで上がっています。


 しかし、ここまで上がることを予測することは難しく、

「干し草(株式市場)の中から一つ藁を探す」ぐらい難しいと言われています。


 一定の利益を出すためにはそれなりの元手も必要になりますし、「大きく当てる」ということは考えない方が良いように思います。



質問者:

 投資ファンドはプロの方々の集まりだと思うのですが、彼らと指数と比べてどうなのでしょうか?



筆者:

「SPIVAスコアカード」と言う指標では、投資家とインデックス投資との投資効率について比較することが出来ます。


 アクティブな大型米国株式ファンド全体の65%がS&P 500を下回り、小さいファンドも含めれば89%も下回ったそうです。

 

 日本のTOPIXとの比較で日本ファンドと比較しても、2024年が77.58%が下回ったとあります。


 テスタ氏や井村氏というのは「異常値」とも言える存在であり、

 何倍や何百倍にもできているのは「運」や「再現性が不可能な才能」もあると思うので、「自分も出来る」とは思わないことです。



質問者:

 なるほど……。



筆者:

 また、「複利的な考え」で安定して増やすことで長期的な安定資産を構築できます。

 税引後の7%複利的増加で運用したとしますと、


月5千円積み立てで 10年後には元本60万円が運用して85万円

          20年後には元本120万円が運用して253万円

          30年後には元本180万円が運用して584万円


月3万円積み立てで 10年後には元本360万円が運用して513万円

          20年後には元本720万円が運用して1522万円

          30年後には元本1080万円が運用して3508万円

 

 と、雪だるま式に増えていくのです。



質問者:

 凄いですね……でも、どうして「的な考え」とついているんですか?



筆者:

 通常の「複利」とは「利子に利子が付く」と言う考え方ですが、

 インデックス投資では「利息で同じ投資信託を再購入する」と言う事も行えます(配当金を受け取ることも出来る)。


 このために厳密には複利ではないために「複利的」と言う表記なのです。



◇「海外指数」が選ばれる理由



質問者:

 なるほど……複利的な考えと、プロの方すらもそれをほとんど上回れないという事でしたら、普通の方はインデックス投資をした方が良いという事なんですね……。


 でも、どうして推奨されているインデックス投資と言うのは、

「オールカントリー」や「S&P500」と言った海外のモノばかりがお勧めとして出てくるのでしょうか?



筆者:

 それは単純な話で、指数で見ても日本とアメリカで見たらアメリカや全世界の方が伸びているからです。


 S&P500は 2024年始め4745だったのが、2024年末は5942(25.2%増、平均年利回り11.03%)


 オールカントリーは 2024年始め20756だったのが、2024年末は27686(33.4%増、平均年利回り8.27%)


 それに対してTOPIXは2024年の始めが2359だったのが末では2784(18%増、ほとんどの年は横ばい)


 と、去年の日経平均は伸びた年だったと思うんですけど、それでも及ばなかったのです。(日本政府がケチで家計消費が伸びないから)



質問者:

 なるほど……。



筆者:

 海外の指標が選ばれるのはある種、「当然」なんです。


 本来であればNISA非課税は日本株や日本指標の商品にとどめておくべきでしたね。これだけで年何兆円か海外に流出し、円安になってしまう要因になりますからね。


 ただし、海外の株(投資信託)はNISA口座で購入しても日本での税金が非課税なだけで、海外での税金は取られることは押さえておきましょう。


 つまり、海外のインデックス投資で利益が出てもその金額次第では税金と為替の影響で投資金額よりも少なくなってしまう可能性があります。



質問者:

 えっ!? それは知りませんでした! てっきりNISA税金は全く取られないものとばかり……。



筆者:

 日本の商品のだけの場合はそうなりますけど、海外の商品を買えば海外の税金は全く別物です。


 アメリカだと配当金に10%かかることになります(NISAの場合、株の売却益にはかかりません)。


 この点をあまりNISAについて語られる時もあまり言われていないような気がするので注意しましょう。



質問者:

 ただ、為替リスクばかりは株より読みにくそうですよね……。



筆者:

 そうなんですよね。円安になったのもロシアとウクライナの紛争からですし、あの抗争を予想した人はゼロでしょう。


 基本的には淡々とインデックス投資を積み立て続けることが大事だと思いますよ。


 緊縮増税路線の日本が大転換しない限りは大局的に見れば円安になるでしょうしね。


 後注意する点は、銀行や証券会社が提示する商品と言うのは手数料が高いことが多いです。自分で探して手数料の低いインデックス投資の商品を探すことをお勧めします。



◇その他の投資先



質問者:

 インデックス投資が株式投資の中で優位性があることは大体わかったんですけど、

 他の投資先についてはどうなんですか?



筆者:

 株式より値上がりをしているのを挙げさせてもらいます。


 まずは、ゴールドです。ゴールドは9486円から13082円まで上がりました。


 ゴールドはIMFが準備通貨に指定していることが大きいです。


 ただし、地下埋蔵量や発掘量次第で大きく下落する可能性もあるので

 「有事続きで上がっているだけ」かもしれません。勿論配当もありませんしね。


 次に限定的なアンティークコインやブランド品ですが、

 これらは保管に手間がかかり質が落ちてしまえば資産価値が大きく減少してしまいます。(他人に管理させればそれはそれでお金がかかる)


 日本では東京都の23区を中心に不動産が値上がりしていますけど、日本は人口減少社会であり、今後団塊の世代が一斉に亡くなる5年後10年後を考えると一気に不動産が市場に出回って価格が下落する恐れがあります。


 不動産は密かに食料の生産力がある土地を買って自分で野菜を作ることをお勧めしています(筆者実践中)。



質問者:

 なるほど、株より値上がりしている資産もそれぞれリスクがあるという事なんですね……。



筆者:

 非常に残念なことですが、各銀行の預金口座1000万円以下で無ければ目減り若しくは“消滅”する可能性や「現在の値上がりがバブル」と言う可能性だってあるんです。


 上記の紹介した資産についても株の個別銘柄と同様に、それなりに詳しくなければ容易に手を出すのは危険であると考えます(一番簡単なのはゴールドを買う事ですが)。



◇一喜一憂しないことが大事



質問者:

 投資は自己責任であり、当然マイナスになることもあるわけなんですけど、

 一体どういう心構えを持つ必要があるのでしょうか?



筆者:

 まず前提として知っていただきたいことは20年、30年のスパンで見ればアメリカの指標の場合では必ず回復しており、右肩上がりであるという事です。


 1929年の世界恐慌の際には83%下落して回復に15年

 2007年のリーマンショックの時には50%下落して回復に5年

(2000年のITバブルも含めると回復に12年超)


 2020年のコロナショックの時には33%下落して回復に5カ月で済みました。



質問者:

 これほどの歴史的な暴落があっても立ち直るのはアメリカ経済の強いところですね……。



筆者:

 そうです。ですから長期投資されている方が60代とかですとちょっと暴落に怖がるのも無理は無いかなと思いますけど、40代以下であれば恐れる心配は無いように思います。


 暴落しても淡々と買い続け、毎月のように同じ金額を買うのであればむしろ「多く買える」と思う事が大事になると思います。


 下がった時に売ってしまういわゆる「狼狽ろうばい売り」というのが一番良くない状況です。


 回復が不可逆的な「真の暴落」が起きた場合は「世界の人全員道連れ」の気持ちでいることが大事なのかなと個人的には思いますね。



質問者:

 でも何か現在の状況が「マイナスの赤字」で表示されていると何か気持ちが悪いものがあるんですが……。



筆者:

 何か株式市場に関するニュースがある度に数値を逐一見てしまい、

一喜一憂してしまうという方は正直言って向いていません。


 実をいうとインデックス投資で成功しているのは積み立てて何もせずにいる「死者」であると言われているぐらいです。


 定期積立で勝手に積み立てて後は忘れるか気絶する「気絶投資法」と言うのがあるぐらいですからね。



質問者:

 それはちょっと面白い用語ですね。


 確かに、将来のために投資をしているのに、それで精神が不安定になっては元も子もありませんものね……。



筆者:

 そうなんです。グラフとかを見て趣味として楽しいのであれば良いと思いますけどね。


 僕もどんな会社がどれぐらい儲かっているのか見ていて楽しいので個別株に着手しようと思っているんですけどね。



質問者:

 えっ!? 何かこれまでの話が覆るようなことを言わないでくださいよ!



筆者:

 個別株投資は短期の値動きを予測するテクニカル分析か、

 財務諸表や会社個別の指標を解析するファンダメンタル分析のどちらかが得意じゃないと個別株はダメだと思います。


 僕は後者のファンダメンタル分析はコンサルタントの仕事をしているので、ある程度は出来るのでやる気が出たという感じです。


 まぁ、ちょっと分析をやってみて向いて無さそうだなぁと思ったらすぐにインデックス投資に力を割こうとは思いますけどね。


 目標はS&P500の運用利益率に勝つことですかね。



質問者:

 なるほど、小説最近更新ペースが落ちていると思ったら株式投資に興味を持ったと……。



筆者:

 端的に言えばそう言う事にもなりますね(笑)。


 そもそも政治的な話としては過去の作品で書いちゃいましたし、

 「週間ニュース」の方に随時起きている重要なことについては感想を書いていますからね。


 そちらを参照していただければと思います。


 ただ、政治・経済について中期的視点以上で書きたいなと思ったら更新していきますのでよろしければご覧くださいね。

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おじゃまします! 福利的な考えの所で改行がズレていてなんかカオスです! それはいいとして、貯蓄とインフレってイタチゴッコな気もするんですよ。 日本円の発行総量は650兆円ぐらいだけど、日本の500…
最近の株は難しすぎて、年寄りにはついていけません。三十年前なら、企業に惚れ込んてのファン投票にお金も付いてきたという感じで、感覚的に理解出来たんですが、デイトレードとかもう何ぞと。 戦争や政局もありま…
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