第八話 伝える
巴⇽妹の名前
「いつきは樹だから」星は俺にそう告げる。
「ありがとうな」と吐き捨てるように俺は言う。
そして一段落着いたせいか眠気に襲われ目がウトウトとしてきた。
瞼を開けては閉めてを繰り返していた。
俺が眠たいのを気づいたのか今宮さんは俺に一声掛ける。
「樹くん、着いたら起こしてあげるから寝てて良いよ」
「あ、ありがとう、ござい、ます」目をウトウトさせながら返事をして俺は家に着くまでの数分俺は眠りに着いた。
「ーーーーき。樹」「・・・ん」
眠い目を擦りながら眼を開けると家の前だった。
「着いたよ」「・・・・わかった。」星に声を掛けられ俺は鞄を持って車から出た。
今日は母さんと妹二人共家に居るのでそのまま玄関のドアを開けて家に入っていく。
家に入ると母さんと妹が立っていた。
お客さんが来てるからお出迎えというやつだろうか・・・・・
「・・・とりあえずこちらへ」母さんはそう言って俺たち三人をリビングの方へと案内した。
リビングにある机で話を始める。
始めようとしたのは良いものの、何から離せば良いのやら・・・
(うーん、困ったな)言うことが分からなくて言い淀んでいる俺の代わりに今宮さんが言葉を掛ける。
「実は私、こう言う者でして・・・・・」そう言って今宮さんは
『Aisling事務所編集者』と書かれてある名詞を母さんと妹に見えるように机に置く。
「編集者ですか・・・・・・」「私、これ知ってるよ。完結したけどめっちゃくちゃ流行ってた小説でしょ」
妹は何やら知ってる口ぶりだった。
「それで・・・樹と何か、関係が・・・?」
「そうだよ、こんな凄い人と兄貴なんかが」母と妹は今宮さんに問いかける。
今宮さんは俺に目で合図を送り『言っても良いよね』俺は今宮さんに頷き返す。『はい』
「・・・実は凄いのは樹くんの方なんです」付け加えて言う。
「樹くんは・・・私の所属するAislingの作者本人なんです」
指を俺の方へ向けて言い放つ。
今宮さんのことばで二人はしどろもどろとなる。
数分経って二人は俺に尋ねる。
「それで・・・・言わなきゃいけないのはそのこと?」
母さんは付け加えるように言った。その横で妹は感心していた。
実はもう一つあって、と告げ今宮さんに預けていた俺の通帳を取り出す。
「これは・・・?」「俺が小説化出稼いだお金だ。もう少し早く言おうとしたんだけど、中々言い出せなくて・・・」
「兄貴、中身見ていい?」「あぁ」妹の言葉に俺は応じる。
「一,十,百,千,万,億・・・・・」妹は小さな声で呟く。(えっぐぅ)
「見てよお母さん。このお金の金額」妹は明るく声を上げながら見せる。
それを見た母は絶句する。
「・・・このお金、本当に樹が・・・・・」「・・・うん。そうだよ」
俺は続けて言葉にする。
「まぁ、早めの親孝行ってやつ・・・かな」
「親孝行・・・・・」「今までの感謝の気持ちを込めてプレゼント。家庭にでも使ってよ」
「ありがとう・・・樹」母さんは俺に感謝し、妹の巴は無言ですこちらを向いていた。
「巴、何か欲しい物でもあるのか・・・?」
「うん!さすが兄貴」そう答えた巴は何やら携帯を触り始めた。
「実は欲しいメンズ商品と少し高いバックが前から欲しかったんだよね」
妹は自分の要望を俺に見せてきた。
「・・・じゃあ今度の週末にでも買いに行こうか」「うん」
妹は上機嫌で携帯をポケットにしまった。
「母さんは父さんが帰ってきた時に一緒に決めるで良いよね?」
「うん・・・出来たらそれでお願い」
「お安い御用だよ」そう笑顔で言い放ち今度は星の方へと向く。
「それで・・・星は何か欲しいのはある?」
ギリギリ今日中に出せて良かったです。
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