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75話

 俺がクエストを達成して、報酬を貰う。いたって当然のことだよ思うのは俺だけなのか?

 確かにネイスは俺についてくるだろう。でも、別に役には立たない。だが、報酬は山分け……俺はネイスの戦闘奴隷か?


「わかった、俺も譲歩しよう。ネイスは俺のパーティーメンバーみたいなもんだもんな。1パーセントは少し少なすぎた。10パーセントでどうだ? これで文句ないだろう?」


 ついてくるだけでSランク冒険者の個別クエスト報酬の10パーセントが手に入る。これほど破格な条件を提示することができる器を持った人間はこの世で俺一人だろうな。


「私はシュウトお兄さんにとってたった10パーセントの存在だったって言うこと? 悲しいよ……」


「おいおい、それは違うだろ。話が別だ」


「だったらもっとくれるよね?」


 いい笑顔でそう言ってくるネイスの愛くるしさには少し揺らいだが、ここで甘やかしてばっかりではよくない。そもそも、俺はネイスに甘すぎたんだ。ドラゴン討伐の報酬だって、少なくてへこんでるネイスを見て、自分の分の報酬から上乗せしてやったりとこれまでも十分いろいろしてやってるんだ。


「Sランク冒険者は誰しもお金に困っている何てことはないと思いますよ。それに、お金が目当てでSランク冒険者になれるほど甘いものでもありませんから」


 お金に困ってないからお金はいらないってなるか? いやならないだろ。別に俺も金に頓着するほうじゃない自覚はあるが、自分がやったことの分の報酬くらいは流石に貰いたいんだけど。


「私なんて報酬の一部を募金していますよ。恵まれない子供たちのために戦っているのですから。まさに正義の味方ですよ」


「一部ってどれくらいだよ。この状況で自慢げに言ってくるってことは半分は募金に回してるんだろうな? アスリー様」


「……1割です」


「え? 聞こえねぇなぁ」


「1割です!! ですが、私のクエスト報酬の1割というのはAランク冒険者の平均的な報酬よりも多いはずです。それに、私も冒険者を続けていくうえで出費はありますから。過度に募金していては、私自身の生活が回らなくなってしまいます」


 たった1割で偉そうに。今俺は半分を取られそうになってるんだぞ。それも未来永劫。誰が考えてもおかしいってわかるだろ。


「話にならねぇな。せめて半分は募金してから文句を言ってくれ。そうだ。俺とパーティーを組んでるときのみ、ネイスもSランク冒険者として扱うってのはどうだ? 俺の防護魔法さえ付与されてたら無敵みたいなもんだからな。そこら辺のSランク冒険者よりも強いだろ。個別クエストの時もギルド側で報酬を用意してやってくれ」


「それは難しいですね。Sランク冒険者になるにはギルドマスターからの認可が必要になります。今回シュウトさんに行ってもらったような試験を合格する必要があるんです。ですから、ネイスさんを特例でSランク冒険者扱いすることは不可能です。そう簡単になれるものではありませんから」


「ちぇっ、いい考えだと思ったんだけどな」


 ここで俺は一つの根本的なことを忘れていたことを思い出した。

 俺は、個別クエストなんて受ける気はないんだった。それなのに、報酬のことを話してるのはまったくもって意味がない。


「もう次に進んでよろしいですか? 後のことは帰って二人でゆっくり話し合ってください」


「ああ、さっさと全部終わらせてくれ」


「わかりました。シュウトさんのSランク冒険者昇格は明日冒険者ギルド全支部へ報告される予定になっていますので、当分の間は注目されるということを覚悟しておいてくださいね」


 ってことは、俺は明日から有名人になっちまうわけか。どうでもいいな。できれば、有名にはなりたくなかったがこれは致し方ないことだろう。


「ステータスなどの細かいところまでは公開しないので安心してください。戦闘スタイルは紹介すると思うので、如何されますか」


「世界最強の冒険者で紹介してくれ。すべての冒険者の頂点とかでもいいぞ」


「ふざけないでください。戦闘スタイルじゃないじゃないですか」


「そういわれてもなぁ。決まった戦い方なんてないし、俺は魔法も近接戦闘もすべてこなせるオールラウンダーだからな」


「では、オールラウンダーにしましょうか?」


 自分で言っておいて何だが、オールラウンダー冒険者ってなんか弱そうだな。どういう戦闘スタイルでも間違いはないわけだし、適当に剣士にしておくか。アスリーよりも強いって紹介してもらおう。


「やっぱり、剣士にしておいてくれ。絶対にアスリーよりも強いって紹介してくれよ」


「ちょっと待ってください。別に私は剣でシュウトに負けを認めたわけではありませんよ!!」


「は? 俺がアスリーよりも強いなんてのはわかりきってることだろ。さっきも俺のほうが強いって言ってたじゃないか。もう忘れたのか?」


 自分でした発言くらいは覚えておいてほしいもんだな。でも、これで俺の強さはある程度理解されるだろう。やっぱり誰かと比べるってのが手っ取り早くてわかりやすいよな。

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