表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

73/81

73話

 Sランク冒険者へ昇格する手続きか、一体どんなことをするんだろうな。無駄にいろいろさせられて時間を取られるのはめんどくさいな。できれば手短に終わらせてもらいたいところだ。


「なぁ、ボメリ。更新ってどのくらいかかるんだ? 俺はあんまり長いのは無理だぞ」


「安心してください。冒険者カードの更新はすぐに終わるから。冒険者登録をしたときと同じ要領で水晶にカードをかざしてもらうだけ」


 それだったら一瞬で終わるじゃないか。流石は冒険者ギルド、無駄にハイテクな道具をそろえているだけのことはあるぜ。


「その後の説明もあるからシュウトが想像しているよりは時間がかかるのだけどね」


「説明とか必要ないだろ。俺は今日からSランク冒険者。それで終わりでいいじゃねぇか。ほかに何を説明する必要があるんだ?」


「Sランク冒険者は冒険者たちの頂点で、特別な存在なんです。注意事項なんかもありますからそれはしっかり聞いておいてください」


 そりゃないって。あげて落とすとかやることがえげつないだろ。俺はもうすぐに帰れるもんかと思ってたんだぞ? それがまさか後から説明を聞かないといけないとか言われてみろよ、俺じゃなかったらキレてるぞ。


「はあ、それはどうしても聞かないといけないのか? 変わりにネイスが聞くとかダメか?」


「当然ですよね。Sランク冒険者になるのはシュウトさんなんですから。しっかり聞いて理解してもらわないと意味がありません」


 そうだよなぁ。俺が聞かないと意味ないよな。淡い期待を抱いていたが一瞬で打ち砕かれてしまった。


「ここで、更新の手続きをしますので、冒険者カードをお願いします」


 ギルドの受付へ戻ってきて、ボメリにカードを渡した。


「よろしく頼む」


 はあ、これでやっと正式にSランク冒険者の仲間入りか。ランクアップ報酬とかないのか? Sランク冒険者何て数える程しかいないんだろ? それくらい貰えてもよさそうだけどな。


「それでは、更新に入ります。シュウトさんは暫定Fランク冒険者から、Sランク冒険者ヘランクアップとなります。改めて口に出してみるととてつもないことをやってのけてるのがわかりますね。おめでとうございます。これでシュウトさんもSランク冒険者です」


 更新された冒険者カードを受けとる。


 書かれている内容を確認すると、確かに冒険者ランクの欄にSと刻まれていた。大体暫定Fランクってなんだよ。そんなの俺聞いてないかった気がするぞ。ネイスよりも下とか馬鹿にしてるだろ。


「おめでとう、シュウトお兄さん。今日は帰ってパーティーをしなくちゃね。Sランク冒険者昇格記念で豪華に行こうよ」


「そうだな。最近は贅沢してばっかりな気もするが、今日くらい許されるよな。よっしゃ!! それじゃあ、ぱぁっと行こうぜネイス」


「盛り上がっているところ悪いけれど、まだ説明があるから帰ってはダメですよ。お楽しみは後に取っておいて説明を聞いてください」


 くそ、勢いで誤魔化してそのまま帰る作戦は失敗か。


「わかってるって。もちろん、説明が終わってから行くつもりだったぞ俺は」


「本当ですかね。では、説明に入らせてもらいます。まず最初にSランク冒険者は、ギルドからの指令を遂行する義務が発生します。簡単に言うと、ギルドからの個別クエストが発令されることがあるということです。今回のアスリーさんや、ほかのSランク冒険者たちの調査なんかもこれに当たります」


 めんどくさ。なんで俺がギルドの言いなりにならなくちゃいけないんだよ。自由に生きたい俺にとっちゃこれは大問題だな。


「拒否権はないのか? 俺は断るつもりだけど」


「そんなものはありません。個別クエストはギルドが最適な人を選んでから発令するものなので、ほかの方に交代するわけにもいかないんです。報酬は破格の額になるのでそこは安心してください。そもそもこの個別クエストはSランク冒険者以外では困難だとギルドが判断したものになるので速やかに遂行していただく必要があるんです」


 おいおい、それじゃ、全部のクエスト俺がすることになるじゃねぇかよ。戦闘面においても、ダンジョンの攻略なんかの面でも俺にかなう奴なんているはずがないからな。必然的に俺が最適な人材として選ばれてしまう。まったく優秀すぎるのも困りもんだぜ。


「ちなみにシュウトが倒したドラゴンの討伐もSランク冒険者にクエストとして発令されてたのですよ。緊急クエストと同時にSランク冒険者が急行してたのですから」


「そりゃ、仕事を奪っちまったな。でも、あのドラゴンを放置するのは危険だったし俺は感謝されて当然のことをしたのか」


「どんなに急いでも二日は移動時間でかかる距離にしかSランク冒険者がいなかったからシュウトが倒してくれてギルドも安心したはずですよ。報酬もすごかったのではないですか?」


 確かに想像していたよりも報酬はすごかったな。まだ全額受け取ってないし。


「俺は一夜にして大金持ちになったからな。あの緊急クエストはほんとにいいタイミングで発令されたもんだ。なあ、ネイス」


「はい、緊急クエストの報酬がなかったら今頃どうなっていたことか。ドラゴンさまさまだね」


 さてと、全く納得はできないがこの話をずっとしていても時間を食うだけだし、説明を進めてもらうとするか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ