表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

71/81

71話

「そんなことだからギルドマスターなのに舐められるのよ。本当にわかってるのかしら? この調子だとすぐにギルドマスターをクビになるわよ」


「そんなに怒らないでくれよ。俺だってわかってるんだ、冒険者のころとは勝手が違いすぎて……」


 ガチ説教を喰らっている。俺たちが出て行ってから今までの間、ずっと怒られていたと考えると流石の俺も少し同情してしまいそうになるな。しかも、俺たちが入ってきたことにまだ気が付いてないんだが……。


「おい、おじさんまだ怒られてたのかよ。そんなことでギルドマスターが務まると思ってるのか? これなら俺がギルドマスターした方がいいんじゃねぇか?」


「シュウトじゃないか。お前らまだギルドをうろちょとしてたのか? 早くダンジョンに行ってこい。ほら、アスリーもついてるのに何やってるんだ」


 ちなみにこのセリフは正座したまま発している。威厳のかけらもないおじさんだ。


「もう終わったぞ。アスリーに案内してもらったダンジョンのモンスターはついさっき俺が討伐してきたところだ。あれで、Sランク級のモンスターってのは言いすぎだと思うぞ」


「おい、マジで言ってるのか? アスリー、シュウトが言ってることは本当か?」


「はい、もうすでにモンスターは討伐しています。私がこの目で見届けましたので間違いありません」


 おじさんとおばさん……おっとボメリの二人は驚きを隠せてない。正座をしたまま間抜け面をさらしているおじさんが何とも愉快だな。


「俺がテストとして指定したのはダンジョンだったよな? いくら何でもこの短時間で攻略するっていうのは無理があるだろ。もしかして中はボス部屋だけだったりしたのか? いや、そんなダンジョンが存在するはずがない。なら、一体何をしたんだ?」


「俺が王都に移動するのに瞬間移動を使ったって言っただろ? それをダンジョン内でも使っただけだよ。ボス部屋まで一瞬だ。ダンジョンを攻略する必要なんてないんだ。全部無視してボスだけ倒して終わりだぜ」


「そんな出鱈目なことが許されるっていうのかよ。今まで俺たちが苦労してダンジョンを攻略していたのは何の意味もなかったっていうのか?」


 そろそろ立ち上がったらどうなんだ? もう、ボメリも許してくれるだろ。


「ギルドマスター、まずは立ってください。その恰好でいつまで真面目な顔で話すつもりですか? みっともないですよ」


「え!? これは君がさせてたことじゃないか。まるで俺のせいみたいに、ぐぅ、納得いかん」


 そんなことを言いながらも立ち上がっているおじさんを見ると、やっぱり力関係が下なのだなと再認識させられる。

 可愛そうにこれはずっと前から言いなり何だろうな。


「もう少し、詳しく説明してもらってもいいか? どうも、腑に落ちないことばかりだ。まずは、瞬間移動についてはわかった。でもなぁ、ダンジョンの中は迷路のようになっているはずだろう。どうやって場所を指定して移動していたんだ?」


「そんなことか、俺には感知で、周囲の状況を調べる魔法があるんだ。それで、ダンジョンの構造を確認して下へ続く階段の前に瞬間移動したって訳だ。まあ、それも面倒だったから次は最後の部屋の前まで一気に移動したんだがな」


 わざわざ1階ごとに瞬間移動するなんて効率の悪いことをやっていられない。ショートカットできるところはしていかなければならないのだ。


「ハハッ、聞いたかよボメリ。こんなことができる奴なんて今までいたか? まったくあほらしくなってくるぜ」


「にわかには信じがたいですが、アスリーも一緒に行動してますからね。これが真実なのでしょう。どうしますか?」


「どうって、こんなのSランク冒険者として認めるに決まってるだろ。シュウト、ボスモンスターも一人で倒したんだよな?」


「ああ、変な骸骨モンスターだったな。魔法を使ってきたが俺にはどれも効かない程度のゴミみたいな魔法だったがな。わざと喰らってみたりして無駄に時間を食っちまった」


 思い返してみれば、あの雑魚モンスターは魔法の名前ばっかり強そうで肝心の威力がゴミだったんだよ。まったく時間の無駄だったな。


「ギルドマスター、シュウトはこう言ってますが、目的のモンスターは魔王軍の幹部のような存在だと自分自信で語っていました」


「ちょっと待ってくれ、魔王軍の幹部だと? それがなぜ王都の周辺にダンジョンを作ってまで潜んでいたんだ? 魔王は人類へ戦争でも仕掛けるつもりか?」


 あいつ魔王軍の幹部とか言ってたっけ? うーん、それらしいことを言っていたような気もするがはっきり覚えてないな。まあ、別にどうでもいいか。


「王都に強い反応が集まっているからっていうのは言ってたよね?」


「そういうことか。今は、調査のために外へ出ているものが多いが、王都には多くのSランク冒険者がいたからな。それが目的だったということか」


 まあ、Sランク冒険者ならそれなりに強いはずだし、魔王が警戒するのも頷けるのか? 俺には魔王とやらがどれほどの強さかわからないしな。何とも言えない。


「ひとまず、シュウトおめでとう。今日から君も正式にSランク冒険者だ。手続きは後でボメリがしてくれるから安心してくれ」


 Sランク冒険者か、別になりなくなかったな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ