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65話

 階段を下りていくと、これ見よがしに豪華な扉があった。

 まるでここにお宝が隠されていますと言わんレベルだ。もう少し質素にしておいてもいいと思うのは俺だけだろうか?


「これってシュウトお兄さんの魔法に守られてるから平気だけど、絶対相当魔力が漏れ出てるよね?」


「私もそうだと思いますよ。これだけ近づいているのだから魔力もより濃くなっているはずです」


「そんなに気になるなら1回切ってやろうか? 体験してみるのが手っ取り早く確認できると思うぞ?」


 階段を下りる前よりも魔力自体は強くなっているが俺からしてみれば誤差でしかない。この程度なら二人でも何とかなるだろう。魔力に当てられて気絶とまではならないはずだ。


「私は遠慮しておこうかな。アスリーさんは気になるならやっても見てもいいですよ」


「ちょっと待ってください。私も間に合ってますから結構です。もしもの時のために戦闘をいつでも行えるようにしておかなければなりませんからね」


 二人ともいいのかよ。わざわざ気を利かせてやったっていうのによ。


「それじゃあ、もう扉を開けて中へ入るぞ?」


「シュウトお兄さん、少しだけ待ってもらってもいいかな。まだ私の心の準備ができてなくて、ほんとにちょっとだけでいいから」


 なんだよ心の準備って……今回は完全に俺のテストであってネイスは戦うことなんて何のにな。どちらかといえば心の準備をしないといけないのは俺のほうだと思うんだけど。


 ネイスの方を見ると、ゆっくりと深呼吸を繰り返している。何にそこまで緊張しているのかまったくわからないが、それで緊張がほぐれるんなら構わないか。


 アスリーはというと、こちらも目を閉じ、なにやら集中している。精神統一でもしてるのだろう。最強の剣士様もいろいろ大変なんだろうな。


「二人とも準備は終わったか? そろそろ入ってもいいか?」


「私は大丈夫。いつでもいけるよ」


「私は準備は終わっていましたよ。シュウトの好きなタイミングで構いません」


 二人ともオッケーということなので俺は無駄に豪華な扉を押し開けた。


 ギギギィィ。


 石がこすりあうような不快な音を鳴らしながらゆっくりと扉を開けていく。


 中は真っ暗ですぐには何も見えそうもなかった。こういう場所は普通、扉を開けると同時に部屋に火がともったりするのだろうけど、どうやらこのダンジョンはそこまで気が利かないようだな。


「ちょっと暗いな。照明を作るからちょっと待ってろ」


 そういうと俺は、魔力を右手へと集約し、天井めがけて放った。


 シュポッ。


 明るく発光する球体が天井に張り付き、部屋全体を照らした。

 今作った魔法なので明るさとかの微調整は今後試行錯誤する必要がありそうだ。ちょっと明るすぎる気もする。戦闘に支障はないだろうが普段使いしていく上では最高の明るさを追求しなければならないのだ。


「見てください、あそこ!! 何かいるよ」


 俺も感知で存在自体は気が付いていたが、ネイスに言われて視線を向けると、豪勢なローブを羽織った骸骨が一人寂しく立っていた。


 なんだあの骸骨は。もしかしてあの着ているローブがこのダンジョンのお宝とか言わないよなぁ? いくら俺でも骸骨のおさがりはちょっと遠慮しておきたいな。死臭とか付いてて洗濯してもとれなさそうだ。それに呪われそうだし。


「あれはただのスケルトンではなさそうですね。周囲を覆っている空間が捻じ曲がるほどの魔力を放出していますよ。シュウト、気を付けてください」


「何骸骨相手にビビってんだよ。骸骨なんてワンパンで粉々だぞ? 拍子抜けだぜ」


 確かに、魔力を纏っているのはわかるがそれがどうしたっていう話だ。死んでる奴が魔力を纏っていたところで何も意味なんてないだろうが。


「この我をただの骨扱いするとは……目の腐った人間もいたものよのぉ」


 いま、骸骨の方から声が聞こえた気がしたんだが……いやいや、この二人のどっちかの悪ふざけだろう。骸骨がしゃべる訳ねぇじゃねぇか。


「どっちだ? 声音を変えておどかそうとしてるやつは? 骸骨を見つけたからってこう言う悪ふざけはよしてくれよ」


「何言ってるのシュウトお兄さん。私は何もしゃべってないよ」


「貴方は……この状況でよくふざけていられますね」


 なんでちょっとキレ気味なんだよ。俺がキレてぇよ。


「我を無視するとはいい度胸じゃな。今すぐ木っ端みじんに吹き飛ばしてやろうか?」


 やはり骸骨の方から少し年齢を重ねた感じの初老ボイスが聞こえてくる。


「もしかしてこの骸骨がしゃべってるのかぁぁーー!?」


 俺は驚愕のあまり大声をあげてしまった。この世界に来てから一番驚いてしまった。なんで骸骨がしゃべるんだよ。ていうか骸骨がどうやってしゃべっているんだ? これが以前使ったように頭の中へ直接語り掛ける感じでもないぞ。


「貴様、我を舐めているのではなかろうな? 万死に値するぞ」


 なんかこっちの骸骨も怒ってるし、はあ、でもそれならこいつがお目当てのモンスターってことだろうな。もうサクッと倒しちゃってもいいかな?

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