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61話

 まさかのダンジョンと来たか。まずいぞ、俺の瞬間移動使えるのか? 地上の場所だった?問題なく使用できたはずなんだがダンジョン内でとなると少し不安だな。ダンジョンの中に入ってしまいさえしまえば感知で中の構造を調べれば一番奥へ瞬間移動できるかな。


「念願のダンジョンだよ、シュウトお兄さん。冒険者といえばダンジョンだよね。私も頑張ってお供するよ」


「ネイスちゃんはいい子ですね。シュウト、貴方も見習ってください。ダンジョンに入れることを喜んでください」


「なんで俺がダンジョンごときで喜ばないといけないんだよ。逆に面倒だわ。ダンジョンじゃ俺の瞬間移動が使えるかわからないだろ」


 ネイスが喜んでいるっていうのはいいことなんだが、俺は結構めんどくさいんだよなぁ。


「それで、王都の近くにダンジョンがあるのかよ。人類滅亡の危機じゃないか。大丈夫かよ」


「だから、シュウトがダンジョンを攻略しに行くのですよ。一刻も早く終わらせるべきことをわざわざ貴方のためだけに少しの間保留しておいたのですから感謝してください」


 実力をわかるために危険なダンジョンを王都の周辺に放置しておくのはどうなんだよ。あのおじさんも案外いい加減なんだな。いや、ここは王都で国の主戦力が集結している場所っていうことを考えたら下手に遠くにダンジョンが発生するよりも距離が近くて対処が楽なのかもしれないな。


「私たちが調べた情報では、極めて危険なモンスターが生息していることがわかっています。いまだ、足を踏み入れた冒険者は居ませんので、くれぐれも油断だけはしないようにお願いします。いくら私と言えども、完璧に二人をフォローすることは難しいので」


「不安なら俺の防護魔法を付与しておいてやろうか? もちろん、効力は保障するぞ? Sランク級のドラゴンのブレスにも耐えた自慢の魔法だ」


「私には不要なのでネイスちゃんに付与してあげてください。本来、ネイスちゃんはダンジョン攻略に参加できるほどの実力を示せていないのです。今回は私がついているということで許可されているのですよ」


 そりゃネイスはこれといった功績はあげてないもんな。でも、能力値はそこそこ高いって言われてたし将来はかなりいい線行けそうだってギルドマスターが言ってたような気がするぞ。


「どこにあるんだよダンジョン。そこまで俺たちは瞬間移動で行くからアスリーは歩いて来るといい。お前が着いた頃にはダンジョンは攻略済みだろうがな。ハハハッ」


「くだらないこと言わないでください。私も一緒に連れて行くのが当たり前でしょう。斬り捨てますよ」


 アスリーは腰に指してある剣に手を置く。

 こいつ本気で剣を抜く気か? そっちがその気なら俺だってやってやるぞ。


「うわーー!! ダメですよ、仲間割れなんて。私たちは今現在一緒にダンジョンを攻略するパーティーなんだから!! ほら、シュウトお兄さんもアスリーさんにごめんなさいして」


 突然俺たちの間に割って入ったネイスにより一触即発の空気は霧散した。

 いや、俺も本気じゃなかったからな。アスリーだけ置いて行くなんて流石に冗談だぞ? そこまで人間として終わってないから。


「いくらネイスに頼まれてもそれは無理だ。俺は一つも悪いことなんてしちゃいないんだ。早く、ダンジョンの場所を教えないこいつが全部悪い」


「私が案内するのですから黙ってついてくればいいのですよ。無駄なことは考える必要はありません。考えてもわからないでしょうが」


 なんだと、俺が頭が少しだけ、ほんの少しだけ悪いことをこいつも知っているっていうのか。くそが、誰が漏らしやがったんだ。俺の能力値を知っているのは現在数えるほどしか存在しない。王都にいるとなると、ネイスにおじさんおばさんの三人だけだ。つまり、この中に犯人がいる。怪しいのは疑うべくもなくネイスだろう。


「おい、ネイス。俺の頭が悪いことをアスリーに話しただろ」


 俺は、ネイスにだけ聞こえる程度の声で問いただす。


「え? 急にどうしたの? なんで私がシュウトお兄さんの悪口をアスリーさんに言ったりしないといけないの? 私はそんなことしないよ」


 疑われたことが不服そうに頬を膨らませる。


 なに、ネイスが犯人じゃないのか? となると、あの二人……いや、あの二人は俺の冒険者カードを見てからずっと一緒にいたはずだ。アスリーに告げ口する隙なんて与えていない。どういうことだ。この事件は迷宮入りしてしまうのか。


「何を慌てているのですか? あほなのがバレますよ。もう少し、態度と言動に気をつかってください」


「大きなお世話だ。別に俺は焦ってねぇよ。いきなり頭が悪いだの言われてムカついてただけだ。大体俺は馬鹿じゃねぇぞ」


「嘘ですね。私の観察眼を甘くみないでください。すぐにわかりましたよ、貴方が馬鹿な事くらい」


 こいつ、誰から聞いたわけでもなく自分で気が付いたというのか? そんな……俺はそんな頭の悪そうな行動ばかりしていたというのか? ありえないだろ。


「はっ、適当なこと言いやがって。ほら、ダンジョンの場所を早く教えろよ。場所さえわかれば瞬間移動で一瞬なんだ。こんなところで時間を消費するのは無駄だろ」


「はあ、わかりましたよ。この地図を見てください。私がしるしを着けてある場所がダンジョンが出現したポイントです」


 地図とか持ってたのかよ。すぐに出せよな。でもこれで場所もわかるし、早速ダンジョンに行ってやるか。

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