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60話

「遅かったじゃないかアスリー。もう全員そろってるぞ? 君らしくもない、寝坊かい?」


「いえ、私はギルドマスターから招集を受けて、最短でギルドまで来ました。私に落ち度はありません、どちらかというとギルドマスターの情報伝達ミスです」


「すまないな、俺もシュウトが今日のうちに来るっていう報告を受けたのは朝だったんだ、大目に見てくれ」


 この子も結構おじさんに対して辛らつだな。やっぱりこのおじさんは冒険者たちから舐められているんじゃないか?


「私が報告を受けたのは30分ほど前でしたが? なぜ朝のうちに伝えてくれないのですか? 聞いていれば余裕をもって間に合っていたのですよ」


「この二人は王都から馬車を使っても数日かかる町にいたんだぞ? 誰がほんとに今日中に来ると思うんだ。常識はずれなことをしたシュウトが悪いんだ、俺は悪く無い」


 まあ、俺の瞬間移動のことを知らなければすぐに到着するなんて思わないだろうな。そこは少しばかり同情してやろう。


「貴方がアスリーさんですか? すごく綺麗で強そうです」


「君、見る目がありますね。私は王都でも最強の剣士ですから。今は気分がいいのでサインも書いてあげますよ」


 ネイスが喜んでサインを貰おうとしているが、書いてもらうものがないので一時断念したみたいだ。


 サインか、俺も有名になればそこら辺の人たちからサインをたかられるようになるのか? いや、想像しただけでも面倒だ。そうなったら周囲一帯を吹き飛ばして静かにさせよう。


「ギルドマスター、Sランク冒険者候補はこちらの方ですか? 見たところ強そうには見えませんよ?」


「人を見た目で判断するんじゃねぇよ。少なくともお前よりは数倍強いから安心しろ」


 初対面で何て奴だ。俺のどこが強くなさそうなんだよな。どこからどう見ても地上最強の生物だろうが。


「随分と自信があるようですが私は天才という名をほしいままにした天才剣士ですよ。凡人では相手にもなりません。ギルドマスター、モンスターの討伐ではなく、私が直接この人の実力を見極めしょうか? なんだか、コテンパンにやっつけてしまいたい気分です」


 俺の反論が不快だったのか、ほとんど表情を変えることのなかった顔が眉間にしわを寄せている。


「ああ、望むところだ。怪我しても知らねぇからな。むしろ死ぬぞ」


 売られた喧嘩は買わないといけないよな。最初に舐められてしまったらこれからずっとそのままだ。ここは格の違いを見せつけるために一戦交えておいたほうがいいだろう。


「ちょっとちょっと、やめるんだ。これ以上貴重な戦力を無駄に減らすわけには行かない。それは無理な相談だ。アスリーはシュウトが危険な目に逢った時の予防線なんだから自分からシュウトを倒そうなんて何を考えているんだ?」


 俺もこいつの意見に賛成だったんだけどなぁ。わざわざモンスター何て倒しに行かなくても、こいつを倒せばSランク冒険者としての実力は十分に満たしていると考えていいはずだ。


「ダメだよ、シュウトお兄さん。アスリーさんはわざわざ同行するために来てくれたんだから感謝しないと。挑発するようなことしちゃダメ!!」


 まさかネイスに叱られるとは……しょうがない。ここは俺が大人の対応をしてやるか。


「直接ぼこせないのは残念だが、まじかで俺の実力を見せてやるよ。お前が手を出すような状況には絶対にならないから丸腰でついてきてもいいぞ?」


「この依頼辞退させていただきます。この男と一緒にクエストに向かうのは私には無理です。なので、直接戦闘しても問題ないですよね?」


「だからダメだって言ってるだろうが。いい加減にしろよ二人とも。なんでさっき会ったばっかりでそんなに仲が悪くなるんだ? おとなしく、俺の指定したモンスターを討伐してこい」


 なぜだろう。俺も初対面の人にここまで言われたのは初めてだ。根本的に馬が合わないのだろうか。


「二人とも、あまりマスターを困らせないの。おとなしくモンスターを討伐してきなさい」


 おばさんがとてつもない迫力を出しながら会話に入ってきた。


 オーラでもまとっているんじゃないかってくらいの迫力がある。ネイスなんて俺の後ろに緊急避難してるぞ。横目で見ると、あいつも少し怯んでいる。おばさんのオーラ半端ねぇわ。


「わ、わかりました。ほら、行きましょう。ぐずぐずしないでください」


「おい、ちょっと待てって。引っ張るな、服が伸びるだろうが」


 俺はアスリーに引っ張られながらギルドマスターの部屋を後にした。


「頑張って来いよ。でも怪我しちゃダメだからな」


 おじさんが俺たちに手を振りながら見送るのが見えた。あのおじさん、後でおばさんにどやされるんだろうな。せいぜい頑張ってくれ。俺は頑張らないけどな。


「ふう、ボメリさんを怒らせてしまうとは不覚です。これも貴方が悪いのですよ。私は先輩になるのですから敬意を払ってください」


「はいはい。それじゃ、先輩早くモンスターの場所を教えてくれよ。早く終わらせて町に帰りたいんだ」


「まだ聞いていなかったのですか? 今回は王都近郊に出現したダンジョンの攻略と主を討伐することです」


 ダンジョンとか全然聞いてないんですけどぉ。

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