6話
周囲から人影がすべて消えてしまった。強く息を吐くだけでこの威力はバケモンだろ。どうすればこんな体になってしまうんだよ。なんでもできる俺カッコいいが、度をすげていないかこれは。
「まあまあ、気にしないで行こう。さっさと次いこ。どんどんかかってこいや」
ここいら一帯はかたずけからちょっと移動しようかな。
大通りだし歩いて移動していたらまたそれっぽいやつらと出くわすだろう。俺の生命力感知を使ってたところ4つほど強めの反応を感知している。まだ強そうなやつとは出くわしていないところを考えると、まだこの町のどこかにいるのだろう。
「探知して俺の王から行くのも簡単なんだがな……そんなことばかりしていたら面白くないよな。全部一瞬で終わっちまうからな」
めんどくさくなってきたな。どうしようか。早く誰か来ないともうしびれを切らしてこの町ごと消滅させてしまうぞ。ああ、むしゃくしゃしてきた。もう俺からやっちまうか?
「大広場でとんでもねぇ爆発が起きたいだぞ!!」
「騎士団が向かったって話だぜ。危ねぇから一般人は近づくなって言ってたぜ」
「私もその話聞いたわ。最初の爆発の後にもさっきすごい音がしてたけど一体何が起きてるって言うのよ」
いい感じに町中に話が広がっているじゃないか。この調子だったらすぐに何があったのか確認するために人が集まって来るだろう。そうすればあとは騒ぎが起きて俺がそこへ向かへばいいというわけだ。
「急げ!! 早くいかねぇと稼ぎがなくなっちまうぞ」
「緊急クエストなんてめったにねぇ。稼ぎ時だ。俺が1番乗りだぜ!!」
「何言ってるの? 緊急クエストになるようなことが起きてるのよ。手柄を独り占めにしようとしたりしたら死ぬわよ。少しは考えなさいよ」
なんだなんだ緊急クエストって。もちろん俺のことだよな? かなり盛大に暴れた甲斐があったってもんだな。よくわからんが人が集まってくるってことだろう? 雑魚ばかりじゃなくて強いやつも集まってきてくれればいいんだがな。
「俺も一旦広場に戻って様子見でもしてみるか。俺が離れたところにいたんじゃあそこはただ破壊されただけの場所でしかないもんな。一番乗りする必要はないから歩いて戻ろう」
こうなるんだったら最初から移動なんてせずに待っておけばよかったな。あれ? そういえば俺はこの町の全員にテレパシー的な何かで早く来いって言ってたんだっけな。さっきので完全に忘れてたわ。騎士団が来たから目的を達したと脳が判断してしまっていたのかもな。まったく、力は最強なんだから頭脳も最強にしといてくれよ。頭だけポンコツすぎるだろ。
俺は急いで大広場に向かう連中を眺めながら、ゆっくりと歩いて来た道を戻る。
そんなにあせる必要はないぞ。なんて言ったって元凶である俺は今ここにいるんだからな。まあ、俺の姿を直接見ていないこいつらにそんなこといってもわかるわけもないか。
「なんだこれは!? 地面がえぐれて、建物が吹き飛んでやがるぞ。何があったらこんなに滅茶苦茶になるって言うんだ?」
「あれ見てみろ、騎士団の連中がそこいらに転がってるぞ。なんてこった、この町の最強戦力だぞ」
「騎士団に恩を売るチャンスだ。生きてるやつがいたら回復魔法で助けるんだ!! 普段威張ってばっかりなのに情けないったらねぇぜ」
本当だ、こんなところに転がってるじゃないか。流石に町の外までは飛んで行っていないかと思っていたが、思ったよりも飛んで行ってないな。言うて、広場の周辺じゃないか。今度はもっと大きく息をすってからくらわすことにしよう。
「おい、お前何してんだ。冒険者でもないのにこんなところをうろついてたらあぶねぇぞ!! 早くここから離れろ」
こいつらはどうやって始末してやろうか? なんかめんどくさくなってきたしこの町も一緒に消滅してしまうくらいのをお見舞いしてやるかな。
「聞こえてねぇのか? もしかしてここで何が起きたのか目撃したのか?」
さっきからごちゃごちゅうるさい奴がいるな。俺に話しかけているのか? うるさいし殺そう。
うるさい男に向かって軽くパンチを繰り出す。
スパァン!!
もちろん直接殴っては俺のこぶしが汚れてしまうので風圧だけで撃ち抜いてやった。
男は何が起きたかわからないような表情で固まっている。そして、ゆっくりと自分の腹を見ると
「あああーーーー!!!! 俺の腹に穴がぁぁあーーー!!!」
いやいやそんないちいち実況しなくていいから、死ぬなら静かに死ねよ。次からははらを狙うんじゃなくて顔面を吹き飛ばしてやろうかな。そうすれば叫ばれることもないし。
「どうした!?」
「テコルス!! おい、お前腹が……」
「きゃぁぁぁーーーー!!!!」
おうおう、こいつの叫び声に反応して冒険者どもが集まってきたじゃないか。俺からしてみればうるさいだけだが、ほかの奴らをおびき出すのには案外使えるかもな。
「お前がやったのか!? 答えろ!!」
「ああ、俺がやったぜ。こいつがごちゃごちゃうるさいもんでな。すまん、悪気はなかったんだ。この通り」
「きさまぁーーー!!!」
逆上した男が俺に向かって突進して来る。
こいつも腹に大穴開けてやろうかな。
「待つんだ!! 力量もわかならない敵に真正面から向かっていくのは行けない!!」
あ? せっかく俺に向かって来ていた雑魚がほかの冒険者により制止される。
「あ、貴方はSランク冒険者のゴンブさん」
「僕が来たからにはもう大丈夫だ。みんな落ち着くんだ!!」
なんかうざいの出てきたな。




