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57話

 それで一体テストとは何なのだろうか? 定番の俺が相手になってやるって奴か? でもさっき断られたしな、流石に現役を退いた元Sランク冒険者と戦ったくらいで実力の証明にはならないか。でもこっちのおばさんの方も現役じゃないんだろ? 誰が俺と戦うって言うんだよ。


「シュウトには王都近郊に出現したモンスターの討伐を行ってもらう。もちろん、誰の手助けもなしで一人でだ。それをクリアしたあかつきにはシュウトをSランク冒険者として認めよう。本来、Sランク冒険者はそう無暗に増やすものでもないんだが、一人行方がわからなくなっている者がいてな。いい機会だったんだ」


「フーン、なんかタイミングがよかったってことか。Sランク冒険者が行方不明だなんてどんなことが起きたんだよ。一応、最強の冒険者に与えられる称号なんだろ?」


 気まぐれで姿をくらましている感じでもなさそうだし、実際は死んでいるんだろうな。はっきりとした生死を確認できていないから行方不明として処理しているだけだろう。大したことないなSランク冒険者もどうせその辺のモンスターにでも負けたんだろうし。


「どういうことですか? Sランク冒険者の方が行方不明何てありえませんよ。一人で国を救う程の実力を持った方たちですよ」


 ネイスが思わず反応してしまっている。ネイスからしてみればSランク冒険者は人類の頂点みたいな感じなのか? 


「少々足取りが途絶えた位なら俺たちも気にかけはしないんだが、今回は少し特殊でな。もうすぐ国中に情報が出回るだろうが、つい先日、北端に位置するケレンモスが壊滅した。俺も実際の状況を見たわけではないが、派遣した者によると、栄えていた町並みは一切残っておらずがれきだらけの焼野原と化しているとのことだ」


「え? そんなことが起きていたんですか? 呑気にしている場合じゃありませんよね?」


「もちろん、調査にはSランク冒険者を複数名派遣している。そして今回行方不明になったSランク冒険者が最後に訪れていた町がケレンモスという訳だ。ケレンモスの人々が一夜にして町ごと消え去るという前代未聞の大惨事だ。おそらくゴンブのやつもそれに巻き込まれて……おっと、弱気になってる場合じゃないな。あいつならどこかで生きているかもしれない。まあ、そういうわけだ」


 何かすごい身に覚えがあるような気が。ゴンブ? なんだそのダサい名前はこんな名前一度聞いたら忘れれねぇよ。ということは俺には関係ないことか。


「それで。その事件を引き起こした奴は特定できたのか? かなり強いモンスターだと思うけどな」


「いや、不自然なことにケレンモスにあった対モンスター用の水晶には反応を示した様子がないんだ。シュウタはつい最近緊急クエストでドラゴンを討伐しただろう。Sランク以上の危険度のモンスターが現れた場合は瞬時に情報を全ギルドに知らされるようになっているんだ。しかし、ケレンモスが壊滅したであろう日にそんな連絡は受信していない」


 冒険者ギルドの技術力がどんどん明らかになっていくな。まったく無駄にそういうところだけハイテクにしやがって。そんな暇があったら、移動手段を馬じゃなくて車にしてくれよ。


「詳しいことはまだ調査中だ。派遣したSランク冒険者たちの帰還を待つほかない。もしかすると、水晶に反応しない未知のモンスターが出現した可能性すらあるからな。今のギルドには戦力がいくらあっても足りない。このタイミングじゃなければシュウトがSランク冒険者になることはなかっただろうな」


 未知のモンスターかそいつはまた面白そうじゃねぇか。もし発見したら俺に討伐を任せてほしいくらいだ。


 それにしても町をSランク冒険者ごと壊滅させちまうとはなかなか強そうだな。


「正体もわからないモンスターがこの国のどこかに潜んでいるってことだよね? 怖いよシュウトお兄さん」


「どうせ俺にかかればすぐにかたずけちまうさ。そんな心配することでもねぇだろ」


 いつもイケイケのネイスも町を壊滅させたモンスターとなると流石に怖いようだ。俺たちが倒したドラゴンもほたってたら町を壊滅させるくらいのことはできる強さだったんだけどな。これが実績の違いってやつか。できるとやったじゃ訳が違うもんな。


「本題に戻ろうか、まだシュウトは正式にSランク冒険者ではないから、今回の討伐クエストには特別に本当に危険な状況に陥った場合に助けてやれるようSランク冒険者を一人つける。何かあったときは頼るといい」


「絶対に必要ないだろうな。そんな暇があるんなら、調査のほうに行かせた方が有意義だぞ」


「一度Sランク級のモンスターを狩ってるからといってあまり調子に乗らないほうがいい。モンスターと戦うということは常に命を失うという危険と隣り合わせなんだ。決して舐めてかかっていい相手じゃないぞ」


 ガチで説教されてしまった。でも俺は本当のことを言ってるだけなんだよ。前回のドラゴン程度なら何百匹来ようが瞬殺だぜ。


「私はついて行ってもいいんですか? ダメって言われてもついて行きますけど」


「お嬢ちゃんは緊急クエストの際も一緒に戦闘に参加したらしいじゃないか。今回は手出し無用だが、危なくなった時はこいつを助けてやってくれ。用心するに越したことはないからな」


「はい、任せてください。シュウトお兄さんは私が守りますから」


 いつもの調子に戻ってやがる。町が壊滅したことはもう忘れたのか? 違うモンスターってわかってるからか?


 どちらにせよ。俺がサクッと倒してそれでおしまいだな。

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