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51話

 案外早かったな。俺の予想した通り通信手段があったとみるべきだろう。能力値をわかるような水晶や、便利な冒険者カードもあるんだ。通信が可能な道具くらいもっていて当たり前か。


「良い知らせてと悪い知らせがあるんだがどちらから聞きたいかい? シュウト君」


「どっちでもいいぞ。でもそうだな、先に悪いほうを聞かせてくれ」


「ああ、いいだろう。君には冒険者ギルドの本部がある王都へ、出向いて貰うことになった。王都はここから馬車で数日かかる程距離がある。もちろん移動費はギルドで負担するが、かなりの長旅になるだろう。これが悪い知らせだ」


「王都に呼び出しってことかよ。そんな遠くまで呼び出すなんて何様のつもりだ」


 瞬間移動だったら一瞬で着くが……どうしようか。もう俺の実力は冒険者ギルドの本部へ報告されていることだし、ここで瞬間移動を披露したところでもう何も変わらないか。


「シュウトお兄さんだけ王都に行くなんてずるいよ。私も一緒に行くから」


「わかってるって、なんでネイスだけ町に置いてくんだよ。そんなことするわけないだろ」


 どうやったら俺がネイスを置いて行くと思うんだよ。これまでドラゴンとかいうネイスが死ぬ可能性すらあるクエストにすら連れて行ってたんだぞ? たかが長距離移動くらいで置いて行くかよ。


「ネイス君も一緒に行くだろうと思って本部へは報告済みだ。安心してくれ」


「ありがとうございます。ギルドマスター、見直しました」


 ネイスも一緒に行くことを本部へ報告してるのかよ。別にそんなことわざわざ報告する必要なんてないだろ。それならネイスの分の移動費もギルドの方で負担してくれるのか?


 しかし、瞬間移動で行くんだから移動費何て一ゴールドもかかりゃしないんだよな。まったくわざと三日くらい経ってから瞬間移動を使って移動費ねこばばしてやろうか。


「移動のことなんだが、数日もかかるなら俺が瞬間移動を使っても大丈夫か?」


「瞬間移動? なんだいそれは? 何か特別な移動方法かな?」


「その名の通りだ。瞬間的に好きな場所に移動できる魔法だ。俺は自分が指定した場所に一瞬で移動できるんだよ。だから、移動費なんていらないし、すぐに行くと冒険者ギルド本部に伝えて貰ってもいいか?」


 俺の話を聞いていたギルドマスターの表情にどんどん焦りが滲んでくる。

 どうしたんだ? まさか、今更俺がこんな魔法を使えることを隠してたとかで驚いてるのか? ギルドマスターだってドラゴンとの戦闘の時一緒にいただろ。あの時俺が少しでも本気を出してるように見えたのか? まだ、いろいろと隠し玉を持っててもおかしくないと思うだろ。


「シュウト君今の話は本当かい? 王都へ向かうのがめんどくさくて適当なこと言ってるわけじゃないだろうね?」


「行きたくないからってこんな嘘ついて何になるだよ。行きたくないなら、もっと行かなくてよくなるような嘘つくだろうな」


「ふむ、一理あるな。到底信じられる話ではない。要するに転移魔法ということだね。私もおとぎ話でしか聞いたことのないような魔法だよ? 一度見せてもらってもいいかい。この目で見ておかないと信じられないからね」


「ああ、別に構わないぜ。そうだな、それじゃあ、いつも俺の背後を取っているお返しにお姉さんの後ろへ移動してやろうか。ちゃんと見てろよ」


 視界に入る場所に瞬間移動するのは初めてだが、通常であれば感知で場所を指定していたのだ、視認できる場所のほうが簡単に決まっている。

 俺は、お姉さんの後ろへ座標を指定し、瞬間移動した。


 シュッ。


 目の前にいたギルドマスターの姿が消え、案内の時について行く見覚えのある後姿が視界に移った。


 ツンツン。


「へ? シュウトさん? 本当に私の後ろに……一体どうなっているのですか? 高速で移動したような感じではありませんでしたよ」


 俺から背中をツンツンされたお姉さんはビックリした様子で振り返った。


「どういう原理で移動しているかとかは俺にもわからないな。でも、高速で移動してるってのは100パーセント違うからな。それはあってるぞ」


「信じられないな。まさか本当にそんなことができてしまうとは……シュウト君。瞬間移動は長距離でも可能なのかい?」


「そうだな。今のところは距離で移動できなかったことはない。てか、移動できなかったこと自体がないな。俺が指定することができればどこでもいけると思うぞ」


 俺の能力に不可能何てないんだからな。当然のことが。


「わかった。私もこの目でしっかりと見たのだ、信じようじゃないか。これならシュウト君のいう通りすぐにでも王都に向かうことができるね」


「通信手段があるんだろ? それでいい知らせって何だったんだ?」


「シュウト君、君を本部は条件付きでSランク冒険者にしてもいいと言っているんだ。前例もないほどのスピードランクアップという訳だ」


 マジかよ。そんな簡単にSランク冒険者になってもいいのかよ。


「条件っていうのはなんだ? よくありそうな実力を見せろとかそんなところか?」


「そうだ。詳細は私も聞かされていないから王都で聞いてみてくれ。私の方から今日向かうことを伝えておこう」


 これで今日やることは決まったな。よかった、一日暇にならずにすんだぞ。

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