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50話

 朝の身支度を済ませた俺たちは、昨日たてた予定通り冒険者ギルドへと向かうことにした。


「おい、あんまり遅いとおいてくぞ。服なんてどれでもいいだろうが」


「なんでそんなこと言うの? せっかく昨日シュウトお兄さんに買ってもらったんだよ。冒険者としての機能性と見た目の可愛さを両立したものを選ばなくちゃ申し訳ないよ」


「別に悩む必要ないだろ。昨日の時点でさんざん悩んで買っただろ? それを思い出せばおのずと今日着ていく服が見えてくるだろうが」


 昨日もかなり時間をかけているのに、今日まで着る服を悩むために時間を使われちゃ俺の時間が無くなってしまう。確かにたくさん服があって悩むのはわかるんだがそれくらい昨日のうちに準備しとけよ。


 尚を真剣な表情でネイスは悩んでいるが、俺はもう早く冒険者ギルドに行きたくてうずうずしている。全然行きたいわけではないのだがこの部屋で無為に時間を過ごすよりは百倍マシだ。


「なんなら俺が選んでやろうか。これなんてどうだ?」


 俺は動きやすそうなシャツとズボンを手に取った。

 適当に手に取った奴だったんだが案外いいんじゃないだろうか。


「ええ、それかぁ。わかったよ、シュウトお兄さんが選んでくれたからそれにするね。着替えるからちょっと外で待ってて」


「なんでだ? 俺のことなんて気にせず着替えればいいだろ?」


「本気で言ってるわけないよねそれ? シュウトお兄さんのことを今日から変態って呼ぶことになるけどいいかな?」


「はは、冗談だよ冗談。ほら、急げよ」


 準備も終わっていた俺は部屋の外に出て、ネイスの着替えが終わるのを待った。




 ガチャ。


「お待たせシュウトお兄さん、それじゃあ、行こうか」


「ああ、今日も退屈しない一日になればいんだがな。一番最高なのは緊急クエストだな。また発令してくれ」


「そんなに頻繁に緊急事態に陥ってたら町が滅んじゃうよ」


 俺だって無理なのはわかってるだよ。でもなぁ、俺の退屈を解消するためには緊急クエストでも起きてくれないと足りないんだよ。


「ひとまず、冒険者ギルドに行って本部からの返事を来てるか聞いてみないとな。もしかしたら今日からAランクのクエストとかも受けられるようになるかもしれないぞ」


「シュウトお兄さんの実力だったらAランクのクエストでも楽勝なんだろうね。頼もしい限りだよ」


「まあ、そう褒めるな。Sランクのモンスターにすら苦戦もしない俺だぞ? Aランクのクエストなんて朝飯前だ」


 金を稼ぎたいわけでもないのにモンスターを倒して一日を潰すのには少し抵抗はあるが金を稼ぐこと自体は必要なことだからな。なんとか割り切るしかないだろうな。


「ほら、いいから早く行くよ」


「わかってるっておいてったら道に迷うぞ俺は!!」


「そんな恥ずかしいこと大きい声で言わないでよ。置いて行かないら大丈夫だから、手出して」


 ネイスに手を引かれながらまた歩くことになった。俺は大きい声を出すよりもこっちのほうが恥ずかしいと思うんだがどうなんだろうか。




 冒険者ギルドに着いた俺たちはとりあえずクエストボードの前に向かった。


「何か目ぼしいクエストは追加されてたりしないか?」


「うーん、この前見たときと変わってないかなぁ。リザードマン行く?」


 またリザードマンか、ほんとに小遣い稼ぎにしかならないんだよな。


 ツンツン。


「うわっ!!」


「そんなに驚かれると私も傷つきますよシュウトさん」


「またお姉さんか。毎回気配を消して背後に現れるのやめてくれよ。心臓に悪すぎるからさ」


 またしても背後を取られてしまった。感知をはつどうしていないといえ、簡単に背後を取られるはずないんだよなぁ。ほんとにこの人は何者なんだ?


「なぜかはわかりませんがついシュウトさんを見るとからかいたくなってしまうのですよ。それはそうと、ギルドマスターがお呼びです。こちらへどうぞ」


「からかわないでくれよ。わかった。今日もおとなしくついてくとするか」


「今日は私も行っても大丈夫だよね? 置いてけぼりは嫌だよ」


「はい、ネイスさんも一緒で構いません」


 今日は一緒にいけることがわかりネイスも喜んでいる。

 ギルドマスターに呼ばれるってことは、昨日の報酬の残りの受け取りかもしくは本部からの返事が帰ってきたってことだよな。おっしゃ!! これで今日も退屈しないで済みそうだ。なんだかんだついてるんだよなぁ俺。




「おはよう、シュウト君にネイス君。今日も二人が我がギルドを訪れてくれてうれしいよ。期待の新人だからね。シュウト君は期待っていうレベルにはもういないかもしれないかな。超新星とでも表現しようか?」


「やめてくれよ恥ずかしい。ただの新人冒険者で十分だ。変なものはつけないでくれ」


「期待の新人なんてうれしいです。これからも頑張ります」


 ネイスはすっかり上機嫌だ。

 こういう時に素直に喜べるってのは羨ましいな。どうしても恥ずかしいとかそういう気持ちが勝ってしまうんだよな。


「今日来てもらったのはほかでもない。シュウト君の冒険者ランクについて本部から返事が来たんだ」


 やっぱりか待ってました!!


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