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46話

 冒険者ギルドの中へ入ると、まだ早朝だというのに、大勢の冒険者たちで賑わっていた。


 明らかに昨日の緊急クエストに参加していた冒険者の数よりも多い気がするのだが。まあ、低ランク帯の冒険者たちも昨日のことを知ってるしどうなったか確認しに来たのかもしれないな。要するに野次馬だ。


「私の言ったとおりでしょ。みんな早く着て報酬を受け取りたいんだよきっと。早く来たつもりだったのに私たちが最後かもしれないね」


「気合い入りすぎなんだよ。こいつら道中のモンスターを討伐しただけだから普段のクエストよりもちょっと報酬多いくらいなもんじゃねぇのか

? ほぼ俺のそうどりだろ」


「ドラゴンを討伐したのはシュウトお兄さんだけど、このクエストを成功させたのはみんなでなんだよ。もちろんシュウトお兄さん一人でも達成できたのはわかってるけどさ、ここはみんなで分け合うんじゃないか?」


 納得いかねぇ。俺は道中も拘束されていたんだぞ。瞬間移動でいけるところを徒歩にわざわざ合わせてだ。


 少し気分を害していたところにネイスのことを見つけたほかの冒険者たちが群がってきた。


「お、嬢ちゃんやっと来たか。それでシュウタさんは一緒じゃないのか? そこの兄ちゃんと一緒に来たみたいだが」


「シュウタさんはギルドマスターに呼ばれて行きましたよ。こちらはシュウタさんの弟のシュウトさんです」


「シュウタさんの弟さんだったとは、昨日は本当に助かったって伝えておいてくれ。よろしくな」


「俺からも頼む。Sランクのモンスターを倒しちまうなんてとんでもねぇ人だ。あの人がいなけりゃ今頃俺たちはドラゴンのえさになってたかもしれねぇ」


 ネイスの奴適当なこと言いやがって。誰が弟だよ。これでいろいろ絡まれたらめんどくせぇじゃねぇか。


 ネイスが俺のほうを向いて、うまく誤魔化しましたって顔をしてくるが絶対そうじゃないからな。俺のことなんて話題に出す必要なかったからな。そこらへんであった冒険者とか言っておけよ。


 ちょんちょんと、肩をつつかれた。


 おい、今度はなんだよ。

 振り返るとギルドのお姉さんが立っていた。俺に気づかれずに背後を取るなんてただものじゃねぇなこのお姉さん。俺もうすうす感づいてたんだよ。ギルドマスターの補佐をしている受付のお姉さんなんておかしいだろ?


「シュウトさんお待ちしておりました。どうぞ、こちらへ。ギルドマスターがお待ちです」


「ああ、わかった」


 こんな朝早くから俺のこと待ってたのかよ。結果的に早く来て正解だったのかもしれないな。昨日の今日だし、ゆっくり寝てお昼ごろにでも行けばいいとか考えてたからな。そうなってたらここにいる冒険者たちも待たせていたかもしれない。申し訳ないとかいう気持ちは皆無だが、まあ人を待たせてるのにゆっくりするのも違うかな。


「あ、シュウトお兄さんだけずるい。私も行く」


「ネイスさんにはここで待機しておいてほしいとギルドマスターから言われております。どうぞ、もうしばらくこちらでお待ちください。ネイスさんも一緒に来ては冒険者たちの目をかいくぐって部屋に案内することができませんので」


「うう、そういわれたらついていけないよ。わかった。私はここで待ってるからすぐ帰ってきてね」


 ネイスはいまだに冒険者たちに注目されているので俺と二人でギルドマスターの部屋に行くには少々目立ちすぎている。それに比べ俺は弟とかいらん紹介をされたものの聞いていた冒険者はほんの一部だけだ。問題なくギルドマスターの部屋へと行けるだろう。




「おはよう。シュウト君。君も早くから来てくれてうれしいよ。君が来ないことには始まらないからね。ドラゴンを倒した英雄抜きで報酬を配るわけには行かないだろう?」


「でも、俺が倒したことにはなってないだろ。ドラゴンを倒したのはAランク冒険者のシュウトってことになってるじゃねぇか」


「そこは問題ない。今日もシュウト君には顔が隠れる鎧を来てもらうからね。抜かりはないよ」


 昨日に引き続きまたあの暑苦しい鎧を着なくちゃいけねぇのかよ。そういえば昨日支給された鎧、適当に部屋に投げてるわ。防御面も完璧な俺には防具なんて必要なかったことに気づいたからな。


「さあ、またこれを来てくれたまえ。流石に2セットも上げるわけにはいかないから今日の分は返してもらうよ。もしどうしてもほしいって言うなら君の報酬から天引きしておいてもいいがどうする?」


「鎧なんていらねぇよ。昨日来てみてわかったわ。俺にはまったく必要ないものだとな。むしろ昨日着た鎧も買い取ってくれよ。部屋においてても邪魔だ」


「あの鎧はこの町でも最高峰の職人が作った一級品の防具だよ。それをいらないなんて君はやっぱりそこが知れないね」


 誰が作ったとかは関係ねぇんだよな。防具自体が俺には必要ないものなんだ。武器として支給された剣もずっと腰に指したまま重力魔法で倒したもんな。剣もいらねぇわ。


「君に支給したものだ。君の好きなように使ってもらって構わない。売るも捨てるも好きにしてくれたまえ」


「いいのか? よっしゃ!! 今度売りに行こうかな」


 まさかの臨時収入に報酬を貰う前からテンションが上がってしまった。この調子じゃ俺のテンションはとどまることを知らずにあふれ出してしまいそうだ。気を付けておこう。

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