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43話

 ドラゴンの魔石を抱えて歩くネイスの顔がにやけている。

 よっぽどこの魔石がでかいんだろうな。昨日倒してリザードマンの魔石なんて小石程度の大きさだったのに対してこいつはかなり大きめの石だぞ。ネイスにも俺が持つからって言ったのに自分が持つからって聞かないんだよな。別に俺は取ったりしなねぇってのに。


「すごいよ。これ一体どのくらいん価値になるのかな? 今から楽しみで仕方ないね。おかげで重さにも余裕で耐えられるよ」


「だから、重いなら俺が持つって言ってるだろ。わざわざネイスがもつ意味もないだろ」


「シュウトお兄さんに任せるとなんだか不安なんだよね。価値をしっかりわかってないから適当に扱いそうだし、落として割ったりしたらどうするつもりなの?」


 なんで俺が落とす前提で話してるんだよ。俺がこんな魔石を落とすようなひ弱な人間に見えるのかよ。はあ、まあネイスが自分で持ちたいって言うなら別に構わないか。


「ネイス君のいう通りだ。この魔石にはどれだけの価値が付くのか私ですら予想ができないほどのものなんだ。これもシュウト君がドラゴンを討伐したおかげだ。約束通り報酬はたっぷり用意するから期待しておいてくれ」


「おお、今俺聞いたからな。後でちょろまかそうなんて考えてたら町で大暴れしてやるからな」


「君に町で暴れられるのはごめん被るね。町が滅んでしまう」


 それにしてもこの二人はドラゴンが倒したというのを知ったとたんに元気になったんだよな。ギルドマスター何て腰をぬかしてたんだぞ? それが、ぺしゃんこになったドラゴンを、見るやすぐに起き上がっていたんだからな。ネイスも魔石を見つけた途端にかけよって言ってもってきたからな。何てがめついやつらなんだ。まずは俺を労うのが先だろうが。


「それにしてもシュウトお兄さんのおかげでえらい目にあったんだからね。なんで私たちが後ろにいるのわかってるのに一人だけドラゴンのブレスをよけたりしたの? 私本気で死ぬかとおもったんだから!!」


「あれか? ネイスだって攻撃が来たらよけるだろ? それ一緒だ。俺も攻撃が来たからよけただけだ。特に深い意味もなければ何も考えてもいなかったな。確かに二人が後ろにいることは忘れてたけど」


「それがおかしいんだよ。ドラゴンは俺に任せとけって言ってたよね? 私も怖かったけどシュウトお兄さんならドラゴンにもきっと勝ってくれると思ったから頑張って一緒について行ってたんだよ」


 ドラゴンのブレスを俺が防いでいれば二人は炎に包まれることもなかったのかと思うと、少し胸が痛むような気もしなくはないが、しっかりと防護魔法を変えてやっていたのだからそこに対して文句を言われる筋合いはないんだよな。


「まあまあ、ネイス君。結果的に私たちはかすり傷一つ負っていないんだから何も気にすることはないじゃないか。ドラゴンのブレスを真正面から受けて無事何て体験なかなかできるものじゃないよ。ここは貴重な体験ができたってことにしようじゃないか」


「ギルドマスターは熟練の冒険者だからいいかもしませんけど私なんて昨日冒険者になったばかりの新米ですよ。それがいきなりドラゴンのブレスの中に放り込まれるって考えてみてください。どうですか? 考えるだけでも背筋が凍りますよね?」


 確かに、俺はあいつの攻撃何てダメージを受けないのを知っていたから何も怖いことなかったが、ネイスからすれば死んで当然のような攻撃だったもんな。それに泣くほど怖い思いをさせてしまったと思うと、申し訳ない気もするかもしれない。


「悪かったよネイス。あれだけネイスのことは俺が守るから安心してついて来いとか言っておいて、泣くほど怖い思いをさせちまったんだもんな。俺が悪かった。次からはネイスのことを考えて戦うから許してくれ」


「別に泣いてないから。あれは、熱さで目が乾いちゃっただけだから!!」


 泣いてたことに触れられるのは恥ずかしいのか? それならこの話もしなければよかったのにな。


 そんなことを話していると、山頂の入口のところまで戻ってきていた。


「ギルドマスターとシュウタさんが戻ってきたぞぉーー!!!」


「「「「おおおおおーーーーー!!!!!」」」」


 俺たちが戻ってきただけでこの大歓声。大体ここは、山の山頂付近だぞ。TPOをもうちょっと考えろよ。誰がこんな山のてっぺんで叫びまくってるんだよ。


「途中とんでもない咆哮が聞こえてきたんですけど大丈夫だったんですか? ドラゴンは討伐できたんですか?」


「そうだよ。ドラゴンを討伐したにしてはなんか早い気がするけど……まさか逃げ出してきたわけじゃないですよね?」


「そんな!! 二人がいても討伐できないほどの個体だったのかよ。俺たちはどうすればいいんだぁ!!」


 なんとも元気な奴らだな。俺たちがここを出発する前何て全員死にかけな顔してたほどにつかれてたはずなんだけどな。もう回復したのかよ。


「皆さん。これを見てください!!」


 突然ネイスが大声を上げ、みんなの注目を集めた。


 俺も一緒にネイスの方を見ると、さっき倒してドラゴンの魔石を頭の上に掲げていた。


「なんだあの魔石? 見たことねぇくらいでけぇ!!」


「まさか、それはドラゴンの魔石なんじゃ!!」


「だとしたら、納得のいくでかさかもしれんな」


 それもう一人でしゃべればよくないか? お前ら仲良すぎだろ。なんで全員で会話をつないで一つの文書にみたいにしてるんだよ。


「その通り出す。そしてドラゴンを倒してのはここにるシュウタさんですよ」


「「「「おおおおおーーーーー!!!!!」」」」


「さすがAランク冒険者だぜ。やっぱり頼りになるなぁ」


「すげぇ、Sランク相当のモンスターを倒しちまったのかよ。それじゃもうSランクじゃねぇか」


 嗚呼ぁ、ネイスちょっと盛り上げすぎだろこれは。これから町まで帰らないといけないんだぞ。こいつらにあんまり体力使わせるなよ。

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