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40話

 さらに山を登り続けること数時間。ついに山頂へと続く道までたどり着いた。

 流石の俺でもかなりしびれを切らしてきてるんだが、これが忍耐力の鬼である俺じゃなかったらどうなっていたことか。想像するだけでも恐ろしいな。俺クラスの奴が暴れたら、余裕でこの山は跡形もなく消えることになるだろう。


「ついに見えてきたよ。看板に山頂入口って書いてるしきっとここだよ」


「ほんとだぜ。俺がどれだけ待ちくたびれたと思ってるんだ。今にも暴れだしたいほどなんだぞ」


 俺にこんな苦行を強いるなんてとんでもねぇ度胸してるわギルドマスター。ギルドマスターの命何て俺の気分次第でいつでも最後の瞬間を迎えるんだぞ。


 道中のモンスター討伐に狩り出されていた冒険者たちはもうへばってしまっている。これまで無駄な努力ご苦労だった。俺はいつでも一人で山頂に迎えたというのに、ただひたすらにモンスターを討伐する姿は何とも言えない感じだったな。


「みな、ご苦労だった。あとは、私たちとシュウタさんに任せてここで休んでいてくれ。すべてを終わらせて来る」


「ギルドマスターあとは頼みやす。もう俺たちはここいらが限界のようですわ」


「シュウタさんも頑張ってくれ。俺たちがここまでつないだ分をドラゴンにぶつけてやってくれ」


 無駄に感動的な雰囲気を出してくるのが妙に面白いな。

 いやいや、こいつらも頑張ってくれたんだもんな。俺がここで笑うのは可愛そうなのかもな。


 とりあえず、冒険者たちに向かって手でもあげておく。


「シュウタさんが俺たちに手を振ってくれたぞ!!」


「「「「うおぉぉぉーーーー」」」」


 なんでこんなに歓声が起こるんだ?

 まだ俺は何もしてねぇぞ。実力すら見せてねぇのにこいつら大丈夫かよ。疲れすぎて頭が働いてないだけな気がするな。


「皆さん、シュウトお兄さんに期待してくれてるんだよ。この期待にはしっかり答えないとね」


「ああ、しょうがないから頑張ってやるよ。特に頑張る必要もないんだけどな」


 俺が頑張っちまったらこの山ごとドラゴンが消滅することになっちまうからな。そうなってしまえば、ここにいるこいつらはもちろん、町にも危険が及ぶだろうな。


 一度、ギルドマスターからの指示でここで休憩を取ることになった。

 俺は何も疲れてないのに、時間を消費させられるのかと思うと複雑な気分だ。それに、暗くなってきてしまった。このままじゃ帰るころには日が暮れてしまうぞ。早くけりをつけて帰らないと。帰り道にも同じくらいの時間がかかるとしたら絶望的だな。いくら何でも同じ時間はかからないか。大分モンスターも倒してきてるから戦闘も少なくて済むだろう。


「よし、行こうかシュウタさん。みなはここで待っていてくれ」


「ああ、俺はいつでも構わねぇぞ。マスターに任せるぜ」


「私もついて行くからね。シュウトお兄さんの防護魔法はドラゴンの攻撃だって防ぐんだよね? だったらついて行ってもいいよね?」


 ここに置いて行くよりはましか。ネイスを置いて行ってこっちに被害が出たらいくら俺でもカバーしきれないかもしれないもんな。防護魔法をかけてあるから万が一ドラゴンの攻撃がそれて当たったとしても痛みすら感じないはずだ。


「正気かい? ネイス君はここに残るべきだ。この戦いは生半可な実力のものがいても足手まといになるだけだ」


「ギルドマスター、私は戦闘に参加するつもりはありませんよ。私にはシュウトお兄さんの戦闘を見届ける義務があるんです。シュウトお兄さんの保護者として」


「なにが保護者だよ。それを言ったら俺が保護者だろうが。ふざけてるとおいてくぞ」


「待ってよ。冗談だって冗談。シュウトお兄さんの実力を確認するいい機会なのにここで待つなんてありえないからね」


 ギルドマスターは相変わらず納得していなような表情だが、ネイスも一切譲る気がなさそうだ。

 だいたい、連れていくかどうかはこの二人が決めることじゃなくて俺に選択権があると思うだがな。ネイスが心配だからもちろん連れて行くんだけど……あれ? なんでネイスのことが心配とか感じてるんだ? 俺は本当にそう思っているのか? よくわからんな。


「まあ、マスター来る前にも言った通りネイスを守りながらでもドラゴン程度なら余裕だ。。むしろネイスをここに置いて行くほうが気が散って戦闘に集中できない」


「はあ……私にもギルドマスターとして冒険者の皆の安全を守る義務があるのだけどね。今回は私のほうからシュウト君にお願いしている立場だ。君の意見を尊重しよう。だが、ネイス君のことをしっかり守るんだよ」


 やっとギルドマスターも折れてくれたみたいだ。さてとそれじゃあ、ドラゴン退治に行きますか。


 俺たちは山頂入口と書かれた看板の道へ進んだ。


 少し歩いていると、ギルドマスターの顔色がどんどん悪くなるのを感じた。

 なんだか、顔が青ざめている。


「どうしたんだ? ここにきて疲れが出てるのか?」


「いや、君たちは大丈夫なのかい? ここまでドラゴンの魔力があふれ出してきてるんだよ。大抵の人なら失神しているレベルだ」


「本当ですか? 私はないも感じませんよ。実は私も魔力はかなり高いですからそのおかげですかね」


 ネイスが得意げにそういうが絶対に俺の防護魔法のおかげだからな。ネイスの魔力が高くて影響を受けてないわけじゃないからな。


 まだ見ぬドラゴンの最初の攻撃で早くもギルドマスター脱落しかけらがらも俺たちはドラゴンの元を目指した。


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