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39話

「みな、準備はできたか!! ここに集まってもらったBランク以上のものには道中のモンスターの討伐を任せる。Aランク冒険者であるシュウタには、ドラゴン討伐のために体力を温存してもらう。ドラゴンが討伐できるか否かはみなの頑張りにかかっている。気張って行くぞ!!」


「「「「おおおおおーーーーー!!!!!」」」」


 町の外に集まっていた冒険者たちはギルドマスターの掛け声に合わせ、鬨の声を上げた。


 ちゃっかり俺も紹介されたが、名前を一文字変えるだけとか手抜き過ぎないか? 後々俺が有名になった時にドラゴン討伐に参加してたAランク冒険者だとかならないよな? いや、有名になった後で騒がれるのは別に関係ないか。今騒がれなければそれでいいな。


「マスター、シュウタさんってAランク冒険者、聞いたことないんだがドラゴンを倒せるだけの実力はあるのか?」


「俺もそれ気になったんだよ。Aランク冒険者なら実力は折り紙つきだろうけど。Sランク級のモンスターなんだよな? 任せても大丈夫なんだよな?」


「そうだぜ、俺たちの命を預けるんだ。実力の確認くらいは当然の権利だろうが」


 複数人俺がドラゴンと戦うことに不安を覚えているようだな。

 ドラゴンなんて瞬殺だと言ったところでこの場にいる誰一人信じないだろうな。ここは、黙ってギルドマスターに任せておこう。俺の頭じゃ何て言えばいいかなんて思いつかんわ。


「なんて失礼な方たちなんですか? シュウトお兄さん……いえ、シュウタさんの実力は本物です。私はこの目でしっかり見ています」


 おいおい、普通に本名言っちゃってるって。慌てて言い直したほうが違和感あるからな。


「何? 嬢ちゃんは、シュウタさんのパーティメンバーか? 本当なんだろうな? こっちは命がかかってるんだぞ」


「はい、何も問題ありません。シュウタさんに任せておけばドラゴンなんて楽勝ですからね」


「その通りだ。シュウタさんの実力はギルドマスターである私が保障しよう。みなは、安心してモンスターの露払いに専念してくれ」


 まさに鶴の一声だな。

 駄々をこねていた冒険者たちもギルドマスターの発言を聞くとおとなしくなった。


 とはいえ、俺がここで実力を見せるわけにもいかないからな。ギルドマスターにこの場をおさめてもらうしかなかったんだがな。


「シュウトお兄さん。本当に大丈夫だよね? あんなに、みんなの前で啖呵きっちゃって倒せませんでしたなんて私恥ずかしいよ」


 ネイスが俺にだけ聞こえるくらいの声で訴えてくる。


「心配するな。ドラゴン程度じゃ俺の相手にならないからな。ネイスは俺が戦うところを特等席で見てればいいだけだ」


「うん。頑張ってねシュウトお兄さん!!」


 この場での説明なんかもすべて終わり、いよいよドラゴン討伐へ繰り出すことになった。




「ただ馬に乗ってるだけってかなり退屈だな。もう、これ以上は無理かもしれん。瞬間移動で方をつけるしかない」


「ダメだよ。何のためにみんなが頑張ってモンスターと戦ってくれてると思ってるの? シュウトお兄さんの体力をできるだけ温存した状態でドラゴンとの戦闘に挑めるようにだよ? それが、シュウトお兄さんがみんなをほったらかしにするなんて絶対ダメ!!」


「いや、ほったらかすとかじゃねぇから。ドラゴン倒してくるんだからこいつらも無駄にモンスターと戦わずにすんで完璧じゃないか? どこにダメな要素があるんだよ」


 かれこれ、二時間程度馬に乗りっぱなしだ。道中モンスターに絡まれるのでなかなか進まない。確かにこいつらが頑張ってモンスターを討伐してくれてるのは見てりゃわかるよ。それだって、俺がやったところで体力の消費何てないんだよな。無駄に大事になっちゃいるが俺一人で何も問題ない程度のことでしかない。


「だからダメだって。それにシュウトお兄さんは目立ちたくないんでしょ? ほんと、何回このやり取りする気なの? いい加減私も怒るよ?」


「わりぃって、俺も暇なんだ。こんなやり取りをするくらいしか時間をつぶす方法がないんだから勘弁してくれよ」


 それらしい言い訳をするが、内心は全然納得できていない。てかこの話そんな何回もしてたのか? まったく自覚がなかったぜ。


「ほら、シュウトお兄さんもみんなの応援でもしながら気長に行きましょう。それと、私に防護魔法使ってくれてありがと。おかげで長時間馬に乗ってるのにおしりも痛くないや」


「俺の防護魔法でけつなんか痛くなるもんかよ。ドラゴンに攻撃されたとしても無傷で防げるぜ」


「流石にそれは大げさだよ。そんなことできたら防具なんて何も必要なくなっちゃうよ」


 出発するときに即興で作った魔法の割には効果を発揮しているらしい。なんせ、俺が作った魔法だからな。なんの誇張もなく隕石すら防いでしまうだろう。この魔法を破れるのは作った俺自身だけだ。でも、馬に乗るために使う魔法にしてはかなり過剰だったな。これじゃネイスのことが大事で大事でたまらないみたいじゃないか。


「まあ、効果を試すことなんてならないだろうから証明する方法もないんだよな。いっそネイスがドラゴンと戦うか? 攻撃だけなら俺の魔法で全部しのげるぞ?」


「無理だってムリムリ!! シュウトお兄さんの魔法がいくらすごくても怖いよ。私はおとなしくシュウトお兄さんに守られてるからドラゴンは任せるね」


 そうだよな。これで、私が戦うなんて言われても俺が困ってたわ。

 ああ、早く着かねぇかな。

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