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38話

 ギルドから支給された武器と防具を身に着けた俺は、ネイスと共に待機していた。


「シュウト君、こっちの準備はすべて完了だ。君の方はどうかな?」


「俺か? いつでもいけるぜ。大体俺が待ってたんだからな。待たせてたのはギルドマスターだろ」


「すまないね。私自身もこれほど強力なモンスターが出現するのは初めてなんだよ。本当に昨日冒険者になったばかりのシュウト君にこんな役目を押し付けてしまって申し訳ない限りだ。そのお詫びといってはなんだが、最大限のサポートはするつもりだから、必要なものがあったらなんでも言ってくれて構わないよ」


 冷静に考えれば、いくら能力値が高かったからといってもずぶの素人に緊急クエストになるようなモンスターの討伐を依頼するってのは正気の沙汰じゃないよな。俺だから何とかなるが、ほかのやつらだったら恐怖で逃げ出してるんじゃないか?


「本当だよ。シュウトお兄さん。危険なクエストなんだから気を引き締めて挑まないと大変なことになっちゃうよ」


「わかってるって。そんな心配するなよ。絶対にネイスが心配しているような状況にはならないからな」


 ネイスも何がかんだ不安なんだろうな。

 それにしてもほかに必要なものはないかって言われてもなぁ……。何かあるか? 武器と防具は貰ったし、回復系のアイテム何て俺には必要ないしな。移動手段は流石に用意してくれてるはずだ。もうこれといって何もないな。


「ギルドマスター、もう俺は必要なものはないな。いつでも出発できるぞ」


「わかった。それじゃあ、ドラゴンの討伐に出発しようじゃないか。移動用に馬を借りてきてるからそれで移動する。出るぞ!!」


 ギルドマスターがかっこよく宣言したが、この部屋には俺とネイス、それに登録受付のお姉さんしかない。もちろん誰もギルドマスターにのっかることもなく、スルーされた。


「そういうのはいりませんから。ちゃっちゃっと準備してください。いつまでも冒険者気分ではいけませんよ」


「相変わらず厳しいじゃないか。テリーゼ君は。私も気分を上げとかないと逃げ出したいくらい怖いんだよ。許してくれないかな」


「はあ、わかりました。それじゃあ、いってらっしゃい。シュウトさんとネイスさんに危険が及ばないように頑張ってください」


 ギルドマスターよりも受付のお姉さんの方が力関係的には上なのか? 一体どういう関係性なんだろうか? 不思議だ。


 てか、馬で移動するとか言ってたな。俺、馬何て乗ったことないんだけど。まあ、俺がしようと思ってできなかったものなんてこの世界で何一つないもんな。考える必要もないか。


「それで? ドラゴンが大体どこにいるかくらいの目星はついてるのか?」


「ああ、一応反応からして山頂付近であることは間違いないだろうね。かなり険しい道のりになるから、シュウト君はできるだけ体力を温存しておいてくれ。ほかの冒険者に伝えた通り、道中の雑魚は彼らに引き受けてもらうから、シュウト君はドラゴンを倒すことだけに集中しておいてくれ」


「それじゃあ、雑魚は全部まかせるとするか。本当に俺は手を出さないから、全部倒してくれよ」


 本気で体力を温存するのなら俺の瞬間移動で移動してしまうのが一番なのだが、そういうわけにも行かないのがもやもやするな。いっそ、ここから瞬間移動してドラゴンを瞬殺したいと何度考えたことか。それで終わりだというのに、無駄に準備やらで待たされ、移動にも馬を使って行くとか言われ、面倒なことばかりだ。報酬が貰えるって言うのを聞いていなかったら確実に一人で行ってきて終わらせてたな。


「確認してなかったがシュウト君は馬には乗れるかい? もし乗れないようだったら私が一緒に乗ってあげるがどうかな?」


「大丈夫だ。それに、俺がギルドマスターと乗ったら誰がネイスを守るんだよ。いくらネイスが女のことはいえ、一匹に三人も乗ったら馬がすぐへばるだろ」


「ありがとうシュウトお兄さん。私、馬なんて乗ったことなかったら不安だったんだ。やっぱりシュウトお兄さんはなんでもできてすごいね」


「そう褒めるなって。当然のことだろうが」


 俺にできないことなんて頭を使うこと以外には何もないんだからな。

 戦闘においても最強、移動することにおいても最速。この世界では俺が何をしても一番なのだからな。あのじじいの怪しげな儀式を舐めるなよ。


「それじゃあ、行こうか。もう外でほかの冒険者たちが待っている。馬も外に準備してあるからそれで行こう。シュウト君はAランク冒険者ということで皆に言ってあるからその全身鎧で顔まで隠しておいてくれ」


「なんで鉄仮面みたいな感じで顔まで隠れるような防具を用意したのかと思ってたらそういうことかよ。まあ、俺としても目立つようなことは避けたいし構わないぞ」


「すまないね。君が駆け出し冒険者ということがばれてしまってはこのクエストは成功できないからね。皆にはAランク冒険者に体力を温存させてドラゴンを討伐してもらうという風に伝えてるからそこのところはよろしく頼むよ」


 何もしゃべらなければバレることもないだろう。ネイスは別に顔を隠す必要もないしな。それじゃあ、張り切ってドラゴン退治に出発するとしますか。

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