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35話

 やっぱりこの宿の飯は安定して美味いな。昨日の晩飯もかなりいけてたし、朝食も美味い。


「あ、シュウトお兄さん先に食べちゃってるの? ずるいよ。気を利かせて待っててくれてもよかったよね?」


「俺がそんなことすると思うか? 飯は食いたいときに食うもんだ。我慢は体に毒だぞ?」


 俺が飯を半分くらい食べ進めていると、遅れてネイスがやってきた。

 昨日貰った服に着替えて、髪も軽く寝癖を直してきたのか綺麗に整っていた。


「おばさん私のご飯もお願いします」


「はいよ。お嬢ちゃんも椅子に座って待ってて。すぐに準備するから」


「ありがとうございます」


 おばさんは出来上がっている料理をお盆に配膳してネイスの前に持ってきた。

 俺よりも若干量は少なめになっている。


 まだ、ご飯を普通に食べられる状況に慣れていないのか、ネイスは目をキラキラさせながら料理を眺めている。


「早く食っちまえよ。クエストに行くんだぞ。あんまり遅いと置いて行くからな」


「ちょっと待ってよ。私は今、食材と料理を作ってくれたおばさんに感謝をしてたところなんだから。シュウトお兄さんもしっかり感謝しながら食べなきゃダメだよ? 当たり前のようにご飯を食べられることに感謝しなくちゃね」


 ネイスのいう感謝とやらが終わったのかやっとご飯を食べ始めた。

 一応俺もいただきますくらいは言ったんだぞ。




「おいしかったね。これで今日も一日頑張れるよ。ご飯を食べた私は最強なんだから」


「そうですか。それはクエストで活躍してもらわないとな。せいぜい俺に楽させてくれよ。いちいち手加減してモンスターを攻撃するのも面倒だからな」


「シュウトお兄さんの本気は私も見てみたいかも。でもギルドマスターから連絡が来るまではお預けだね。ランクもEだし、強いモンスターを討伐するクエストに何て行けないもん」


 それなんだよな。俺の実力でEランクってどういうことなんだよ。ネイスでさえDランクなんだぞ。いくら、俺の能力値が規格外すぎて手に負えないからってせめてBランクくらいからスタートしてよかっただろ。俺が適当にクエストもこなそうにも、雑魚モンスターのクエストしか受けられない。


 俺たちは一度部屋に戻り、冒険者ギルドに向け出発した。


 昨日通った道なのでネイスが覚えている。迷うことなく、冒険者ギルドへ到着した。

 ネイスの記憶力はいろいろな場面で役に立っていて本当に助かるな。俺なんて道は一回通ったくらいじゃ絶対覚えれない自信がある。宿から冒険者ギルドへの道も初めて通るような感覚でしかなかったもんな。


「それじゃあ、今日もクエスト選ぼうかな。シュウトお兄さんが選んでみる? クエストを選ぶのも意外と楽しいよ」


「どうせ大したクエストは受けられねぇんだし、ネイスが適当に選んでくれ。別にどれでも一緒だろ」


「うーん……そんなことないけどなぁ。いろんなモンスターの討伐クエストがあって見てるだけでも楽しめるのに」


 Dランクまでで受けられるようなクエストで俺のお眼鏡にかなうものなんてあるはずもない。

 昨日と同じようにネイスがクエストボードの前でクエストを物色している。


「緊急クエストを発令します!! 冒険者の皆様はこちらにお集まりください!!」


 特に何を考えるわけでもなく、突っ立ってぼぉっとしていると、受付のお姉さんの声がギルド内へ響き渡った。


 手にはメガホンのようなもの持っており、おそらくあれで声を増幅させているのだろう。明らかに声のボリュームが大きすぎた。騒がしいギルドの中に響くほどの声を出せるはずもない。


「シュウトお兄さん、緊急クエストだって。きっと何かまずいレベルのモンスターが出現したんだよ」


 クエストボードの方からネイスが慌てて帰ってきた。


「何なんだ緊急クエストって? 周りの奴らもざわついてるけど……」


「言葉の通りの意味だよ。緊急をようするクエスト。何か急いで対処しないといけないことが起きたはずだよ。そんなポンポン発令されるものじゃないから結構危険なクエストに違いないよ」


「ふーん。でもそんな危険なクエストなんてEランクの俺は参加できないだろ。上位ランクの奴らにしか関係ないんだろ? 気にせずクエスト選んで来いよ」


「そんなことないよ。頭数が必要なことだってあるんだから。とりあえず、詳しい説明があると思うから話を聞いてみないと何も判断できないよ。もしかしたら、強制参加のクエストかもしれないし」


 強制参加のクエストってなんだよ。俺は別に構わないけど、ほんとに駆け出しの初心者冒険者とか危険なクエストに連れて行っても邪魔だし、無駄に命を落とすことになるだろ。いや、そんなのどうでもいいか。


 ギルド内にいた冒険者たちが中央へと集まっている。どうやら、あっちに集まればいいみたいだ。


 ネイスに引っ張られ俺もほかの冒険者たちに混じり、中央へ行く。


 大体全員が集まり終えたくらいに、奥の扉からギルドマスターが出てきた。

 ギルドマスターまで出てくるってことはほんとにまずい状況なのかもしれないな。もしや、稼ぎ時か? よっしゃ、俺も緊急クエストに参加してがっぽり稼ぐぞ!!

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