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34話

「ふあぁー……うぅん? もう朝か?」


 気持ちよく寝ていた俺だったが、いい時間になったのかひとりでに目が覚めてしまった。


 カーテンを開けて、外の様子を確認するために体を起こそうとすると、何やら体が重かった。

 それに、抱きつかれているような気がする。もしかしてネイスか?


 ゆっくりと横を向く。

 すると、目の前にネイスの顔があった。なぜ今まで気が付かなかったなんだよ。この距離だったら寝息も聞こえてるぞ。


「こんな抱きついてこなくても寝れるんだけどな。狭いベットを余計狭くしてるじゃねぇかよ。気持ちよさそうに寝ててなんか起こすのも気が引けるな」


 横からぴったりと抱きつかれているので俺は身動きが取れなくなっている。下手に動いたら起こしてしまうし、変態だと騒がれれば終わるのは俺の方だ。まあ、暴れて目撃者をこの世から消してしまうから終わりなのは俺じゃなくて騒ぎを聞きつけてきたやつらなんだがな。


 悩んでる時間がもったいねぇな。さっさと起こすとするか。


「おい、起きろネイス。起きないと俺が動けねぇ」


 俺がネイスに話しかけると、ピクリと反応した。


「……ふえぇ? ……あさなのぉ?」


「そうだぞ。だから起きてくれ。そして、俺から離れてくれ。起き上がれない」


「え? どういうこと? えーーー!! 近いよ!!」


 声でけぇって、俺の耳を破壊する気かよ。

 ばっとネイスはベットから飛びのいた。


 そんなに驚くことあるか? ちょっと傷つくんだけど。


「うるせぇよ。あんまり騒ぐなら摘まみだすぞ」


「ごめんなさい。ちょっとビックリしちゃって。まさか、シュウトお兄さんに抱きついて寝てたなんて思わなかったよ」


「俺だってビックリだわ。朝起きたらネイスが抱きついてきてるんだぞ? どうしろって言うんだよ」


「なんだろうね? シュウトお兄さんの抱き心地がよかったのかな? きっとそうだよ」


 もうどうでもいいよ。とりあえず朝から変態扱いされることがなかっただけでもオッケーだ。

 早く、朝飯食って冒険者ギルドに行くとするか。


「準備しろよ。今日もしっかり稼がなくちゃいけねぇんだからな。宿でゆっくりしてる時間なんて俺たちにはないんだぞ」


「わかってるって、それじゃあ、私は昨日の服に着替えるからシュウトお兄さんは先に食堂に行ってて。あ、そうだ。一緒に着替える?」


「は? 馬鹿なこと言ってないでさっさと準備して来いよ」


 突然の誘惑に反射的に反応できたのはなかなか褒められてもいいんじゃないだろうか? ここで普通の男だったらキョドってキモイ感じになるのが当たり前の反応だろう。しかし、俺は何を言ってるんだ? という反応を返すことで何も気にしていないことをアピールしておいたのだ。これぞ、じじいに感情を消されたおかげだ。完全に感情が消え去っていない気がしてきたのだがもしかしたら、少しずつ回復してるのかもしれないな。


「冗談だよ。ほんとに着替えるから先行ってて」


 ネイスが着替えるので、一足先に俺は食堂へと向かった。

 時間を確認することもなく、部屋を出てきたが今は一体何時なんだろうか? カーテンも空けてないから外が明るくなっているのかするわからない。そうなると、あほみたいに早い時間に起きて食堂に向かっている馬鹿ということになってもおかしくはないんじゃないか? 感覚的には7時くらいの気がするけど。


「くっそぉ、ネイスが着替えるとかいうからだ。時間確認しないで食堂に行ってまだ準備できてませんって言われたらどうするんだよ? 俺が勝手に目が覚めたような時間帯だし、大丈夫だよな」


 一人で祈りながら、階段を下りて食堂を目指す。

 廊下でほかの宿泊客とすれ違ったりしないのが余計に不安を煽ってくる。


 なんで誰もいないんだよ。それなりに泊まってる客はいるはずだろ? 一人ぐらいすれ違ってもおかしくないだろ。


 そうこう考えている間に食堂へついてしまった。


 ドアを開ければ食堂なのだが、果たしてこのドアの向こうには料理が用意されているのだろうか? ドアに窓でもついていればそこから光が漏れて判断できるんだけどな。どうだ? ドアの隙間から光は漏れてないか?


 引き戸タイプではないので、光が漏れているかの判断はできそうもなかった。


「もう普通に入るか。もし誰もいなかったとしてもそのまま部屋に戻って二度寝すればいいだけだしな」


 特に意味もない覚悟を決め、ドアを開ける。


 ガチャ。


 明かりがついてるぞ。

 まず俺の視界に飛び込んできたものは、薄暗い廊下とは違う明るい光だった。

 あぶねぇ、心の中ではすかしていたけど、結構不安だったんだよな。そりゃそうだよ。俺が勝手に目が覚めるような時間なんだから早朝な訳がないんだ。やっぱり7時か8時くらいだったんだな。


「あら、お客様いらっしゃませ。今、朝食の準備が終わったところです。どうぞ、こちらへ」


「あざす!! ごちになります」


 おばさんに促され、俺は席に着いた。

 ネイスがまだ来ていないが先に頂いても問題ないだろう。


 おお、目玉焼きか美味そうだ。いただきます!!

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