表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

23/81

23話

「それじゃ、瞬間移動で目的地まで行くとするか。ほら、俺につかまれ」


「ちょっと待ってよ。まだ時間もあるんだから歩いて行こうよ。目的地はこの町のすぐ横にある山らしいからさ。せっかくの初クエストをそんな簡単に済ませちゃうなんてつまんないよ」


「そうか? 近いなら歩いてもそこまで変わらないか……でもめんどくせぇな」


 瞬間移動を覚えてからは俺はほぼすべての移動を瞬間移動に頼りっきりになっていた。

 今更、普通に歩いて行くなんて面倒以外の何ものでもない。しかし、ここで、記念すべき初クエストを一瞬で終わらせてしまうのもちょっと違う気がするのはわかるんだよな。


「そんなこと言わないで、ほら、すぐに帰ってきたらまたギルドの人たちからも怪しまれそうだよ? ここは普通に行ってきて普通に討伐したほうがいいと思うな」


「それは一理あるな。余計に目立つようなことは避けたいし、今回は歩いて行くとするか」


「うんうん、そうしよう。きっとそのほうが楽しいよ」


 今の俺は果たして楽しいという感情を感じることができるのだろうか?

 このまま感情を失ったままだといずれ虚無になってしまうんじゃないか? 何をしても何も感じないなんてそれは嫌だな。


「その山ってのはどっちなんだ? まさかこの町は山の頂上にあるとか言わないよな?」


「えーとね、確か東の方角って書いてあった気がする。だから、あっちかな?」


「なんか自信なさそうだな。ほんとにあってるのかよ」


 ネイスが指さした方角を見てみると、思いっきり山がそびえ立っているのが見えた。

 あ、こっちであってるわ。流石ネイスちゃん。やっぱり役に立つね。


「ここからでも山があるの見えるんだね……ちゃんと見てから言えばよかったよ」


「あってたんだからいいじゃないか。気にしなくてもいいだろ」


 ネイスも山があるのを見つけたようで少し恥ずかしそうにそういった。

 ここから見えるってことは本当にすぐそこなんだな。歩いて1,2キロと行ったところだろうか?

 それに標高もあるな。登るとなったら俺は大丈夫にしてもネイスはきつそうだな。




 俺たちは町の東の出口へと向かった。


 町の外へとやってきたが、一本道でまっすぐ歩くだけでかなり退屈だ。


「リザードマンってあの山のどのあたりに生息してるんだ? 大した難易度じゃないってことは麓にいるのか?」


「そうだね。麓から中腹にかけて生息してるって書いてあったよ。だから今日は登山するわけじゃないから、私でも体力はなんとか持つと思うな」


 まあ、あの山の頂上とかに生息してるってなったら移動する手間とかも合わせてもう少し難易度が上がっていたことだろう。

 それでもCかいいとこBだろうな。何にしても町から近いし。


「そういえばネイスの詳しい能力値は聞いてなかったがどんなもんなんだ? 結構高いってお姉さんも言ってたし」


「え? なんか嫌だ、シュウトお兄さんに見せてもしょぼいってなるだけだろうし。私の能力値なんて大したことないよ」


「いいじゃないか。馬鹿にしたりしないから。俺だって知力と運は低いんだからいいだろ」


 大体、あのお姉さんも知力と運以外とかいうからネイスもうすうす低いって勘づいてるんじゃないのか?


「でもオールSSSなんで知力と運もどうせS以上なんでしょ?」


「俺の知力と運がS以上に見えるのか? 俺が頭がよさそうなことしたことがあったか?」


 ネイスがちょっと考え込むように、顎に手を当てた。


 我ながらすごい悲しいこと言ってるな。知力がDって普通のあほってことだよな? いやいや、まさかそんなはずはないだろ。Dが平均に違いない、きっとそうだ。俺は知力は平均だったんだ。運はしょうがない。


「まだよくわからないや。もうちょっと、一緒にいて見ないと何とも言えないね」


「そうか? まあ、いっか。俺の知力はDだよ。ちなみに運はE。どうだ? 思ったよりも低いだろ」


「DとE? 私の筋力とかでEだったよ。大分低いと思うな。私の最高値は魔力のSだったよ。結構高いって喜んでたんだけどね」


 おいおい、Eランクってそりゃかなり低いんじゃないか? ネイスの筋力って女の子の中でも絶対低いほうだろ。

 俺の運は終わってるってことかよ。最悪だ。運とか重要な要素だろ。これから生きていくうえでついてない人生を送らなくちゃいけないってことなのかよ。


「魔力Sはそこそこいいんじゃないか? どれくらいからすごいのかよくわからんが」


「私もだよ。別にほかの冒険者たちの能力値を見る機会なんてなかったから。でも、シュウトお兄さんが規格外なのはわかるよ。どうやってそんな強さを手に入れたの?」


「いろいろあったんだよ。まあ、改造人間ってところだな」


 転生してきてじじいに変な儀式で強化されたとは言えないからな。


 話しながら歩いていたら山が目の前まで迫っていた。近くまでくるとやはり標高の高さが気になった。この山の頂上付近に生息してるモンスターは結構強そうだな。もう少しランクを上げたらクエストを受けよう。報酬もきっといいはずだ。

 てかここまであっという間だったな。ほんとにすぐ着いたぜ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ