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22話

 確かにあまり目立たないようなクエストにしろとは言ってあったがこれはちょっとしょぼすぎないか?

 リザードマンなんて名前からして既に雑魚だ。似たようなやつで行くならせめてドラゴンとかでお願いしたかったな。自分で選んでもないくせに文句は言いたくないが。


「絶妙な塩梅でしょう。私たちが受注できる最高難度のクエストの中でもより報酬がいいものを選んできたんだよ。一つ上のDランクのクエストまでは受けても大丈夫みたいだから、これにしたんだ」


 これで一番難しいクエストだったのか。すまないネイス。ちょっと日和っておきに行ってるのかと思ってた。俺たちが受けられるクエストの中で最高のものを選んできてくれたのなら何も文句は言えないな。

 でもリザードマンって、トカゲ男だよな。滅茶苦茶弱そうだ。どんなモンスターだろうが俺の相手にはならないから大差ないか。


「ありがとな。それじゃ、さっさとこのクエストをクリアしてくるとするか」


「だね。今日のこれからはこのクエストにかかってるんだから頑張らなくちゃ。私だって少しは役にたちたいな」


「もうネイスは十分役に立ってるじゃないか。クエストを選んだり、冒険者ギルドへの道案内なんかもな。戦闘は俺に任せとけ。てか、あまり近くに居たら巻き添えで死ぬぞ」


「巻き添えはいやかも……せめて、死ぬなら戦って死にたいよ。もちろん、死なないが一番だけどね」


 冗談抜きで俺の力は化け物だからな。すぐ近くで一緒に戦闘なんかしてたら十中八九巻き添えで死ぬだろう。

 少し離れている程度だったら安心できないな。いっそ、冒険者ギルドに置いて行くとか? いや、今回のリザードマンなら俺も力を出す必要もなさそうだから問題ないか。でも今回はいいとして毎回連れていけるとは限らないな。


「じゃあ、このクエストで決まりだね。受注カウンターに並ぼうよ。こっちの列がたぶんそうだから」


「ネイスが一人で並んできてくれよ。俺も並ばないとダメなのか? 俺ここで待ってるからさ」


「何言ってるの? 当たり前だよ。クエストを受注しないでどうやってクリアしたって証明するの? めんどくさがらずに早行くよ」


「わかったから引っ張るなって」


 俺はネイスに引っ張られて列にならばされた。

 案外、人が並んでおり、冒険者ギルドが賑わっているのを感じる。

 さっきの水晶はとんでもなくハイテクだったのにクエストを受注するときはしっかり並ばないといけないんだな。ここももっと楽にしてくれよ。紙持っていくだけでいいだろ。


 列は思っていたよりスムーズに進みものの数分で俺たちの番がやってきた。


「こんにちは、クエスト用紙をお預かりしますね」


「はい、お願いします」


 ネイスが手に持っていた紙を受付のお姉さんに渡す。

 紙を渡すだけでいいならわざわざ並ばなくてもいいだろ。


「リザードマン5体の討伐ですね。それでは、冒険者カードをお願いします」


 冒険者カードもいるのか。それなら、並ばないといけないのかな。

 俺とネイスはついさっき発行したばかりの冒険者カードを手渡した。


 やばい、普通に渡してしまったが、俺の能力値が記載されてたんだった。また騒がれるんじゃないか? このお姉さんも俺のレベルの能力値をもった冒険者とか見たことないだろ。


「はい、ネイスさんはEランクですのでクエストの受注条件をクリアしてますね。それと、シュウトさんなのですが、なぜランクが空欄になっているんですか? こんなこと滅多にないのですいませんが確認させてください」


「それは、さっき、ギルドマスターにまだ保留って言われたからじゃないか? 俺に聞かれてもわからんな。詳しいことはギルドマスターに聞いてくれ」


「ギルドマスターが?……そうなのですね。何か事情がおありのようですね。ご安心ください。私共はそういったことには踏み込みませんので、では、お二人でこのクエストを受注されるということでよろしいでしょうか?」


 なんか普通に話が進んだな。俺の能力値を見ても驚かないとはやるなお姉さん。そっちよりも冒険者ランクの空欄が気になるなんてな。


「大丈夫です。お願いします」


「かしこまりました。それでは、こちらのクエストを承ります」


 そういうと、お姉さんは傍らにおいてあった水晶にカードとクエスト用紙をかざした。

 また出てきたあの水晶。マジで便利アイテムだな。クエストの受注にも使えるのかよ。


 一瞬光を発し、お姉さんは俺たちにカードを返した。


「これで、完了です。気を付けて行ってらっしゃいませ」


「ありがとうございます」


 返してもらったカードを見てみると、確かに俺の冒険者ランクの欄は何も書かれていなった。それに、能力値の欄も空欄になっている。よくわからんが、こっちには何も言われなかったことを考えるとこれがデフォルトなのかもな。能力値なんて個人情報だし。


「シュウトお兄さんのランクが空欄になってるって言われたときは焦ったよ。無事にクエスト受けられてよかったね」


「これで、受けられなかったりしたら、あのおっさん締めに言ってたところだったな。まあ、いいか」


 クエストを無事に受けられた俺たちはギルドを後にした。

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