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18話

 なんだか雑用にこんなに張り切られても困るな。

 ひとまず、荷物持ちとクエストの説明なんかをしてくれれば十分かな。

 それよりもこの格好のまま行くってのが不安だな。門前払いとかされたら俺暴れない自信はないぞ。さっきの飲食店ですらギリギリだってのにまたいらんことを言われて耐えられるほどの忍耐力は持ち合わせていない。


「お前その恰好で大丈夫なのか? 結構汚れてるぞ」


「そういわれてもお兄さんもお金持ってないんだよね? どうしようもないよ。まずは、お金を稼いでから考えよ」


「まあそうか。どうしよもないか。それじゃ、さっさと金を稼いでその恰好何とかしろ。目だってしょうがない。もう少し町に溶け込める感じにしとけ」


「うん、わかったよ。まずは、服を買ってお風呂に入るところからだね」


 なんで俺はこいつの世話をこんなに焼いているんだろうか? 我ながら謎だ。

 とにかく、金はあったほうがいろいろと便利になるのは間違いない。冒険者になってドカンと稼いでやれば気にせずに好き勝手できるということだ。拠点となる宿を確保し、遠い町で暴れる。最高だ、俺のいる町は最後に残しておけば住む場所も失うこともない。それにモンスターの討伐にしても拠点があるに越したことはないだろう。俺の力だったらすぐに討伐を終わらせて瞬間移動で帰るっていうことができてしまうからそこまで帰ってきて休める宿があるのは素直にうれしいかもな。


 当てもなくさまようこと数十分。

 冒険者ギルドと書かれた建物を発見した。

 ここいら一帯の建物の中でも一際大きい。モンスターの討伐でかなり儲かってそうだ。


「やっと見つけたね。違う町に来るだけでこんなに苦労するなんて思わなかったよ。とにかく入ろう?」


「そうだな。案外見つからないかったな。見つかったからよかったが、もう少しで俺も我慢の限界を迎えていたところだ」


「気が短すぎるよ。一時間も探してないよ。そんなんじゃ冒険者としてやっていけないよ」


 そういわれても前世の俺はここまで我慢の利かない性格じゃなかったんだけどな。

 この力を授かる時に何かが起きたのだろう。その結果俺のいろいろな感情が抜け落ちて行ってしまったに違いない。

 要するに全部あのじじいのせいってことだ。俺が行う悪行もまったくもって俺は悪く無い。そういうことになるのだ。


「気にするな。行くぞ。まずは冒険者とやらにならないと話にならないからな」


「私が待たせてたみたいに言うのやめてよもう」


「違うのか? いいから早く入るぞ」


 なんか不服そうにしているが俺が気にすることでもない。

 冒険者ギルドに入ると、ちらほらと冒険者らしき人間がいるものの思ったほどにぎわってはいなかった。

 この時間帯は討伐に行ってるんだろうか? 


「あれ? スラムの子が言っていたほど人がいないよ。大勢の冒険者でごった返してるって聞いてたんだけど……」


「人なんて少ないに越したことはないだろ。多くてもうざいだけだ」


「何言ってるの。そんなこと言っちゃダメだよ。お兄さんだって一人の人間じゃない。同じだよ」


「いや、俺は存在自体の次元が違うからノーカウントだ。ほら、どこに行けばいいんだ? 早く冒険者になりたいって」


「うーん? どこだろう? 私の見立てだとあそこがクエストの受注カウンター、あっちが報酬の受け取りかな。あ、きっとあそこの誰も並んでないところがきっと登録受付だよ」


 カウンターを見て、予想をたてているようだが本当にあってるんだろうか? 俺はまったくわからないからそれを信じるしかないけどさ。

 誰も並んでいないから登録ってどういうこと? 俺、あほだからわからない。


「行くよ。違ったら聞けばいいから」


 そういうと、俺の手を引き、目星をつけたカウンターのほうへ向かった。


 カウンターには俺から見てもお姉さんって感じの女性が椅子に座っていた。

 何歳くらいだろうか? 俺の予想だと20代前半くらいか? 年上って言うのは間違いないだろうけど詳し年齢まではわからないな。


「あの、すいません。冒険者登録をしたいんですけど……」


「いらっしゃい。登録ね。ようこそ冒険者の世界へ。でも貴方、いくつ? 13歳になってる? 冒険者は13歳からしか登録できないって知ってるかな?」


「もしかして私ですか?」


 いや、お前しかいないだろ。俺がどうしたら13歳いかに見えるんだよ。

 おい、こっち見てくるな。


「そう貴方よ。お嬢ちゃんには申し訳ないけどこれもギルドの決まりだから許してね」


「大丈夫です!! 私は今年で15歳です。何も問題ありません」


 あ、こいつ14か15って言ってたのに、一歳鯖読みやがった。でもあってるかもしれないから一概に間違いとも言い切れないか。こういう時自分の正確な年齢がわからないのは不便だな。


「ほんとう? この子15歳って言ってるけど間違いないかしら?」


「ああ、間違いない。だから登録できるよな?」


 俺にも確認を求めて来た。

 このお姉さんも仕事でやっているからこういうことには気を使ってるんだろう。それにしても笑えたな。年齢制限に引っかかりかけるとはな。


「わかったわ。それじゃ、登録を始めましょうか」


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