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16話

 ひとまず会計の札を持ち、レジに似た感じの場所へと向かう。 

 どうやらここでお金を払えばいいみたいだ。そりゃ飲食店なんだからお金は払わなくちゃな。何かをえるために、お金を払う。当然のことだ。しかし、この世界ではもはや俺様がルール、俺が払わないと言えばそれは払わなくてよくなるのだ。ゆえに、俺は払わない。


「へぇー、この料理一つ200ゴールドもするんだ。私が頑張って雑用をしたときにお小遣いの1か月分だよ。世の中理不尽だね。私は頑張って一食分のお金を稼いでいたんだって思うとなんか虚しいや」


「ゴールドって通貨の名前か?」


「そうだよ? どうしたのお兄さんそんな当たり前なこと聞いてきて、もしかしてお金持ってないとか言わないよね?」


 いちいち勘のいいやつめ。お前のいう通り俺はお金を持っていない。だが、何も心配することはないのだ。俺には必殺瞬間移動があるのだから。これでほかの町へ逃げてしまえば完全犯罪の完成だ。一瞬のことだし、顔を覚えられることもないだろう。


「ああ、俺は金持ってないぞ。まあ、何も心配するな」


「嘘だよね!? まさか、私だけ置いて逃げるつもりなんじゃ……もしかしてそのために私を連れてきたの?」


「違うって、あんまり騒ぐな。注目浴びちゃうだろ。それはよくないから」


「そんなこと気にしてる場合じゃないよ。食い逃げなんてしたら、騎士団につかまって、牢屋に入れられちゃうよ!!」


 だから無駄に騒ぐなって。

 こいつは本当に焦っているようであたふたしている。かわいそうに、一度俺の瞬間移動を見せておいたほうが良かったかもな。そうすれば、安心だと落ち着いていられたのにな。


「ほら、会計に行くぞ。ここでもいいが、せっかくだし煽っておかないとな」


 少し抵抗してきたが、そのまま引っ張ってレジまで連れてきた。


「お会計失礼します。お客さんのお会計はハンバーグランチがお二つで200ゴールドになります。当店のスタンプカードはお持ちでしょうか?」


「持ってないな。一応、作ってもらってもいいか? 美味かったからまた来ようと思ってな」


「かしこまりました。こちら100ゴールドでスタンプ一個押しますので今回は2個押しておきますね。10個スタンプがたまったら、次回のお食事は半額に、20個貯めて頂いたらなんと次回の食事が無料になります。詳しいことは裏面に書いてますので後でお読みください」


 まさか異世界にもスタンプカードがあるなんてな、とりあえず貰っておいたが半額や無料になる特典は別にいらないな。結局金払わないんだから。

 すげぇカスだな俺。まあ、冒険者とやらで有り余る程稼げたらたまには払ってやってもいいけどな。


「ありがとう。それで、ここ円は使えるか? 生憎ゴールドは持ってきてなくてな」


「エンとはなんですか? そのようなものは聞いたことがないのですが……もしかして異国の通貨だったりしますか? 申し訳ないのですが当店ではゴールドのみの対応となっております」


「なんだって!! ここは円も使えないのか? これだから田舎の店は困るな。それじゃあ、せめて値引きしてもらってもいいか?」


 わけわからないことを言って店員を混乱させる。この店員は俺たちが入店したときに失礼な態度をとった奴だからな。しっかりとやり返しておかないと俺の気がおさまらねぇ。


「申し訳ございません。当店の値引きは先ほどのスタンプカードを集めた時のみでして……通常のお会計で値引き等の対応はできかねます」


「はあ!? 何言ってやがるんだよ。そんなのお前らの都合だろうが、俺には関係ないな。つべこべ言わずに値引きしろよ!! ああ、もう腹立ってきたわ、値引きじゃダメだ。ただにしろ」


 横でガキが不安そうに俺の服の裾をつかんでいる。

 何も怖いことはないだろうに不思議だな。でもなんか俺が保護者になっているみたいで妙な感じだ。まだ俺は子供がいるような年齢じゃないんだけどな。てかこいつ14歳くらいとか言ってたっけ。それだったら俺が4歳の時にできた子供になるな。ワンダホーだわ。


「お客様落ち着いてください。無料にしろなんていくら何でも横暴すぎます」


「うるせぇな。俺が切れねぇうちにただにしておいた方が店のためだと思うんだけどなぁ。俺が切れちまったらこの店は跡形もなく消え去ることになっちまうぞ」


 なんだか楽しくなって無駄に煽ってしまう。なんか店が消えるとかちょっと話がそれてきてるが別に構わないか。もう少しこの店員を困らせたら瞬間移動で離脱しようかな。


「あんまり騒ぐようですと騎士団を呼びますよ!! できないものはできないんです」


「そうか、騎士団なんて雑魚俺の相手にもならないからな、いくらでも呼んでいいぞ。無駄に犠牲が増えるだけになるだろうけどな」


「お兄さん、もうやめて謝ろう。騎士団なんてきたら、ほんとに牢屋行きになっちゃうよ」


 流石にこいつも騎士団はやばいと判断したのか俺にだけ聞こえるくらいの小さい声で話しかけてきた。

 もう頃合いかな。騎士団が駆けつけるギリギリで瞬間移動して、なんで呼んだんだよってやつをさせてやりたいが、今回はこのくらいで勘弁しておいてやろうかな。


「そうだな、もうやめとくか。ほら、俺につかまれ」


「え? どうしたの」


 ガキを抱え上げ、俺はこの前瞬間移動したラッキータウンへと瞬間移動を行った。


 シュン!!

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