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最終話 後編
瞬間、コントの様な事が起こった。
助手の女の子が、彼の、描き上げたばかりの原稿の上にコーヒーをぶちまけてしまったのだ。
これには彼も焦った。幸い、コーヒー色に染まった女の子は五人だけだが、それでも時間が無かった。
彼は急いで彼女達を描き直す。最期まで、諦めずに。
助手の女の子は自分の失態を挽回するために、何か出来ないかと思案する。
そして、女の子はカレーを作り始めた。
三日三晩、なにも食べずに机に向かっている彼の為に、美味しい美味しいカレーを作り始めた。
そして、出来上がったカレーを慎重に彼の前に運ぶ女の子……
原稿は、カレー味に染まった。
……おしまい。