第2章 化け物と戦士
ーー前回のZEBRAーー
田舎に住む少年「ルード」は、高校を中退し、大都市「ハリグレイン」へ働きに出る。
しかし、突如として鳴り響くサイレン、激しい揺れ...。引率のゴーおじさんともはぐれ、
絶体絶命の大ピンチ!さてさて、ルードはどうするのだろうか...!
ゴゴゴゴゴゴゴゴ...。
辺りに鳴り響く唸るような音は、徐々に勢いを増し、気付けば俺のすぐ足元までやってきていた。
突然の出来事にパニックを起こしてしまった俺は、逃げることもままならず、ただ公園の真ん中で慌てることしか出来なかった。が、次の瞬間、俺は思わず固まってしまった。
ふと上を見ると、ビルを次々薙ぎ倒しながら、皮膚が真っ黒で巨大な化け物がこちらに向かってきていたのだ。口からは岩のような牙が剥きだしになり、赤く光った眼をグルグル回している。
よく見ると、何十本もの脚が生えた虫のような生物を引き連れている。
ルード「え!?ヤバいって!え!?マジでなんだよこれ!」
そうこうしている内に、化け物はどんどんこっちへ向かって来る。ゆっくり、そして確実に。
そしてとうとう、大きな足を振り上げ、俺を踏み付ける体勢をとった。
ルード「ッ!うわああああああああああ!!!!」
もうダメだ...。そう思った直後のことだった。
謎の化け物「ゴギャアアアアアァァァァ......!!」
化け物は大きく体勢を崩し、地面に向かって倒れて行く。...助かった...のか?
???「ふう。なんとか間に合ったみたいだな。」
ルード「...え?」
ふと前を見ると、そこにはロボットスーツのようなものを身につけた4人組が立っていた。
ルード「あの...誰...?」
???「フッ、よくぞ聞いてくれた!」
???「我等は、海獣達の魔の手からこのハリグレインを護る、伝説のスーパーヒーロー!」
ガリバーズ「その名も!「決着戦士ガリバーズ」だ!」
辺り「シーーン...。」
メンバーA「よし、決まったな。」 メンバーB「そうだな。」
メンバーC「やはり我々の決めポーズは格別だ!他のヒーローとは比べ物にならん!」
...いや、めっちゃシーンとしてたじゃん。...というツッコミはあえてしないでおこう。
4人は攻撃の姿勢をとり、リーダーらしき人物の合図で一斉に化け物に襲いかかる。
化け物は起き上がろうとするものの、体が地面から抜けなくなったのと、4人からの総攻撃を受けているのとでなかなか起き上がれない。
メンバーA「おっし!決めるぞお前ら!!」
4人は決着をつける為、空高く跳び上がり、巨大なエネルギー弾をチャージする。その弾の光は、地上からでもよく分かるほど輝いている。
ガリバーズ「白黒はっきりつけようぜ!銀河の鉄槌!!!」
エネルギー弾は、凄まじい速度で化け物に直撃。と、同時に、化け物の身体を謎の光が包み、
光が消える頃には、化け物の姿はもう見えなくなっていた。大量にいた虫達も、海の方角へと飛んでいった。
メンバーD「じゃ、任務も完了したし、帰るか。」
ルード「あ、あの!」
メンバーA「ん?お前まだいたのか。早いところ家に帰んな。」
ルード「え、いやそうじゃなくてさ、今の...あれだよあれ...」
グウーーーーー
ルード「!!」
辺り一帯に、やる気のない音が鳴り響く。...俺のお腹の音かよ...。
メンバーA「...なーんだ。お前腹減ってたのかよ。なら来いよ、なんか食わしてやるから。」
ルード「...面目ねぇ。」
メンバーC「wwww!キミ面白いね!なんだか気が合いそうだ!」
メンバーB「...あまり騒ぐんじゃない。耳障りだ。」
さっき、少しでもカッコイイと思った俺がバカだったかな...。
(今回から、後書きにてキャラクター紹介をさせて頂きます。)
ルード・スペック
身長 167cm 体重59kg 誕生日 6月30日 趣味 読書、人間観察
この作品の主人公。
いじめが原因で高校を中退。
そのせいでネガティブな性格が一層強くなった。