まさかまさかの結末なんですが?
後書きに重要なお知らせがあります。
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「あらあら。これがこの世界のお城なのね」
三国姫の世界は大陸を舞台とし、金髪碧眼のキャラクターも普通にいるが中国、日本などの文化を元にしているため、西洋文化は存在しない。
建築物も現代風のものが主流で、歴史的建造物も中国や日本のものしかないので、西洋風の城というものは存在しない。
三国姫という作品を知っている俺はそれらの世界観的な背景を知っていたので、俺が知る範囲のこの世界のことも含め俺が華佗を召喚したことなどの説明は王都に帰るまでの道中で話してある。
そのため、話に聞いて興味を持ちながらも実物を目にすることは適わず、ようやく自分の目で見ることが適った全く知らない形の文化に華佗はあちこちを物珍しそうに見回している。
ちなみに俺たちが王都への帰還を果たしてから時間はほとんど過ぎていない。
本来ならすぐにギルドへ行って、今回のことの端末を報告しないといけないのだが、王都の目の前で起こした問題のこともあり、俺はそちらを城で報告する必要が出てしまったからだ。
なので、ギルドへの報告はデンさんたちに任せてある。
証拠となる豚の魔石も預けたので、相手にもされないなんてことはないだろう。
問題になるのはむしろ――
「やってくれたなヤナギノ」
部屋に入って開口一番にそんなことを言ってくる激おこぷんぷん丸な王様の相手をしないといけない俺の方ですね。
「すいませんでした」
そう言って頭を下げる。
悪いことをしたから謝るのは当然だ。
当然のことをしたところで、相手が許してくれるとは限らないのが辛いところである。
「5000もの軍勢を引き連れて王都への帰還か……お前はどこぞの将軍か?」
「いえ……あれは止むに止まれぬ事情がありまして……」
突然5000もの人間が王都に来たおかげで王都はパニックになったそうだ。
本来なら他国から王都に来るのであれば、いくつかの村や町を経由するため報告もあるはずらしいのだが、今回俺たちの出発地点はギルドの管理していた森だった。
国がギルドに貸与している土地であり分類的には王家の直轄地とされるその一帯には、万が一森で魔物が異常繁殖した時に被害を出さないよう王都から森までの道中に村や町は存在しない。
そのため通常であればあるはずの報告はなく、突然王都の前に5000人がやって来たことになる。
どこかの国の軍隊か、はたまた貴族の反乱か、と上を下へのパニックだ。
「お前の目的には協力を約束したはずだが、まさか不服があって王家を脅迫するつもりではあるまいな?」
「いぇ……ですから、事情があるんです」
「無論、お前の言う事情はオランから聞いている。だが、このようなことをまた起こされては適わんのだ」
はい。
反省を促すための嫌みですよね……いや、単純に嫌みなのか?
仕事が増えたんですよね?
さっきから、書類を持った文官さん方がひっきりなしに訪れては王様の判子をもらって部屋を出て行っている。
「それで、そこにいるのが新たに召喚した英雄か?」
「あ、はい。そうです」
「華佗よ~」
華佗は王様相手でも自分のペースを乱すことなく、笑みを浮かべながらひらひらと手を振った。
「死者以外ならどんな怪我でも治せますし、病気も大概は治せる医療に特化した英雄です」
「ほぅ……」
華佗の力を聞いた王様は顎に手を当ててなにやら考え込んでいる様子だ。
まぁ、為政者ともなれば華佗ほどの名医が現れたら彼女の有用性の高さにどんな風に利用するのか考えるよな……
「協力を願うことはできるのだな?」
「それが葉太くんの利益になるならね~」
いったい何が彼女の琴線に触れたのかわからないが、華佗は事情を聞いてすぐに俺のことを気に入ったらしい。
武蔵とは違い、伊織のような未練などがないため華佗は俺が見捨てられるようなことをしない限りはついてきてくれるそうだ。
「無論だ。我々は協力関係にあるが、ヤナギノは私の臣下ではない。報酬は支払おう」
「ならいいわよ~」
それは重畳だ。と、王様は頷いている。
不意に扉が開かれた。
また文官さんが書類を持って来たのかと思えば、入ってきたのは武蔵だった。
「お帰りなさい。あら、新しい女を召喚したのね」
「その言い方、なんか誤解されそうなんだけど?」
「そう、ごめんなさい」
部屋に入って早々に華佗の姿を確認して嫌みを言った武蔵は、まったく悪びれた様子もなく言葉だけの謝罪をする。
華佗の姿を上から下まで見た武蔵は首をひねった。
「彼女、戦えるの? あなたよりは強いでしょうけど、この間試合ったスキンヘッドの彼と互角ぐらいじゃないの?」
「っんな!?」
武藏の言葉に驚いたのは、俺でも華佗でもなく王様だった。
そりゃそうだろう。
治療に特化した英雄だと紹介したのに、戦闘能力もこの国で五指に入る実力者と同等だと言うのだから。
「ちょっと事情があって、どうしても治療が得意な人を召喚する必要があったんだよ。約束を破ったのは謝る」
新しい英雄を召喚できるようになったら、新しい護衛となる英雄を召喚していつでも武蔵が旅立てるようにする約束だったのだ。
だが、フィアを助けるためには華佗を召喚する他になかった。
自衛程度に戦えるのは知っていたが、スティングさんと同じぐらいの強さだと武蔵が評価するのは予想外だったな。
武蔵としては、自分の代わりとなる護衛がスティングさんぐらいだと不満なのは良いことなのか、悪いことなのか……
「そう。この程度の実力で良いなら、伊織を召喚すれば私はずっとあなたの側にいてあげると思ったけど、理由があるなら仕方ないわね」
「俺、伊織のことはそんなに詳しくないんで、華佗や武蔵ほどのレベルで再現できる自信ないから無理だ。人形みたいな伊織を見たら、むしろ武蔵はぶちギレるだろ?」
「あら、残念」
半分は事実だが、半分は嘘だ。
正直、物語を全話視聴し、キャラクターブックを読んだ他は、武蔵と比べものにならないほど少ない情報しか知らない華佗がこのレベルで再現できたのだから、たぶん伊織も人形みたいなことにはならないし、作中と同レベルぐらいになら再現できるとは思う。
だが、これは召喚を繰り返したおかげでレベルアップしたからか、新しく理解できたことだが、英霊召喚で召喚した英雄は、召喚時点でどれだけその英雄について詳しいかで、能力の再現率以外にも成長率など召喚した後のことにまで影響がある。
たぶん、華佗はほとんど成長できないだろうし、伊織を召喚したとしても武蔵が最も伊織に求めているような成長はないだろう。
それになにより、伊織を召喚してしまえば最低限の仕事は果たすだろうが、武蔵の関心は全て伊織に向けられてしまう。
人間が小さいし、醜い嫉妬心だとは思うが、好き好んで自分が好きな人が自分以外に関心を払う姿を見たくはない。
そんな俺の内心など知ってか知らずか、武蔵はクスリと笑みを浮かべた。
「治療に特化してるなら、彼の訓練も捗りそうね。私たちの主が成長するためなのだから、協力してくれるでしょう?」
「あらあら、なんだか同僚さんは怖い人みたいね」
まったく怖がっているようには見えないが、華佗はそんなことを言う。
と言うか、俺、武蔵に訓練つけられるの?
なんか、武蔵の口ぶりだと武蔵から訓練受けてるような感じだけど、俺って武蔵の訓練には耐えられないだろうからってギルドに所属した……はず……アレ? アタマガ イタイ ゾ?
原因不明の頭痛に襲われ、開けてはいけない記憶の蓋が開かれそうになった時、突然扉が開かれた。
今度こそ文官さんが、新しい書類を持って来たのかと思ったが、それにしては扉の開け方が妙に乱暴だ。
頭痛を振り払うように頭を振って扉の方を見ると、扉を開けたのは文官さんではなく兵士だ。
妙に息を切らしているけど、どうしたんだろうか?
「ご、ご報告いたします! 王都が陥落しました!」
は?
え?
何言ってるの?
王都って城のすぐ外でしょ?
いったい何があったらそんなことになるわけ?
「何を馬鹿なことを言っている。王都が陥落したというのなら、ここまで喧噪が届いていよう」
王様も俺と同じことを考えたのか、一瞬呆けたような顔をしたが、すぐに表情を引き締め直して部屋に駆け込んできた兵士さんを叱責した。
「申し訳ありません! 陥落したのは我が国の王都ではなく……カクトー王国の王都です!」
「は?」
カクトー王国の王都が陥落した。
俺のクラスメイトがいるはずの場所が……陥落?
クラスメイトはどうなったんだ?
王都が陥落したならあのクソ姫は?
もしかして、元の世界に帰ることもできないのか?
突然もたらされた話に、地面が崩れ落ちたように足下が覚束なくなる。
悪い冗談だと誰か言ってくれ。
俺は、切にそう願う他なかった。
これは少年、柳野葉太がクラスメイトを救出し、元の世界に帰ることを目指す物語である。
葉太は武蔵という力を手にし簡単にことが済むと思っていたが、彼の予想とは裏腹にそれは長い旅になるのだった。
実は、拙作が書籍化を飛び越えて漫画化します!
――という嘘をエイプリルフールにするのを忘れていました。
まぁ、冗談は置いておきまして、お知らせです。
今話をもちまして英霊召喚の1章が終了となります。
それに伴いまして、更新を一時停止いたします。
詳細は活動報告にてお知らせしますが、タイトルをご覧いただければある程度お分かりいただけるかもしれません。
簡単に言えば、この作品を元にして新しく書き直します。
タイトルも微妙に変更いたしまして
「古の英雄を召喚する『英雄召喚』で漫画やアニメの偉人を美少女化したキャラが召喚できちゃうんですが? 【清書版】」
となります。
勘違いしないでいただきたいのですが、こちらの更新を完全に辞めるわけではありません。
書き直し版のタイトルを見ていただければお分かりいただけるかと思いますが、あくまでも清書版ですので、清書版が下書き版に追いつくか、ある程度進んだ段階でこちらの更新を再開することになります。
これについても詳細は活動報告に記載いたしますので、興味がある方はご一読ください。
ちなみに、バースデー企画の毎日更新分+αは清書版に引き継ぎいたします。
更新再開までは、どうぞ「清書版」をお読みになってお待ちください。
初回投稿は2020/04/15の0時を予定しております。




