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ゴブリンがいないんですが?

明日も無理そうだと言ったな?

あれは嘘だ!!


残酷めな描写(スプラッタ方向)があるため、苦手な方は後半の森から出ることが決まったところで読むのを辞めてください。

次話の前書きで簡単なあらすじは書きます(もしくは、今話の後書きを参照してください)

43

 どんどん先に進んでいこうとするリングを宥め、ようやくまともに隊列を組んで森の探索を続けられるようになった頃、俺たちは――いや、俺以外の3人……2人が異変に気づいた。


「おかしいわね」

「……そうだな」


 リングとデンさんは足を止めると鋭い目つきで周囲を見回しながら呟いた。


「なにが?」

「どうしたのぉ?」


 状況が分からない俺とフィアは、つられて立ち止まったものの何故2人が足を止めたのか分からずに首を傾げる。


「ゴブリンが居ないのよ」


 そう言われれば、森に入ってからそれなりに奥まで進んできたけど、ゴブリンとは一度も遭遇していないことに気がついた。

 前回の実地訓練では、森に入ってからそうかからないうちにゴブリンウォリアーが現れたし、俺たち4人が倒すためのゴブリンも時をおかずに見つけることが出来ていた。

 そもそも、元の世界でもこの世界でも普通の森というものがわからないので、前回が以上だったのか、今回が以上7日の判断が俺にはつかない。

 しかし、この世界に来て初日の夜に森をうろついた時は前回の実地訓練と似た状況だったので、どちらかと言えば今回の方がおかしいとは思える。


「ゴブリンは森に入ればそこかしこにいるものだ。だが、ここまで1匹の気配すらないのはおかしい」


 なるほど……

 今回が異常なわけだな。

 しかし、ここはギルドが初心者コースの実地訓練用に管理している森だ。

 もともと危険度の少ない魔物だけが生息する森でゴブリン以外を殲滅し、ゴブリンが増えすぎないよう定期的に間引いている。

 その時に異常があればなんらかの報告がなされ、原因が分かるまで利用を止めるなどの対策がなされるはずだ。

 それがないということは、間引いた後に異常な状況になったのか、そもそもこれがこの森の通常状態であり実は今回の実地訓練ではゴブリンの討伐が目標ではなく、なんらかの違った目的がある可能性もある。

 正解がそのどちらだったとしても、俺たちが取るべき選択に違いがないのは幸いと言えるだろう。


「んじゃ、戻ろう」

「え?」

「む?」

「はい」


 肯定してくれたのはフィアだけか。

 異常に気づけたのは2人なのに、その2人は何故って感じで首を傾げている。


「いや、だってさ。どう考えてもこの森の状況はおかしいんだろ? 俺が思いついたのは、間引きが行われた後に異常事態になったか、実は今回の実地訓練のゴブリン討伐って目的は嘘で別の隠された目的があるって感じだ」

「…………そうね」

「……うむ」


 順序立てて説明すれば、2人も俺の発言した意図を察したようだ。

 俺が思いついた2つの可能性のどちらかが真実だった場合、前者なら異常を伝えるためにピロシキ教官に報告すべきだ。

 後者だった場合は、本当の目的こそわからないものの異常を伝えるために教官の下へ戻るという選択は間違いとは言えない。

 具体的な異常の原因を調べるという選択肢もありはするが、俺たちは冒険者登録を終えたばかりの10級冒険者である。

 そんな俺たちが対処できる魔物など高がしれており、対処できない魔物が原因な可能性の方が圧倒的に高い。

 そうであるならば、初心者コースで教えられた『その1に反しない限り、生き残ることを最優先に考える』という冒険者の心得その2に従うべきである以上は、原因を調べるという選択肢は除外する方が望ましい。

 ちなみにその1は『冒険者は互いを助け、自分たちの力が及ぶ範囲の全力を持って依頼を遂行すべし』だ。

 意図を察した2人も俺の意見に反対はしないようで、俺たちは先ほど以上に周囲を警戒しつつ来た道を戻る。

 森の外へ向かうにつれて木々の間隔が徐々に広まり、視界がだんだんと広がっていく。


「!?」

「っ!」

「?」


 もう少しで森の外へ出るというところで、俺たちはそれに気がついた。

 微かに揺れる地面、魔物の咆哮。

 慌てて振り返っても、後ろに異常は見られない。

 そうであるなら、これは森の外から伝わってきたと言うことになる。

 デンさんと俺、リングの3人は即座にしゃがんで草藪の影に隠れる。

 状況が理解できていない様子のフィアはデンさんが頭を掴んで無理矢理にしゃがみ込ませていた。

 口元に人差し指を当てたリングに頷いて返し、俺たちは音を立てないようにゆっくりと森の外をうかがう。

 と、その時だ。

 一際大きな振動が響く。

 俺たちが目にしたのは、巨大なオークが振り下ろした金棒によって無残に圧殺されるピロシキ教官の姿だった。

 地面が陥没する瞬間、赤い花が咲いたかのような光景は現実感がまるでなく、状況を理解することが出来なかった。

 状況を理解できたのは、はじけ飛んだ腕が俺たちの目の前にボトリと音を立てて落ちてきた時になってからだ。

 人の腕だけが飛んでくるなんて普通に生きていて経験することがあるか?

 冒険者ならありえないとは言えないかもしれない。

 だが、俺たちは冒険者になったばかりで、経験値は一般人と大差ないんだ。


「き、キャヤァァァァッ!!!」


 だから、悲鳴を上げてしまったことは責められない。

 最悪の状況だが、責めることはできない。

 悲鳴を聞いた巨大なオークが真紅の瞳でギョロリとこちらに目を向けてきたが、責めることは出来ないんだ。


ピロシキ退場。

最初からこいつを退場させることは決まっていた。


ただ、予定がまたまた変わって、見せ場もなくかなりあっさりと退場することになってしまった。

本当は、今回は一方その頃なんですが? ???編で出た???が登場して主人公と出会う予定で、危険人物だと察したピロシキが時間を稼ぐ! というところで終わらせる予定だったんですがねぇ……


最低でも1ヶ月は毎日更新を続けようと思っていますが、状況は芳しくないです。

毎日更新が途切れたごめんくさい。

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