表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

36/57

楽しい遠足開始なんですが?

予告通り短め

35

 訓練9日目。

 今日から1泊2日での討伐と野営の訓練だ。

 討伐目標も前回と同じゴブリンである。

 1回目の討伐訓練でゴブリンに苦戦した人間がいた場合は、反省点を踏まえて確実にゴブリンを討伐できるようになる再試験みたいな色合いも強くなるらしい。

 まぁ、俺たちの場合は幸いなことに苦戦した人間もいなかったので、野営を経験するのが主な目的となる。

 今回は前回と違って、通常の依頼を受けた想定での訓練なので、集合場所がギルドではなく門の近くだ。

 いつもなら誰よりも早く集合場所に行くのだが、どういうわけか今日は皆が早く集まっていた。

 俺が最後だな。


「なんでアンタ騎士に連れて来られてるわけ?」

「ヨータさんは貴族様なんですかぁ?」


 これまではギルドの少し前で護衛の騎士さんとは別れていたし、他の面子の誰よりも早くギルドに来ていたおかげで、俺が城との行き来に騎士さんの護衛があることは見られていなかった。

 そうだったんだが、とうとう見られてしまったな。

 正直説明が面倒なんだけど、何て言おうか?


「そいつの身元保証人は王家なんだよ。他国の要人らしいぞ」


 どう言うべきか考えていたら、ピロシキ教官があっさりとバラしてくれやがった。

 フィアとリングが驚きに目を丸くしている。

 もう表情だけでどういうことだと問いた気なのが丸わかりだ。


「いや、ちょっと事情があって世話になってるだけで、俺自身は一般人だよ」


 そんな俺の言葉に、リングの表情がなおさら疑わしいものを見るような複雑なものになる。

 一般人が国の後見を受けて要人として扱われるなんてよほどの理由だと分かっているのだろう。

 だが、それを聞くわけにはいかないので、もどかしいのだろう。

 マナーの側面が強い話ではあるが、冒険者は過去や依頼とは関係のない事を詮索するような行為は禁止である。

 だからこそ、誰もデンが初心者とは到底呼べないような年齢なのに冒険者になろうとしたのか確認しようとしないのだ。

 それは今の俺がそうなように、誰にでも聞かれたくないことがある。

 冒険者には依頼を成功させるプロフェッショナルとしての矜持を持ち、実際に依頼を成功させれば、過去に何があったのかなんて関係がないのが理由だ。

 まぁ、俺の場合は聞かれたくない過去って言うか、説明するのが面倒な過去ってだけだが……


「ヨータの過去が気になるなら、夜にいくらでも聞け。全員集まったし、さっさと行くぞ。ついてこれないやつは置いてくからな」


 おいこら教官!

 冒険者としてのマナーや常識を教えるべき人間が、マナー違反を推奨するな!

 って、おい! マジで置いていこうとするなよ!

 文句を言う暇もなくさっさと門を出て行ったピロシキ教官を追いかけて、俺たちも慌てて門を出る。

 前回も危なげなく戦えたゴブリンが討伐目標なだけあって、門を出た俺たちに緊張や気負いなんてものはない。

 油断はしないよう意識しているが、リラックスしてただの楽しい遠足みたいな雰囲気の中、俺たちは目的地の森へと歩き出す。

 この時の俺は、全員で揃って王都に戻れないなんて少しも思っていなかった。


目指せ1日30話! バースデー特別投稿企画は内容が変更されました。

実際問題、思いついたのが3日前だとさすがにストック30話作るのは厳しかったです。

そもそも、時間があんまり取れなかった。

そんなわけで、明日の投稿は3話となります。

10分の1はさすがに空しいので、今月中に3話投稿を後9回実施する予定です。

明日の投稿は、0時12時18時ですので、まとめて読みたい方は18時以降に読むのがおすすめです。


ちなみに、こっから先は主人公視点に戻ったら1章ラストまでノンストップ予定ですので、その前に途中で入れられない他者視点の話が少し続きます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ