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光陰矢の如しなんですが? 7~8日目

一応特別更新を目指して書きため中

現在特別更新用の書きためは2話。

残り28話とか無理ゲーじゃないですか?

34

 訓練7日目。

 今日は座学もなしで、最初から王都の外へ遠足だ。

 いや、実際は遠足なんて軽いものではなく、ゴブリン討伐の実地訓練なんだけどさ……

 行き先は、王都の近くにある森だ。

 初心者コースで毎回使われている森で、参加者がいない週にはギルドの依頼で10級や9級の冒険者が間引いているおかげで安全性がかなり高いらしい。

 そんな森に到着して最初に行うのは、ピロシキ教官のお手本でゴブリンの動きを観察することだ。

 この世界に来て初日の夜にゴブリンとは戦ったことがあるが、その時は板垣さんの物量で押しつぶすだけだったので、自分で剣を取って戦うのは初めてだ。

 元の世界では、格闘技どころか運動部に所属したこともない。

 体育の授業以外ではまともに運動もしないインドア派だっただけに、自分でゴブリンと戦うのは緊張する。

 今の自分の実力で本当にゴブリンを倒せるんだろうか?

 そう思っていたけれど、実際にゴブリンの動きを見て拍子抜けしてしまった。

 油断でもするか不意を打たれでもしない限り怪我もしなさそうだ。

 これは油断ではなく、実際に動きを見て感じた正直な感想だ。

 全体的に遅い。

 動きは単調で、初動が丸わかりなのも相俟って次の動きが手に取るように分かる。

 ほっと安堵に胸をなで下ろすと、フィアやリングは緊張が解けていないようだった。

 どうしたんだろうか? と心配していたら、意外とゴブリンの動きが読めなくて勝てるか不安になったらしい。

 その言葉に内心で驚いてしまったが、俺やデンのように近距離で戦う人間と違って2人は弓と魔法が武器だ。

 剣を使わないだけに、自分の知識から動きの予測が立てられないのだろう……まぁ、ゴブリンが持ってるのは太めの木の棒だけど。

 などと思っていたら、ピロシキ教官が戦ったのは、ゴブリンではなくゴブリンの2つ上位個体であるゴブリンウォリアーだったらしい。

 危険度は二つ星の上位で、依頼なら8級冒険者以上でないと討伐依頼を受けられないらしい。

 あれぇ?

 安全性が高くて、普段は10級や9級に依頼が出されるのに、入ったばかりの場所で8級相当の敵が出るの?

 滅多にないが、2つ上位個体ならありえないわけではない。

 そうピロシキに説得されたが、どうにも納得できない。

 しかし、俺の内心など関係なしに時間は過ぎる。

 正午を過ぎた頃には、全員がピロシキ教官指導の下、ゴブリンの討伐を終え王都への帰路についた。

 ゴブリンは正直弱かった。

 ゴブリンウォーリア―すら弱そうだったのに、それよりもさらに格下なのだからまぁ、当然だろう。

 あまりにもあっさりと倒したものだから、ピロシキ教官だけでなく皆が目を丸くしていたくらいだ。

 何というか、身体が軽すぎて違和感を感じるぐらいよく動ける。

 今なら、基礎トレでデンの記録も超えられそうな気がするぐらいだ。

 俺以外の皆もゴブリンを苦もなく倒していた。

 緊張していたフィアとリングも、普通のゴブリンの動きを確認してからは緊張が解けてギルドで訓練していた時と同じように動けていたしな。

 王都に着いたら真っ直ぐギルドに戻る。

 結果の報告を終えたら、今日は解散の運びとなった。

 明日は、今日の反省と今日ゴブリンと戦ったことで自分に何が足りなくて、どんな訓練に力を入れるべきかを考えるらしい。

 正直なところ、反省も何もないと思ったが、ピロシキ教官も同感らしい。

 今回初心者コースに参加した人間は当りの部類で、普段はこうもあっさりとゴブリンを倒せないんだそうだ。

 なので、明日も半日はトレーニングで、残りは休みになるらしい。

 9日目と10日目は泊まりで森に入るので、8日目の午後が休みになるのは予定通りらしいが、こうも安心して休みに出来るのはラッキーだとピロシキ教官は笑っていた。

 ゴブリンに苦戦する人間がいると教官は、どうやって被害が出ないように最後の訓練を終えられるか計画を立てるのが大変らしい。

 ギルドでみんなと別れ、城に戻ったら武蔵に今日のことを聞かれたので、正直な感想を話したら武蔵がにっこりと笑みを浮かべた。

 そのまま武蔵とも別れ、どちらにしようか迷ったが、おとなしく練兵場に向かうと案の定、気がつくと朝になっていた。

 驚きなのは、俺の周りに大量のゴブリンの死体が散乱していたことだ。

 しかもただのゴブリンじゃない。

 ゴブリンソルジャーが32体とゴブリンウォーリア―が18体、さらにその上位個体であるゴブリンナイトが5体にその上のゴブリンジェネラルが1体。

 練兵場は王都の中にある――それどころか、城のすぐ側なのだ。

 これは大変なことではないかと練兵場の近くに居た兵士さんに声をかけたが、気にしてはいけない、とものすごく深刻な顔つきで言われてしまい頷くことしか出来なかった。

 この国には俺の知らない闇があるのかもしれない……


 訓練8日目。

 予定通り、座学はなしで午前中からトレーニングを行った。

 いつも通りに剣を振り、時折ピロシキ教官から指導を受ける。

 ピロシキ教官がどうにも俺を見て首を傾げるのが、謎だ。

 いや、自分でも分かってる。

 なんで俺こんなに上達してんの?

 武器を持った初日、試しに巻き藁みたいなものに斬りかかったが、両断するどころか半分も切り込みが入らなかった。

 と言うか、表面を少し斬っただけで全然刃が入っていかないのだ。

 それが今では、鼻歌交じりに両断できる。

 武器なんてものを持ってから元の世界での1週間も経っていないのに……

 あぁ、そう言えば基礎トレでとうとうデンにも勝ってしまった。

 まともに運動もしたことなかったのにわずか8日で歴戦の戦士みたいな見た目のデンに勝てるとか……

 実は俺って運動の才能があったんだろうか?

 いや、それはないか……

 毎日でもないし、体育の授業レベルでしかないけど日常的に運動はしていた。

 それなのに俺はこんな急成長をしたことがない。

 初心者コースの訓練だって、運動をまともにしていなかった俺にはちょっとキツいけど、運動部の連中が話している休日の練習レベルでしかないだろう。

 たったそれだけでこんなに劇的な変化をするわけがない。

 異世界に来た勇者効果で成長に補正がかかってるんだろうか?

 そっちの方がありえそうだな……

 疑問は置いておき、訓練を続けた。

 最後に軽くデンと試合をしたらけっこういい勝負が出来たので、嬉しかった。

 デンはピロシキ教官からほとんど指導を受ける必要がないくらいには強い。

 まぁ、影の採点官(仮)としては当然かな?

 とりあえず、明日からの泊まりで必要な物はギルドが用意してくれるそうなので、買い出しをする必要もない。

 今日はゆっくりと休もう。

 そう思っていたのに、予想はしていたけど起きたら練兵場にいた。

 ゴブリンの死体がないのだけが救いだな。


宣言しておきます。

明日の更新は超短め(1000文字くらい)です

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