目覚めたら知らない天井を見上げていたんですが?
ちょいシリアスというか、主人公がホームシックになる回。
嫌いな人は読まなくても(たぶん)大丈夫。
25
目が覚めた。
ぼんやりとした目に入ってくる光景は見覚えのない天井で埋め尽くされている。
どうやら俺はベッドの中にいるようだ。
ベッドで横になっているのだから今まで俺は寝ていたのだろう。
しかし、俺は自分がベッドに入って眠った記憶なんてない。
これはまたどういう状況なんだろうか?
思い出せる最後の記憶は――
「……たしか、王様と話したんだよな?」
身体を起こしながらベッドの中でそう呟く。
今までのことが、夢だったって事はないだろう。
少なくとも、この部屋はお城の客間としか思えない内装だ。
断じて俺の部屋だったり、学校の保健室なんてことはない。
ベッドめっちゃふかふかだなぁ……なんて、現実逃避的な思考が頭をよぎる。
カクトー王国で与えられた部屋とは内装も部屋の広さも段違いなので、ここはドリンコ王国なのだろう。
「で……なんで俺はこんなところに?」
そもそもいつの間に?
最後の記憶を辿れば、王様にこの場では協力すると断言できないと言われ、そのフォローをインテリさんにされたところで途切れている。
まさか気絶したのか?
まぁ、気絶したんだろうな。
気絶したんだと思うが、気絶したのなんて生まれて初めての経験なので、断言できない。
しかし、昨日からずっと今までに経験したことのないほどハードなことが連続したので、緊張の糸が切れたことで気絶したんだとすれば納得は出来る。
「さて……どうすればいいんだ?」
気絶から目覚めた時にどうすればいいのかなんてまったくわからない。
誰かを呼ぼうにも、ホテルの部屋にあるような電話もなければ携帯で連絡を取れるような相手もいない。
部屋の中を見回してみたが、武蔵の姿は見当たらなかった。
どうしたものか……
下手にこの部屋から出たら迷子になる自信しかないので、部屋を出るという選択は自然と除外されていた。
しかし、部屋の中に誰もいないのなら外に人を探す他ないのも事実だ。
「すんませ~ん。誰かいませんか?」
とりあえず扉を開けて、頭だけ廊下に出しながら叫んでみるものの反応はない。
気絶していたんだし、誰か1人くらい状況説明してくれる人とか待機させてくれればいいのに……
まぁ、かなり上等な部屋を与えられたみたいだし、粗雑に扱われているわけではないんだろうけど……
頭を引っ込めてから部屋の中を当てもなく歩きつつ、どうしたものかと頭をひねる。
部屋を出て迷子になって迷惑をかけるのは、よろしくないだろう。
では、誰かが来るまで待つべきか?
しかし、どれくらいで人が来るのか見当もつかない。
窓から見える外の景色は夜の帳が落ちているようで真っ暗だ。
もしかしたらみんな眠ってしまっているのかもしれない。
そうなれば朝まで誰も来ないのではないだろうか?
そうなってくると問題となるのが――
「腹減ってんだよなぁ……」
よくよく考えてみれば、昨日の夜から何も食べていないのだ。
しかも、昨日の夜食べたものは、今朝方武蔵のせいで王都の前にすべて嘔吐してしまったので胃の中はは完全に空っぽなのである。
俺も健康的な男子高校生なので、そんな状況で我慢できるほどおとなしい食欲をしていないのだ。
「朝まで耐えられる自信がない……」
自宅ならば、夜中空腹になっても冷蔵庫を開ければ何かが入っていた。
冷凍食品や夕飯の残りやら、次の日の弁当に入れるためのおかずとか……
気づいたら涙が頬を伝っていた。
母親の手料理はしばらく食べられない。
もしかしたらもう二度と食べられないかもしれない。
1人になって空腹を自覚したら、そんな恐怖と悲しみが止まらなくなってしまった。
ベッドの横に蹲り、嗚咽を漏らす。
「なんで……何で俺が……」
武蔵を召喚できなければ、昨日のオーガに襲われた時に死んでいただろう。
この世界は、元の世界にいた時とは比べものにならないぐらい命の危険に溢れているのだ。
武蔵が俺を守ってくれると言っても、今まで出会った相手には勝てるようだがこれからもそうだという保証はない。
この世界には、武蔵以上に強い相手がいる可能性だってあるし、武蔵がなかなかやると評価する人間がすでに2人もいる。
それに武蔵は大久保さんと違って自意識があるから、言っていた通り、何か自分の目的が出来たらいなくなってしまうかもしれない。
そうなれば、この世界で俺は1人きりだ。
そうなったからと言って、クラスメイトのことなど知らない振りをして生きていけるほど俺の神経は太くない。
元の世界に帰るためにはあの屑姫の協力だって必要になる。
全部俺がやらなくちゃいけない。
ただの高校生の俺が、大人にもなってない俺が、全部やらなくちゃいけない。
不安で心が押しつぶされそうだ。
涙がとめどなく溢れてくる。
「大丈夫よ……今は泣きなさい」
いつの間にか側にいた武蔵が、俺の背中を撫でながらそう言った。
「泣きなさい。泣きたいだけ泣いて、泣いたら強くなりなさい。男の子なんだから」
不安に押しつぶされそうだった心に染みこんでくるような言葉だった。
涙は止まらない。
声もまともに出せない。
だけど俺は、涙を流しながらも武藏の言葉に頷いた。
あ、昨日はすいませんでした。
おかげで、ランキング1055位になりましたよ。
2つのゲームでイベントの終了日が重なるのは勘弁して欲しいですね。
あと、なぜか昨日急にPVが増えて、1日2話更新とかしてた日も越えました。
PVが増えたのにブクマと評価が増えないのは何ででしょうね?
あ、つまらないからか……と、自虐でテンションダウンしないようにみなさんどうぞブクマと評価をよろしくお願いします |ω・`)チラ




