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12派閥を作り隊

「あのクズがまた動きを見せている、協力して欲しい。P.S.やっぱり那由他洗脳されていたっと…」


リリンにメールを打った。すぐに「いいけど、どうする?」と帰って来た。うーん…


「派閥作るべきかな…」


今回の生物兵器はたぶん青薔薇の生徒が絡んでいる。クズの派閥の中に何人か普通科の学生が生物について詳しかったし、その子達が脅迫されて無理矢理作らされたのかもしれない。これ以上クズの派閥の人数を増やされて、後々ちょっかい出されたら迷惑だしな…あのクズの派閥の人数を増やさない為にこっちも派閥を作って向こうに行く人数を減らさないと。その為には人数の多い派閥を作らないといけないけど、花宮さんに申し訳ない気がする。…もう直接リリンに電話しよう。


「ふーん…なんとか香織を説得して派閥を作る?」

「やっぱりそうなるかな…できれば花宮さんリーダーになって欲しいけど。」

「…香織が?」

「私達どっちも目立ちたくないし、どちらかの下につく気もないでしょ?」

「いや、そうだけど…香織がリーダーでいいの?」

「他に適任者いる?」

「…ないね。」

「じゃあそういう事で。明日合わせてね。」

「わかったよ。じゃあこれで。」


まず神崎さん、朝比奈さん、花宮さん、リリンを仲間に取り入れよう。花宮さんをリーダーにしたら…扇動しやすそうだしな。


「花宮さん、私達その後少し考えたんですけど、やっぱり派閥を作りたいと思うんです。」

「本当ですか!では、三人だけで派閥を…」

「私達はなるべく友達を沢山作りたいんだ、だから三人だけじゃなくて、色んな人を迎え入れたいな。」

「そ…そうなんですか?」

「うん。花宮さんが興味なかったら別に参加しなくてもいいんですけど…」

「も!勿論参加しますわ!でも、誰がリーダーなの?」


リリンと一緒に無言で花宮さんを指差した。


「え?私?」


コクコク


「えっと…チーム名とか趣旨とかあります?」


そこまでは考えてなかった…リリンと向き合って目を合わせて少し考えた後、花宮さんに言った。


「私達は派閥に人が集まればいいので、その辺は花宮さんが決めていいですよ。」

「では、青薔薇組でどうでしょうか?変に凝った名前でも個人の感性がついて行けなかったら困りますし。」


組…か…ヤクザみたいだな。まぁ確かに凝り過ぎた名前だと困るし…その面では有難いな。


「いい考えだね。」

「素敵な名前ですね。」

「そ、そうかしら?…じゃあ次は趣旨ね。困った事があったら皆で助け合うって言うのはどうかしら?」

「単純で分かり易いし、それでいいんじゃないかな。」

「私もいいと思いますけど、花宮さんは私達を誘って派閥を作ろうとした時、もっと別の考えや目的があったのではないですか?」

「少し前まで私は二人以外の人間を同等だと認められませんでした。でも昨日二人一組のくじ引きで私のパートナーになった方は私が思っていた以上に人としてのレベルが高かったんです。だから偏見を持たずに皆と接する事も大事だと考えを改めました。」

「そうなんだ。じゃあその人も早速派閥に引き抜いちゃう?」

「えぇ。聞いてみますわ。」

「私達も何人か知り合いに声を掛けるよ。香織もできる限り人を集めてね。」

「わかりましたわ。あ、一つ言い忘れてたわ。」

「何?」

「二人を副団長として任命するわ。派閥を作ると言い出した人にただの団員をやらせる訳にはいかないもの。」

「「…」」


…背に腹は代えられないし、ある程度覚悟していたけど…まぁ少し目立っても仕方ないか。


「…という訳で神崎さん。参加お願いできますか?」

「…いいだろう。友の頼みであればその組織に入ろう。」

「ありがとうございます。」

「愛お姉さーん!」

「え?」

「こんな所にいたんですね!愛お姉さん!」

「えっと…」


誰?


「先日バス停付近で助けてくれたじゃないですか!」

「…あぁ。」


ここ数日色々あり過ぎて忘れていたな。


「私昨日アイドルとして青薔薇に転校してきたんです!」

「へぇ。あの、ちなみに何で私の名前知ってるの?」

「だって!だって愛お姉さんはシャイラの王子様なんだもん!」


どこからつっこもうか…


「あなたの名前はシャイラって言うの?」

「はい!」

「そうなんだ…舞愛です。よろしくね、シャイラさん。後…一応私は女性だからね?」

「知ってます!でもキラキラしてかっこいいので愛お姉さんはシャイラの王子様です!」

「…」


王子ってなんだっけ?


「後、シャイラさんじゃなくてシャイラって呼んでください!」

「じゃあ…シャイラ、私に何か用があるのですか?」

「はい!愛お姉さんが派閥を作ると聞いて来ました!私にも参加させてください!」

「本当?じゃあお願いしていいですか?」

「はい!任せてください!人が多い方がいいんですよね?」

「うん。」

「じゃあ参加してくれそうな人を集めて来ますね!」

「え?」

「行ってきます!」


どう返すか考える前にシャイラは走り去った。


「よかったではないか。」

「まぁ…できれば私の名前をあまりあちこちで言い触らさないで欲しいんだけどな…」

「すまんが私は常に自己鍛錬を重ねていて…誘える程親しい者は学校には存在しないんだ。」

「気にしなくていいですよ。神崎さんが参加してくれるだけでも有難いので。」


その時メールの着信が鳴った。来週水曜日青薔薇組集合か。


「一応連絡用のグループを立てておいたよ。もう何人か聞いてみるから参加してくださいね。」

「わかった。」


朝比奈さんの所とあの人達の所に行こう。


「済みません…愛さん…」

「あれ?もう他の派閥に参加していたの?」

「いえ、出来れば私は裏方の仕事に回りたいので。それに、組織に属さなければ得られる情報も変わってくると思うんです。」

「えっと…スパイにでもなるつもり?」

「愛さんは邪神ですよね?」

「え…」

「私は邪神の信者でもあり、愛さんのファンでもあるんです。今回は邪神の信者としてお願いします。あなたの命令は何でも聞くのでどうか私に邪神の加護をください。」

「…」


話が唐突過ぎて若干ついて行けなかったけど…記憶上初めて自分の信者に会った。うん、邪神にも信者っているんだ。


「一応聞くけど、私の…邪神の信者になったのは何時からなんですか?」

「七歳辺りから興味を持っていました。当時はまだ信じていませんでしたが、宗教の成り立ちや教えに興味を惹かれて、邪神が愛さんの体に宿った瞬間を見たあの日から、ずっと信者として生きてきました!」

「…何時から私のストーカーやってたの?」

「いえ…私は愛さんのファンではあったんですけど、愛さんと邪神が同一人物だなんて思いませんでしたから…カイに洗脳を受けて、真近で愛さんを見た時に同一人物だと気付いたんです。だから…ストーカーをしたのは洗脳されたその時だけです。」

「そうなんだ、一応邪神についてと儀式で見た事については秘密にしておいてくださいね。」

「勿論です。」

「その場面にいたって事は朝比奈さんも裏社会をある程度見て来たんじゃないかな?」

「はい。」

「じゃあ色々裏方の仕事を頼んじゃおうかな?」

「任せてください!」

「信者に加護を使うのは初めてだと思うけど、試してみるね。」

「はい!」


私は目の前に跪いた朝比奈さんの身体の周りから黒い気を取り除いた。


「終わったよ。一か月後またやるからね。」

「はい!ありがとうございます!」

「じゃあ、早速お願いできるかな?」


朝比奈さんにお願いをした後、普通科のビルにいる他の子達にも会いに行った。


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