8.出来る猫リンネ
ショーの途中からもうマジック関係なく直接リリンを切ろうか悩んでいたけど、まさか普通科のビルの方から人が降って来るとは…リリンも私も驚いたけど普通に解決出来てよかった。お陰で怒りややる気などが吹き飛び、リリンと共にステージを終わらせる事ができた。これ以上続けても知らない女の子を混ぜてどショーを続けるかわかんないしね。
「ステージから観客席見て知ったけどまさか那由他まで来ているとはね。」
「今朝家に来ていたから帰って来た事は知っていたけど、まさか赤薔薇の生徒だった上にここに来るメンバーに加えられているなんて考えてなかったね。」
「さっきの子が本当に事故に巻き込まれて落ちたのは一部の観客は気付いていたみたいだけど、何も言わないでくれてよかったよ。」
「ほんと…特にあんたが言っていたあの小柄の男の子、本当に色々分かっていそうだよね…あんたもあいつを気にしてあまりショーに集中していなかったでしょ?」
「う…でも…なんかこう…つい目が行っちゃうんだよ…」
「…」
ジト目で見られた…いや、まぁ私が悪いんだけどさ…
「ウサギのお姉さんみーつけた!」
「わ!」
いつの間に…えっと…話しちゃ駄目なんだよね?リリンを見たら普通に笑顔のままだ。
「あ!そっちのお姉さんはさっきウサギのお姉さんと一緒にいたよね?二人共初めまして!俺の名前は白河音銀糸!赤薔薇の高校一年生なんだ!」
私の能力で今の言葉を嘘だと判断した。はて、何が嘘なのか…あれ?…
「ねぇ…本当に初めましてで合ってるの?何か白河音さんとは前どこかで会ってなかった?」
「…本当に俺の事忘れてるんだね…」
「え?…」
「何年も一緒に遊んでくれていたのに!何で忘れちゃうんだよ!」
「ちょ…ちょっと待って!今思い出すから!」
「まぁ、噓だけどね。俺達は初対面だよ。」
「え…」
何年も一緒に遊んだと言った時は嘘じゃないと判断して、嘘だと言った時に嘘だと判断した…つまり、本当に知り合いだったのか。
「ごめんね?今記憶喪失というか記憶が抜け落ちちゃって…」
「うん、聞いたよ。でも信じられなかったから試してみたんだ…最初に知らない人の振りして様子を見ていたの。本当に記憶喪失なんだね…」
「えっと…早く白河音さんの事を思い出せるように頑張るから…」
「うわーん!愛に忘れられたー!」
「…」
びっくりする程の嘘泣きだ。思いっ切り泣きわめいているのに全然感情が籠ってない…呆れながらも一応涙はハンカチで拭いてあげた。
「うん。愛はやっぱり優しいね。」
ケロっと戻った。うん、戻るのも早いんだね。
「さっきのが嘘泣きなのはわかるけど白河音さんは笑顔の方が似合っていると思うな。」
「ねぇ…」
「え?なに?」
白河音さんは笑顔から一変して真顔になった。少し驚いた。
「その白河音さんって呼び方やめてくれない?」
「あ…嫌ならどう呼んだ方がいいかな?」
「愛が決めていいよ。」
「へ?」
「だから、愛が決めていいよ。」
「えっと…じゃあ…」
「銀糸ー!貴様が次のショーの主役だろうが!それにまた舞さんと話して…うらやまけしからん!」
「また玄貴だよ…じゃあまたね、愛、俺は逃げるから!ちゃんと呼び方考えといてね。」
「え?わ、わかった…」
玄貴と目が合った、玄貴さんと私達は同時に礼をした後玄貴さんは急いで白河音さんを追いかけて行った。少し経ったら学校に連れて来たリンネとその配下がやって来た。
「あ、リンネ。ステージの片付け終わったんだ、ありがとう。」
リンネは重々しく一礼した後配下を連れて家まで帰って行った。リンネはボス猫で家の付近の猫を配下に置いていて、人手が足りない時は配下を連れて手伝ってくれる。何故かわからないけど他の動物の言葉も通じるみたいなので、リリンに伝達を任された鳥の言葉もわかる。謎に包まれたスーパーキャットだ。
「…なぁ、今の何?」
「あれ?那由他、あんた男子と女子は話しちゃ駄目って聞いてなかったの?」
「いや…お前白河音さんと話していただろ?」
「うん、そうだね。どうして知ってんの?」
「本人から聞いた。」
「あ、そう。」
「もしかしてリンネ達を追いかけて来たの?」
「まぁな、あんな大量の猫が突然現れてステージの片付けやカーテンを戻した後に軍をなしてどこに行くのか気になったんだ。」
「…もしかして那由他って猫好き?」
「なっ…!そんな訳…」
「図星みたいだね。」
「かわいい趣味だね。」
「う…とにかく!先生がお前達を探していたぞ!じゃあな!」
「「お気を付けてー。」」
二人で笑顔で顔真っ赤の那由他を送り出した。今度リンネに合わせてやろう。




