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動乱裏話 序章 終わりは1つの始まりを告げる

 みなさん、おはようございます、こんにちは、こんばんは、お疲れさまです。

[拷問]


 対象者の自由と権利を奪った状態で、肉体的叉は精神的に苦痛を与え続ける事により、拷問官の要求に従わせる行為。


 対象者に拷問を加えて、対象者が持つ情報の自白を強要させる事に主に使われる。


 日本国憲法では、捜査機関によるいかなる逮捕後も、拷問で容疑者が自白した場合は、法廷では証拠として認められない。


 平和憲法と称される日本国憲法でも、拷問は絶対に禁ずると書かれており、戦争放棄よりも優先されるような記述がなされている。


 しかし、戦後から現代にいたるまで、捜査機関による容疑者叉は関係者への拷問を行ったという噂は後を絶たない。


 これは日本だけでなく、国際社会でも拷問を違法としているが、度々、各国の司法機関、情報機関、法執行機関の捜査官による拷問が行われたという事がメディア等を通じて、報告されている。


 だが、大日本帝国やほとんどの国では拷問は合法であり、大日本帝国以外の国でも行われていた。





 大日本帝国中国地方の某特別高等警察地下施設。


 山陰地方で発生した地震災害の後、革命の宣言をした革命軍は菊水総隊陸上自衛隊と陽炎団の実力行使により、鎮圧された。


 しかし、それですべてが終わりでは無い。


 この混乱を悪用する者は、この世に大勢いる。


 地下施設に、陽炎団国家治安維持局の捜査官である笹川こと宮島(みやじま)(かつ)(よし)警部、新谷こと森樹(もりいつき)巡査部長、花木こと荻宮(おぎみや)佳織(かおり)巡査部長の3人が姿を見せた。


「一足遅かったな。先客が待っているぞ」


 特高警察の警部補が、厳つい顔に似合わない柔らかな表情で出迎えた。


「それは、どういう意味だ?」


 宮島が、首を傾げる。


 森と荻宮が、顔を見合わせる。


「待っていたぞ。警察の秘密捜査機関は、随分と忙しいのだな」


 髭を生やした50代ぐらいの中年の男が、声をかけた。


「貴方は・・・」


「笹川君。今回の事件は、我々も捜査と調査を行う。統合大臣から直接の命令を受けている。保安局長官からの指示で、合同捜査を行うそうだ」


 灰色の背広を着た男は、そう言った。


 彼の所属は、統合省に設置されている統合大臣に直接報告する権限を有する、統合省特別情報部である。


 元の時代でいうなら、内閣情報調査室に類する組織だが、大きく異なる。


 アメリカ合衆国連邦捜査局と中央情報局に相当し、武器の携帯が許可されている。


 統合省特別情報部は、特別管理統括課の下部組織に特別情報室、特別調査室、特別捜査室があり、特別情報部長直轄に特殊部隊が存在するという噂だ。


 定員は統合省外定員扱いであり、宮島自身も聞かされていないが、内閣特別調査局(内閣特別調査室を拡大した)の定員を考えれば、300人もいないだろう。


「笹川さん。この方は?」


 荻宮が、質問する。


「これは失礼した。花木君」


 統合省特別情報部の中年男が、口を開いた。


「私は統合省特別情報部特別管理統括課の上級統括官の渡邉修六(わたなべおさむ)です。新谷君と花木君の活躍は私の耳にも届いているよ」


「渡邉統括官。貴方がたがここにいるという事は、かなり面倒な事態になっているという事ですか?」


 宮島が質問するが、渡邉は何も答えなかった。


「言っておくが、我々は必要最低限の情報を君たちに与えるが、それまでだ。君たちも、私たちに情報開示は不要だ」


「そうでしょうね」


 統合省特別情報部は、基本的に他組織から情報は貰わないのが鉄則だ。


 いかなる情報も自分たちで入手する、それが彼らだ。

 動乱裏話 序章をお読みいただきありがとうございます。

 誤字脱字があったと思いますが、ご了承ください。

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