7:戦闘してみよう
累計ユニークPV3000を超えていたみたいです。
多くの方に、手に取っていただきありがとうございます。
設定も文章も拙いところばかりですが、精進します。
3話~6話まで修正・加筆しております。
設定変更
召喚術→Lv1のスキルで召喚できる種族値Ⅳまで。
精霊術のデメリット、言葉の変更。
フェーリのステータス Agiの値だけ下がってます。
『アイリスの名前の由来』→風と自由にちなんで、背景描写を持ってくると長くなってしまう為、ミアが好きな花の名前へ(もっというと花言葉)と変更。
アイリス:花言葉→希望.信じる心etc...
……それから少しの間、私はフェーリとアイリスと戯れていた。
≪精霊術≫を使って減ったMPが回復するのを、待つために――【MP欠乏】の状態異常は、≪精霊術≫を行使する前にMPポーションを使用したことで回復しているが、アイリスを召喚したデメリットで1/2にカットされているMP値を見て、すぐに回復するかな……と思ったから。
MP回復には、それから10分ほどの時間を要した。その間、私が地面に座っていたせいか、フェーリは膝の上で丸くなっており……アイリスは丸くなったフェーリの頭の上で羽を休ませていた。
その様子を見て、なんだか急にちっちゃな妹たちができてみたい……と私はフェーリの体を撫でるのだった。
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……MPが全快し、動けるようになった私は、立ち上がって周囲を見渡す。周りの景色は、街から少し遠くに離れた為か、少し木々が辺りに生えわたっており、少しだけ私の視界を邪魔していた。
こんなところに居て、もし後ろをモンスターに囲まれていたらすごく不利だっただろう……
それだけに、休んでいる間モンスターがでなくてよかった。そう感じられずにはいられなかった。
……それから、フェーリとアイリスに「行こっか」と声をかけて立ち上がる。
その様子を見た、フェーリとアイリスはゆっくりと顔を頷かせた。
(MPも回復したし、少し街に戻るまでに戦闘を挟んでみようかな……)
そう考え、フェーリとアイリスに声をかける
「2人とも、少し戦闘しながら街に戻るけど……大丈夫?」
その言葉を聞いたフェーリは耳をピコピコと動かし、アイリスは纏う雰囲気を変え静かにうなずいた。
「大丈夫そうだね……じゃぁ、ちょっと付き合ってね」2人にお願いするように、スキル≪気配察知≫を使い周囲のモンスターを探す。
Lv1のスキルというだけあって、信頼度は低く『そこなんかいそうだなぁ……』位の感覚が常に私に情報として送られてきていた。
実際見に行くと空振り……なんてこともあったが、それを何度も繰り返しては現れるモンスターを倒して回った……ほとんどはスライムだったため、木の棒で数回叩いたら倒せたから、アイリスとフェーリはほぼ見てるだけだったんだけどね……
それからしばらくすると、スライムとは全く雰囲気の違うモンスターを見つける。
――外見は、犬に近い……犬というには少々犬歯が発達しすぎているのだが……
(こんなときは≪鑑定≫だね)すかさずスキルを発動させる。
【異常なスナールドッグ】
『――何匹かの群れで移動する野犬。木々が生えている少し周囲の見渡しにくい場所などによく出現する。一匹に出会ったら四方を囲まれていないか確認した方がいい……』
そんな説明文と共に相手の頭上にHPゲージが浮かんでいる。どうやら≪鑑定≫の効果でHPが可視化されたようだった。
……成程、何匹か周りにいるってことね…っていうか【異常】ってなに……
そんなことを考えつつも『何匹かの群れで移動する』という事も気にかけ……周囲を確認する。だが、木々の後ろや間に隠れているのか、居るか居ないのかが全く分からない。
……≪気配察知≫は先ほどから使ってはいるもののやはり、何となくいるかなぁ?程度の物であった。
≪鑑定≫を行使したスナールドッグが吠える――すると、今までいるかな?と感じていた後方から2匹のスナールドッグが姿を現す。
≪鑑定≫
……こちらは普通のスナールドッグの様である。
(なんで、でてきたんだろう………)
……相手からしたらひ弱そうに見えたのだろうか。隠れる必要がないと思われたのだろうか。
どちらにせよ逃げられないよね……これは私ひとりじゃ絶対無理だね……そう考えながら、フェーリとアイリスを見ると2人ともジーっとスナールドッグの動向を見つめ、臨戦態勢に入っている様だった。
……それからどちらも、しばらくにらみ合ったまま動くことができずにいた。
しびれを切らした私は、フェーリに援護をアイリスに風属性の魔法で、後方にいるスナールドッグを迎撃するよう声を発し、木の棒を手に正面に見据えるスナールドッグへと突撃する。
2匹のスナールドッグは、その様子を見て、リーダーを助けるために、矛先を私に向けたようだ。
……一発で沈める!! と言わんばかりに、アイリスが気合を入れて、風の刃を飛ばす。
ログには『エアスライス』という文字が表示されている。ちなみに今の攻撃はただの風属性魔法だった為MPは5消費されている。。
その一撃がスナールドッグに命中――「ギャンッ」と声を響かせてスナールドッグは歩みを止める。
そこに、フェーリが走り込んでいき……狐火をスナールドッグの顔面へとお見舞いする。
2人の息の合ったプレイに1体のスナールドッグは消滅した……
が、もう一匹残っているスナールドッグは私へと迫りながら牙を剝く
その前に、目の前にいるスナールドッグを叩く!! と踏み込み、木の棒を振るおうとしたが、それよりも一足早く私の右足へと後ろから迫ってきたスナールドッグが喰らいついた。
『バクッ!!』
……何か得体のしれない異物が足へと入ってくる……その嫌な感触に耐えきれず、私は足をもつらし倒れ込む。
……ズサーッと勢いよく地面に転がる私……(ちょっとカッコ悪い)
そう思いながらも、どれぐらいダメージを受けたのか確認する。
【170/200】
……どうやら今の一撃で30のダメージをもらってしまったようだった。
その様子を見ていたアイリスはキッと目を吊り上げ、許さない!! とでも言うように、魔法を行使する。
≪精霊魔法:風≫『アローワインド』
矢の形をした鋭い風が、私へと噛み付いたスナールドッグへと、2発着弾する。
パシュッっと音が鳴り響いた後にスナールドッグは姿を残したまま崩れ落ちる。
――そして、その姿を散らした。
魔法『アローワインド』一発……いや正確には2発でスナールドッグを倒した事に――一瞬驚くが、画面の端に赤く点滅し私に残MP量を知らせる。
【5/25】 今の魔法を使うために、MPを15消費したこととなる。
……ちょっと燃費悪すぎでしょう……と思いながらも、素早く身を起こし、あと一体残っている異常なスナールドッグへと視線を向ける。。
――噛まれた足が徐々に熱を帯びてきておりジワジワと痛み出している……ような気がするが、その気持ちを振り払い、倒すために、木の棒を振る……が右足で踏み込む際、しっかりと踏み込めず、棒術の型が崩れる。
……それをひょいっと、避けたスナールドッグは、空振りをして隙だらけになっている私の喉元をめがけ牙を剝く!! あまりの迫力に、思わず恐怖を感じ目を瞑ってしまう。
(あっ……しまった)そう思った時にはもう遅い……
スナールドッグは私を地面へと押し倒し、喉を噛み千切ろうと口を開ける。
(さっきの足を噛んできたスナールドッグより重い……)
押し倒されてからも何とかもがき、スナールドッグの口元に木の棒を滑り込ませる。
……アイリスは今MPを消費してしまうと、私のMPが0になってしまい状態異常を誘発させてしまうのを恐れてか、手を出せずにいるようだ。
(……あれ?フェーリはどこへ)
術者である私がフェーリを見失ってしまっていた。
フェーリはどこ……助けてもらわないと……フェーリ……?? 少しだけ涙目になりながら周囲を必死に見渡すが、その姿は見当たらない。
……段々と力負けしはじめ、牙が喉に近づく――その度にゲームの中とはいえ、恐怖を覚え私は汗を流し始める。
……気づくと、私へと圧し掛かっているスナールドッグの上に数秒前まで見当たらなかったフェーリがのっかっている。
そして、スナールドッグの目めがけて前足を振り下ろす。
――≪爪術≫一閃
ログにはそう表示されている。
スナールドッグの目に向ってまっすぐ放たれた爪術はクリティカルダメージとなって、スナールドッグの目を潰す――目を潰されたスナールドッグは涎を撒き散らしながら、痛みの為か力を緩める。
「散々、好きにやってくれたね……逃がさないよ!! 絶対に!」
スナールドッグの足を払い、棒術を発動させる。
≪棒術≫円線棍
綺麗な真円を描くように、勢いよく棒を振るう。
――スキルを使った影響だろうか。周囲には、木の棒を振るった際に発生した光のエフェクトが残心のように残っていた。
――円線棍を受けたスナールドッグは、表示されていたHPバーを赤く染め消失する。
……何とか勝ったよ
スナールドッグが消失すると、脳内にファンファーレが鳴り響き、私のLvが上がる
『LvUP--Lv1→Lv3』
ステータス値が上昇しました……詳しくはステータス値を確認ください。
……ステータスPが4増えました。任意のステータスに割り振ってください。
(……Lvアップはうれしいけれども怖かったよぉ……)
このまま、死んじゃうかもしれない……
ゲームの中で死んでも生き返れるけど……実際に身に迫った死の恐怖から解放された私は
安堵感からなのか少しだけ涙をこぼしていた……
……しばらくすると落ち着いたが、私はまだ目に涙を浮かべていた。
その様子を見たアイリスは私の涙を小さな手で拭う。
『マ……スター……ゴメ……ン………………ネ……ワタ……シ……キガ……ドウ……テン……シチャ…………ッタ……』
……確かにアイリスは私にそう言った
精霊言語のおかげかな……?でも聞きずらいのは私の精霊言語のLvが低いからだね……
フェーリも心配そうに私の顔を舐めてくる。
その様子に……少しだけ申し訳ない気持ちになってきた。
「こんな私が術者でごめんね……もっと強くなるから許してね……」
そんな意味合いを持たせた言葉とともに、力強くフェーリとアイリスを抱きしめる。
……抱きしめたアイリスとフェーリはとっても暖かくて心地よく、私を安心させるのだった。
アイリス、フェーリ初戦闘!!
昔、初めてやったゲームで友達に初期から強いマップにつれていかれた恐怖を思い出し。
こんな感じだったのかなぁ…当時の私なんておもいました。
アイリスとは精霊言語があるため、一応意思疎通ができます。
フェーリとは今後の彼女の進展をお見守りください(




