2:待ち合わせ
できる限り更新していこうと思います。一日1話~2話できたら…と思っていますが隔日になる可能性もあります。一話あたり2500~3000以内でと考えていますが、こちらもお仕事の関係上.上下する可能性はありますのでご了承を。
キャラクリエイトが終わり、徐々に広がっていくし視界に映ったのは、夜空に大輪を咲かす花火と、『ようこそWFWへ』という光の文字だった。
……現実世界の夜にログインしたから夜なのかなぁ。
なんて一瞬考えるが、現実世界の1日で3日は日数が動く世界であるので、只の偶然であったと言える。
そして、その次に耳に飛び込んでくる花火の音や大勢の人の声に私はつい声を発してしまう。
「あぁっ……ここが、WFWの世界なんだ!!」
先ほどまで、確かに私がいた筈の現実世界からどこか一瞬にして、どこか別の世界に迷い込んでしまった……そんな錯覚を覚える。
……それからしばらく、光の文字と聴こえる喧騒……そして数百もの街灯で彩られる街並みを眺めていたが……ふと、友達との約束を思い出す。
『キャラクリエイトが終わったら、始まりの街の真ん中にある噴水の前で待ってて』と。
もっと、この場所を眺めていたい……感じていたい。
そう名残惜しい気持ちを胸に閉まったまま、私はこの街にある噴水まで歩き出した。
♦
噴水がある広場につくと思ったよりも周りには人がおり賑わいを見せている。
噴水の端に私は腰を掛け、水面に映る姿を確認しながら思案する。
「結構人がいるんだけど、しーちゃんは私のことわかるかなぁ」……学友であり今日、私と、この『WFW』をやる約束をし待ち合わせをした彼女【風音 詩織ちゃん】は大丈夫かなぁ……そう考えていると、ふいに「みーちゃん、おまたせー!!」と元気よく声をかけられる。
水面に向けていた視線を目の前の彼女に移すと、私に向ってダイヴしてくる彼女が見える。
「……ちょ!え!?」
避けるよりも早く彼女は、私へと突進してきた。
幸い水の中に落ちる……ということはなかったが……
「もう!! どんな所でもみーちゃんはかわいいなぁ!」と言いながら、頬ずりしてくるしーちゃんをなんとか引き離す。
そして、しーちゃんの外見を見て一言「私とおなじで、あまりイジらなかったんだね!」と声をかける。
「……やっぱり、あんまりイジって感覚が変わっちゃうのは怖いし……なによりみーちゃんが私の事わからないとか、嫌じゃん?」当然よ!! といった風に答える。
引き離したしーちゃんのキャラ姿をみて、少しだけ私と、見比べてみる。
まず……身長は、私より10cm背が高い……なので165cmである。
胸も私より大きくCカップ……少し羨ましく感じる……本人に言うと「じゃーみちゃんにあげるよ?」なんて、言っている……本人は邪魔に感じているようだ……
しーちゃんもリアルとほぼ変わらない見た目で、変わっているのは瞳の色と髪の色ぐらいである。
髪の色は淡い青でセミロング.目の色は深紅という言葉が似あう様な濃い赤い色。
そんな彼女はほんのり頬を紅潮させながら言う。
「そんなマジマジみないでよ。恥ずかしいなぁ」
……いや、いつもみてるじゃん……と思いながらも、口には出さないで質問する。
「そういえばゲーム内での、しーちゃんなんていうの……?私はミアだよ?覚えてね」と告げる。
すると待ってました!! とばかりに満面の笑みで「シオンだよ」と答える。
私たちのPNが分かったところで結局呼び方は変わらないねと2人で笑いながらスキル構成の話に移る。
「みーちゃんは魔法使いのスキル構成でしょ?」と当然だよねといったトーンでしーちゃんは話しかけてくる。
「……そうだね。スキル的には魔法使い系なのは変わらないけど……目指すのは精霊術を使いながらの召喚術師だよ!さしずめ、精霊召喚術師ってところかな……やっぱり精霊さんとか可愛い子と一緒に過ごしたいじゃない!!」というと。
そっかー、それでこそみーちゃんだねぇ!と笑っていた。
「……でも最初はつらいかもよー?撃たれ弱いし召喚できる子が強いとは限らないし?精霊術は……情報が少ないしから……」と彼女は告げる。
「それでもいいんだよ。私が楽しく、このゲームをするためには外せないスキルなんだから!」と言うと「そういうと思ったよ」と答える。
「……私は一応、剣士系に進むつもりだよ。目指すは二刀流!んーロマンだねぇ!」と上ずった声でしーちゃんは言う。
続けて「……2人でPT組んでいつも一緒にやるってことはできないから、とりあえずフレンド登録だけしとこっか?」という問いかけと共にステータス画面に新着情報が届く。
『シオンからフレンド申請が届いています。』
――勿論、許可を出し答える。
「私もまずは自分が楽しむためにいろいろやってみる!いろんな人と話もしてみたいし!いろんな景色を見たい!あと絶対可愛い精霊さん見つける!そのために精霊言語とったんだし!!」
とテンションを上げて答えると……
「やっぱりどこまでいっても、みーちゃんだねぇ」としーちゃんは苦笑いをしていた。
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それから、しばらく今後の予定を話し合う。
まずは街の外のフィールドにでて戦闘をしてみようかという話になる。
初期装備のままで大丈夫かなぁ、なんてしーちゃんに話をすると「なんとかなるよーきっと」とあっけらかんに答えていた。
ちなみに初期装備は布のワンピースのような服装になっている。
動きを阻害するんじゃないかと思うんだけど。
そんなこともなく、いつものように動け戦闘時の邪魔にならない用にもなっている。
服以外のアクセサリーや兜、帽子はなく質素な服装であった。
またこれはお互いに確認しないとねと続けてステータス画面を見せ合う。
ちなみに今の私のステータスを参照してみるとこんな感じ。
【キャラ名:ミア】 【性別:女】 【種族:人間】
【職業:冒険者】
Hp 200/200
Mp 50/50
Str 10
Int 10
Def 10
Mdf 10
Dex 10
Agi 10
Luc 10
【習得スキル】
―戦闘スキル―
・水魔法Lv1 ・精霊術Lv1 ・召喚術Lv1(召喚MOB無し)
・支援術Lv1 ・棒術Lv1 ・気配察知Lv1
―生産スキル-
鑑定Lv1 採取Lv1 細工Lv1
―言語スキル―
精霊言語Lv1
SP10/10
となっている。
ステータスの初期値は一律10となっているようだ。
LvUP時に所属している協会や職業によってステータス値にボーナスが入る。
またそのボーナスとは別にLPが2もらえ任意のステータス値に振り分けることが可能。
なので器用貧乏か特化ステータス化なども自由自在ということである。
ちなみにしーちゃんのステータス画面はこうなっている。
【キャラ名:シオン】 【性別:女】 【種族:人間】
【職業:冒険者】
Hp 200/200
Mp 50/50
Str 10
Int 10
Def 10
Mdf 10
Dex 10
Agi 10
Luc 10
【習得スキル】
―戦闘スキル―
剣術Lv1 体術Lv1 支援術Lv1 風魔法Lv1
気配察知Lv1 気配遮断Lv1 足さばきLv1 速度強化Lv1
―生産スキル-
鑑定Lv1 採取Lv1
SP10/10
となっていた。
何やら、双剣がいいと言っていた割には忍者みたいなスキル構成だなぁ……なんて思っているとその考えを読んでなのか、しーちゃんは笑いながら「忍者ってかっこいいよね!」と目を輝かせていた。
♦
話は変わるが、このゲームは、開始時にチュートリアルがない。
その代わりに、1Lvから10Lvの間はデスペナルティが生じない。
……またその為なのか、ギルドや職業にも所属できないようになっていた。
だから、多くのプレイヤーはすぐに町から飛び出しLv上げへと走りだす。
そんな流れになっているらしい……
まぁ、今ゲーム内は夜中であるため、そこまで真剣にやる人のほうが今は少ないのだが。
……ちなみに10Lvを超えるとデスペナルティが発生する。
内容は、1時間の間基礎ステータス値の減少及び、1時間の間取得経験値1/2というもの。
また、何となく気分や具合が悪くなった時のように体が重く感じるらしい。
……これは事前にWFWを遊んでいたCβT時の情報なのだけど。
――そんな事は頭の隅に置いておいて、しーちゃんに質問する。
「早速、フィールドに行って戦闘してみる?それともそろそろ時間だから明日にする?」というと、ニッと笑ったシーちゃんは「勿論!今すぐ行くよ!! 明日はお休みなんだから少しぐらいハメを外したっていいでしょ!ほら早く!」そう言った後に私の手を取り、町の外へと走り始めるのだった。
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